2026年全日本モトクロス選手権 Rd.8|TOKIO INKARAMI Super Motocross
・開催場所:オフロードヴィレッジ(埼玉県)
・開催日:2026年10月10日(土)・11日(日)
・天候:晴れ
・最高気温:27℃
・コースコンディション:ドライ
年間9戦で競われる2026年の全日本モトクロス選手権シリーズは、シーズン終盤戦に突入。かつての関東大会に相当する第8戦TOKIO INKARAMI Super Motocrossが、10月10日(土)~11日(日)に開催されました。
その舞台となったのは、今季第3戦でも使用された埼玉県川越市のオフロードヴィレッジ。荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられており、起伏がなくてコース幅が狭く、タイトターンとジャンプが多いことで知られてきたコースです。今大会の前には、基本レイアウトを従来から引き継ぎながら、より難易度が高いジャンプやリズムセクションを設けた、これまで以上にスーパークロス要素が強い仕様に変更。土日とも天候に恵まれましたが、日曜日はハードパック路面に大量の散水が施され、スリッピーな状況でした。
ピレリは現在、日本のオフロードレースカテゴリーにおいても活動を強化中。全日本モトクロス選手権では昨年から、ワールドスペックのSCORPION MX32 MID SOFTを、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリアタイヤとともに、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の全選手やレディースクラスの川上真花選手、シーズン後半からはIA2クラスの横澤拓夢選手などに供給してきました。さらに今季は、ホンダ系名門チームの「T.E.SPORT」などにも、サポート体制を拡大しています。
目次
IA1クラス
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、10周の3ヒート制で実施。ヒート1のスタートで、「T.E.SPORT」の大塚豪太選手(#4)は出遅れ、1周目9番手からの追い上げを試みました。3周目に8番手浮上を果たした大塚選手でしたが、その後は思うようにペースを上げられず、前のライダーにじわじわと離される苦しい展開。大塚選手はそのまま8位でゴールしました。
午後最初のレースとなったヒート2は、直前の散水作業により路面がこれまで以上にスリッピーな難しいコンディション。再び出遅れて1周目を8番手でクリアした大塚選手は、しばらく順位をキープしました。レース中盤、三つ巴のバトルで大塚選手は2台の先行を許しましたが、6番手だったライダーが転倒リタイアしたため、9位でチェッカーを受けました。
ヒート3では、これまでの問題点を修正した大塚選手がまずまずのスタートを決め、オープニングラップを5番手でクリア。海外のレースでも活躍するライダーがトップ3を占める一方、大塚選手らは縦に長い4番手争いの集団を形成しました。この中で大塚選手は、4番手を1~2秒差で猛追。しかし最後まで逆転のチャンスを得られず、5位でフィニッシュしました。
IA2クラス
IA2クラスの決勝も、IA1クラスと同じく10周の3ヒート制で実施。そのヒート1では、「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢選手(#240)が好スタートを決め、1周目を2番手でクリアしました。レース前半、横澤選手はトップにじわじわと逃げられる苦しい展開。それでも後続に対するリードは着実に積み重ね、2位でチェッカーを受けました。
ヒート2では、横澤選手がホールショット。そのまま1周目をトップでクリアしました。レース序盤から中盤にかけ、横澤選手はヒート1で優勝したライダーに何度も横に並ばれましたが、そのたびに僅差で抑えてトップを死守。終盤は1秒前後というわずかなリードを維持し続け、横澤選手がカワサキ&ピレリタイヤでの自身初優勝を手にしました。
今大会最終レースとなったヒート3でも、横澤選手はピレリタイヤのグリップを活かして好スタートを決め、3番手からのレースに。しかし1周目に1台の先行を許しました。レース前半、横澤選手ら3台が3番手のライダーに続き、5周目には激しい接近戦に。ここで先行した横澤選手は、その後に少しリードを奪い、3位でゴールして3ヒートを表彰台登壇で揃えました。
レディースクラス
レディースクラスの決勝は、通常よりも5分短い10分+1周の設定。スタート直後の大混戦を制して「T.E.SPORT」の川井麻央選手(#1)が先頭に立ち、2周目には「YSP浜松 BOSS RACING」の川上真花選手(#14)が2番手に浮上し、3番手以下を3秒ほど離しながらトップ争いを開始しました。ところが3周目、連続ジャンプの距離が合わず、川井選手がクラッシュ。これで川上選手がトップに立ち、川井選手は6番手まで後退しました。
レース中盤、川上選手と2番手はほぼ互角のタイムで周回。5周目には川上選手のリードが約2.5秒に減りましたが、翌周には約4秒に戻しました。そしてレース終盤は、川上選手が後続とのギャップを広げてほぼ独走状態に。レースは8周でチェッカーとなり、川上選手が今季初優勝を挙げました。川井選手は転倒後に追い上げて4位。今季開幕戦から続いていた川井選手の連勝は途切れましたが、ピレリタイヤは昨年最終戦から連勝継続中です。
IBオープンクラス
IBオープンクラスの決勝は、15分+1周の2ヒート制。土曜日午後のヒート1では、「T.E.SPORT」の外間匠選手(#69)が好スタートを決め、1周目からトップを快走しました。レース中盤、外間選手は2番手を3秒前後リードして周回。最終の13周目にはバックマーカーの影響で背後に詰め寄られたものの、そのまま逃げ切って今季7勝目をマークしました。
日曜日のヒート2では、1周目6番手から6周目に2番手まで浮上した外間選手が、4秒ほど先行していた先頭との距離を詰めていきました。しかし最後はわずかに届かず、外間選手は2位。ランキング2番手だった「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の今岡陸駆斗選手(#62)がこのレースを欠場したことから、外間選手のチャンピオンが決まり、ピレリに全日本モトクロス初タイトルをもたらしました。
IA1・大塚豪太選手のコメント
「ヒート1、ヒート2ともにスタートで出遅れる苦しい展開。しかも走りのリズムを掴めずにいましたが、マシンのアジャストを含めて着実に修正を続け、ヒート3でようやくいい走りができました。今回は、カタい路面の上に水が撒かれたツルツルのテカテカという状況。タイヤは前後ともMX32 MID SOFTでしたが、厳しいコンディションの中でタイヤの特性を活かせるライン取りを心がけました。こういう路面は、日本特有というイメージ。欧州育ちのピレリにとってはタフだったかもしれませんが、ヒート1とヒート2は自分がピレリの長所を引き出せていなかったし、ヒート3はその点において改善できたとも感じています。攻めつつもケガなく終われたし、最終戦のスポーツランドSUGOは得意なコースなので、楽しみにしています」
IA2・横澤拓夢選手のコメント
「自分にとっては約2年ぶりの優勝ですが、スポット参戦ライダーを除けば、全日本のIAクラスでピレリが勝つのは初めてだと思います。いいタイヤであることはわかっていたし、みんなにもそう言っていますが、説得力を増すためにはリザルトが必要。ひとつ勝てて少し安心しました。タイヤは前後ともMX32 MID SOFT。今回の路面は何を履いても滑ると思うので、性能面での不満はまるでなかったし、リアのパドルに近いブロックパターンがスタート直後の耕された路面でアドバンテージになるはずと、絶大な信頼を寄せていました。また、前戦からムースを使用していますが、初の実戦投入だったので、正直なところ不安もありました。しかし初っ端から表彰台に立てたことで自信につながり、今大会ではまるで不安がないどころか、性能的なアドバンテージすら感じながらレースに挑めました」
レディース・川上真花選手のコメント
「前戦は地元大会で敗れ、今季は優勝まであと少しのところにいながら一度も勝てずにいました。今回のコースは、ジャンプに対する加速などで2スト85ccマシンには不利な点も多かったのですが、そういうことはすべて忘れ、気持ちを切り替えて臨みました。本当は、川井麻央選手と真っ向勝負して勝ちたかったのですが、それは次戦に取っておきます。リアタイヤは、今回もMX Softを選択。スタートだけに賭けているわけではなく、コースのラインでもしっかりグリップしてくれると感じています。次はいよいよ最終戦。今日は一度喜び、明日からまたスポーツランドSUGOで勝つことに集中します。今年の誕生日に負けちゃった悔しさを晴らさなければいけませんから」
レディース・川井麻央選手のコメント
「決勝では、連続ジャンプで跳びすぎ、その先にあるジャンプの踏み切り付近に着地。それでコースサイドに跳ね飛ばされて転倒しました。絶対に勝ちたい地元大会だったので残念です。じつはタイムアタック予選の段階からとても好調で、むしろ良すぎるほど。だからミスしてしまったのかもしれません。とはいえ競り合って負けたわけではないし、誰にでもミスはあると思うので、気持ちを切り替えて最終戦に挑みます。リアタイヤは今回もMX Softを選択。こんな路面状況になるとは思っておらず、けっこう悩みましたが、それでもスタートを重視しました。最終戦は、全勝というプレッシャーなく臨めるので、勝って終わります!」
IBオープン・外間匠選手のコメント
「この大会でチャンピオンが決まるとはまったく思っていなくて、レースに勝つことだけを考えて臨みました。だから、シリーズタイトルを獲得できたうれしさもありつつ、ヒート2で負けた悔しさも残りました。ヒート1は心が折れることなく逃げ切れましたが、ヒート2はスタートの出遅れと、ちょっとしたミスが響きました。自分はカタい路面でもMX Softのフィーリングが好きで、今回もリアタイヤはMX Softを履きました。最終戦は、もうチャンピオンも決まったので、またレースで勝利することだけを考えて戦います!」





