2026年全日本モトクロス選手権 Rd.7|近畿大会 MRAカップ

・開催場所:名阪スポーツランド(奈良県)
・開催日:2026年9月12日(土)・13日(日)
・天候:曇り一時雨のち晴れ
・最高気温:30℃
・コースコンディション:ウェット

年間9戦で競われる2026年の全日本モトクロス選手権シリーズは、約2ヵ月間のサマーブレイクを終えてシーズン後半の3戦を迎え、9月12日(土)~13日(日)に第7戦近畿大会 MRAカップが開催されました。

三重との県境に近い山中に位置する名阪スポーツランドのモトクロスコースは、サンド質の路面が特徴。レイアウトは昨年までとほぼ変わらず、アップ&ダウンに富み、全体的に幅が狭くテクニカルな構成となっています。金曜日まで降り続いた雨の影響はかなり大きく、土曜日の朝は路面がぬかるんだ状態。それでも少しずつ回復傾向でしたが、日曜日の午前中に一時的な豪雨があり、再び水分が多く含まれた状態に戻りました。日曜日の午後は陽射しにも恵まれ、気温は30℃まで上昇。それでも谷地部分には水たまりが残り、柔らかくなった路面には無数のレールが刻まれるなど、かなりタフなコンディションでの大会になりました。

雨の影響で水分を多く含んだ名阪スポーツランドのコース
雨の影響で水分を多く含み、深いワダチが刻まれた名阪スポーツランド。

昨年、ピレリは日本のオフロード分野においても活動を強化。全日本モトクロス選手権では、ワールドスペックのSCORPION MX32 MID SOFTを、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリアタイヤとともに、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の全選手やレディースクラスの川上真花選手、シーズン後半からはIA2クラスの横澤拓夢選手などに供給してきました。さらに今季は、ホンダ系名門チームの「T.E.SPORT」などにもタイヤを供給。レースでの勝利や表彰台登壇、シリーズタイトル獲得などに挑むチームやライダーをサポートしています。

目次

  1. IA1クラス
  2. IA2クラス
  3. レディースクラス
  4. IBオープンクラス
  5. IA1・大塚豪太選手のコメント
  6. IA2・横澤拓夢選手のコメント
  7. レディース・川井麻央選手のコメント
  8. レディース・川上真花選手のコメント

IA1クラス

全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、15分+1周の3ヒート制で実施。そのヒート1は、スタート直前からゴールまで激しい雨が降る過酷な天候でのレースになりました。

「T.E.SPORT」の大塚豪太選手(#4)は、1周目を6番手でクリア。レース前半は6~7番手で周回しました。残り3周となった8周目、上位勢の脱落もあり大塚選手は4番手に。転倒により3番手へと後退したライダーに約2秒差まで迫るも届かず、4位でゴールしました。

ヒート2では、水を含んだ柔らかいサンド路面でリアに履くMX Softのグリップを最大限に発揮させた大塚選手が、スタート直後に2番手の好位置。1台の先行は許したものの、大塚選手は3番手でオープニングラップをクリアしました。レース序盤、大塚選手はトップ2には逃げられたものの、後続に対しては5秒前後のリードを保って3番手をキープ。レースは10周でチェッカーとなり、大塚選手は3位で今季4度目の表彰台登壇を果たしました。

今大会最終レースとなったヒート3は、路面に含まれる水の量は減少傾向ながら、これまでの走行により深いワダチが随所に刻まれた、非常に難しい路面でのレースになりました。大塚選手はスタート直後に好位置を確保できず、1周目は9番手。レース前半は、8番手と7番手を行き来していました。しかし7周目に再び7番手に復帰すると、その後はリードを拡大。レースは10周で終了となり、1台の転倒により大塚選手は6位に入賞しました。

IA1クラスを走る大塚豪太選手
IA1クラスの大塚豪太選手(#4/T.E.SPORT)。ヒート2で3位に入り、今季4度目の表彰台を獲得した。

IA2クラス

IA2クラスの決勝は、30分+1周の2ヒート制。前後ともにチューブではなくムースを選択し、リアにMX Softを履いた「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢選手(#240)は、新型マシンとともにヒート1のスタート直後から鋭い走りを披露しました。オープニングラップで2番手に浮上した横澤選手は、後続をレース序盤に大きく離して2番手をキープ。終盤には1台の接近を許したもののチャンスを与えず、18周のレースで2位を獲得しました。

決勝ヒート2でも、横澤選手は再び好スタートを決め、1周目は3番手。しかしその後、2番手から7~8秒ほど遅れました。9周目、横澤選手はライバルの先行を許して4番手に後退。ここにもう1台が接近して三つ巴の3番手争いに発展すると、息を吹き返した横澤選手は13周目に3番手。翌周には2番手を走行していたライダーの転倒により2番手まで順位を上げました。しかし15周目、横澤選手は再び4番手に。レースは19周で終了となり、横澤選手は4位でゴールしました。

IA2クラスを走る横澤拓夢選手
IA2クラスの横澤拓夢選手(#240/Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports)。ヒート1で2位を獲得した。

レディースクラス

レディースクラスの決勝は、15分+1周の設定。「YSP 浜松 BOSS RACING」の川上真花選手(#14)と「T.E.SPORT」の川井麻央選手(#1)は、いずれも好スタートを決めました。1周目の序盤、川上選手ら2台を抜いて川井選手がトップに。川井選手と先頭争いを繰り広げたライダーが転倒し、川上選手が2番手で1周目をクリアしました。2周目、トップの川井選手は約4秒のリード。しかし翌周以降、逆に川上選手が徐々に距離を詰めました。

5周目には、3番手以下を引き離した川井選手と川上選手がマッチレースを開始。川上選手が1秒圏内の僅差で川井選手を追いました。しかしレース終盤、何台ものバックマーカーが現れ、これに阻まれ川上選手がタイムロス。ラスト2周となった8周目には、川井選手のリードが約4秒に拡大し、そのまま逃げ切った川井選手が優勝、川上選手が2位となりました。ピレリ勢によるワン・ツー・フィニッシュは、3戦連続今季6度目です。

レディースクラスの川井麻央選手と川上真花選手
レディースクラスで優勝した川井麻央選手(#1/T.E.SPORT)。川上真花選手(#14/YSP 浜松 BOSS RACING)も2位を獲得し、ピレリ勢が3戦連続、今季6度目のワン・ツー・フィニッシュを達成した。

IBオープンクラス

今大会はIBオープンクラスも、決勝2レースをともに日曜日に実施するスケジュール。20分+1周で競われたヒート1では、「T.E.SPORT」の外間匠選手(#69)が、序盤に6番手をキープしました。レース中盤、外間選手は本格的に追い上げを開始。9周目に2番手まで上がると、ラスト3周となった11周目にトップ浮上を果たし、勝利を飾りました。

決勝ヒート2では、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の今岡陸駆斗選手(#62)が1周目3番手。さらに外間選手も、6番手につけました。2周目には今岡選手がトップ、外間選手が3番手に浮上。4周目には今岡選手と外間選手のトップ争いとなり、これを制した外間選手がその後にリードを拡大して優勝、今岡選手も後続を引き離して2位を獲得しました。

IBオープンクラスの外間匠選手と今岡陸駆斗選手
IBオープンクラスでは、外間匠選手(#69/T.E.SPORT)が両ヒートで優勝。ヒート2では今岡陸駆斗選手(#62/Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)が2位に入り、ピレリ勢がワン・ツー・フィニッシュを果たした。

IA1・大塚豪太選手のコメント

大塚豪太選手

「さらなる進化を望み、夏のインターバルは山本鯨トレーナーと一緒に取り組んできましたが、目標であるヒート優勝には届きませんでした。だから結果には満足していませんが、あまり得意ではないコースで表彰台に上がり、3ヒートすべて6位入賞できたので、少しの進歩も感じられました。今季からピレリのタイヤでレースを戦い、そのフィーリングに慣れてきているので、ヒート1は直前の豪雨でコース状況が悪化しましたが、神経質にならず走りに集中できました。また今回は、岩盤の露出が多いことからムースを使用。絶対にパンクしないという安心感は大きかったです。本格的にムースを使用するのは今年が初めて。もっと多くのデータを取得して、マディなら敢えて使い込んだムースを使うなど、チューブとは異なる視点で新たな武器にしていきたいです」

IA2・横澤拓夢選手のコメント

横澤拓夢選手

「今回からマシンが2027年型に。車体は同じなのですが、エンジンのトルクがアップしていて好印象です。あとはもう少し、サスペンションの仕様を煮詰めたいのですが、レースでの戦闘力は確実に向上しています。また今回から、ムースの使用も開始。このコースは意外と岩盤の露出も多く、これまでずっとチューブだったため、最初は警戒しながら走っていたのですが、途中で『そういえばムースだった……』と気づいて安心しました。レースの直前にテストして、実戦投入を急遽決定。『新品だとカタいよ』なんて声も聞いていたのですが、慣らしナシで土曜日から新品を導入しても、まるで問題は感じませんでした。サンドコースかつ雨の影響が残る状況だったので、リアは当然ながらMX Soft。これ以外の選択肢はないし、タイヤのおかげでスタートでいい位置を確保できました」

レディース・川井麻央選手のコメント

川井麻央選手

「協力してくれた人のおかげで、8月は毎週末のようにこのコースで練習できたのですが、雨の影響によるコースコンディションの悪化には、けっこう苦しめられました。サンドに多くの水が含まれてマディに近い状態になると、私が乗っている4ストマシンは車重があるため、2ストと比べて路面に埋まりやすいように感じています。もちろん4ストならではの有利性もあるので、トータルでの戦闘力が低いという意味ではないのですが、そのようなことも頭に入れつつ戦いました。リアタイヤは、もちろん今回もMX Soft。サンドとの相性は最高ですが、岩盤はやや苦手なので、その点には気をつけながら走りました。バックマーカーの処理にも気を遣いましたが、シーズン全勝をキープできてよかったです」

レディース・川上真花選手のコメント

川上真花選手

「今回も、先頭を走る川井麻央選手をしっかりマークできていたのですが、なぜか自分だけがバックマーカーに阻まれることが多く、逆転のチャンスを逃しました。自分のほうが得意なセクションがいくつかあったのですが、その直前でバックマーカーが出現する不運も重なりました。でも敗因はそれだけでなく、スピードはあったのにレース序盤のペースが悪かったことも反省点。一度は離れたところから追いつけたのだから、スタート直後から先行していれば勝てたレースだったと思います。次戦こそ勝ちたいです!」