2026年全日本モトクロス選手権 Rd.2
HSR九州大会
・開催場所:HSR九州(熊本県)
・開催日:2026年4月19日(日)
・天候:雨時々曇り
・最高気温:21℃
・コースコンディション:マディ
2026年の全日本モトクロス選手権シリーズは、例年よりも早く3月中旬に開幕。そこから約1ヵ月間のインターバルを挟み、第2戦HSR九州大会がワンデースケジュールにより4月19日(日)に実施されました。
昨年、ピレリはワールドスペックのモトクロス用タイヤとなるSCORPION MX32 MID SOFTを日本市場にも導入。マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリアタイヤとともに、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の全選手をはじめ、レディースクラスの川上真花選手、シーズン後半からはIA2クラスの横澤拓夢選手などに供給してきました。
そして今季は、日本での活動をさらに強化。ホンダ系の名門チームである「T.E.SPORT」の全ライダー、レディースクラスで昨年度ランキング3位と躍進の大久保梨子選手などにもタイヤを供給し、シリーズタイトル獲得を含む、さらなる好成績獲得を狙います。
第2戦の舞台となった熊本県のHSR九州は、起伏がほとんどないフラットな土地に設けられたコース。ハイスピードかつダイナミックなレイアウトの区間を多く有します。路面は火山灰の黒土がベース。ただし、長年にわたり山砂を搬入した整備が繰り返されています。大会前日から天候が崩れ、日曜日は朝から強めの雨が降るマディコンディション。そして昼頃に雨がほぼ止むと、ライン上を中心にやや回復傾向となりました。
■IA1クラス
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、30分+1周の2ヒートで競われました。今季からピレリタイヤを履く「T.E.SPORT」の大塚豪太選手(#4)は、1周目を10番手でクリア。2周目には前から4秒ほど遅れたものの、翌周から距離を詰めていきました。レース中盤、大塚選手は着実に追い上げて8番手まで浮上しました。
レース後半、4番手のライダーが転倒により後退したことで、大塚選手は7番手にポジションアップ。11周目にはさらにひとつ順位を上げ、6番手となりました。そしてレースは14周でチェッカー。滑りやすい路面で転倒者が続出するサバイバルレースをしっかり走り切って、大塚選手は6位を獲得しました。
今大会ラストの決勝レースとなったヒート2は、雨がほぼ止んだことで砂を多く含んだセクションのコンディションがかなり回復し、ワダチの中にはカタい地盤が露出する一方、水分を含んだ重たい泥が堆積したセクションも多く残る、攻略が難しいコンディション。大塚選手は、1周目を8番手でクリアしました。
またしてもスタートが決まらず、1周目の段階でトップから約16秒遅れという苦しい展開となった大塚選手でしたが、序盤は7番手のライダーを3秒前後の差でしっかりマークすると、レースが後半に入った8周目以降に2台をパス。最後は単独走行となり、大塚選手は再び6位でチェッカーを受けてリザルトをまとめました。
■IA2クラス
IA2クラスの決勝も、30分+1周の2ヒート制で競われました。そのヒート1では、「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢選手(#240)が、砂が多めに敷かれたスタート直後の路面でピレリタイヤのグリップを発揮させ、ホールショット争いを繰り広げました。ここではライバルの先行を許し、横澤選手は1周目を4番手でクリア。2周目には2番手に順位を回復しました。
序盤、横澤選手は1台にマークされながらも2番手をキープ。レースが中盤に入ったところで振り切り、単独走行になりました。最終ラップとなった15周目、横澤選手は追い上げてきた1台に迫られましたが、最後はポジションを死守し、2位で表彰台に立ちました。また、1周目23番手と大きく出遅れた「T.E.SPORT」の山崎巧也選手(#61)が、10台以上を抜いて10位でゴールしました。
ヒート2では、スタート直後のストレートでソフト路面におけるピレリタイヤの優位性を活かした横澤選手が、真っ先に1コーナーへ飛び込みホールショットを獲得。オープニングラップをそのまま先頭でクリアしました。2周目、横澤選手は2番手に後退。トップに離されながらも後続の3台を抑えていましたが、4周目にそこから1台の先行を許し、3番手に順位を下げました。
レース中盤、横澤選手は後続を3~4秒離して3番手を走行。10周目以降はライバルたちに接近されましたが、逆転のチャンスを与えず周回を重ねました。ラストラップとなった14周目、横澤選手は1台に肉迫されましたが、最後までしっかり耐え抜き、4位と0.352秒差の3位を獲得して表彰台に登壇しました。山崎選手は9位フィニッシュ。ここまでがトップと同一周回でした。

■レディースクラス
15分+1周の決勝では、今季からピレリを履くホンダ4ストの川井麻央選手(#1)がホールショット。川井選手はオープニングラップだけで約10秒、2周目には約18秒と、レース序盤から大量リードを築きました。一方、ヤマハ2ストマシンにピレリタイヤを履かせる川上真花選手(#14)は、1周目を3番手でクリアすると、翌周には2番手に順位を上げました。
レースが中盤に入っても、川井選手のペースは大きく落ち込むことなく、一人旅を続けながらさらにリードを拡大。終わってみれば9周のレースで約34秒差という圧倒的な速さを見せつけ、川井選手が開幕戦から連勝をマークしました。川上選手は、こちらも後続を大きく引き離して2位でゴール。開幕戦に続いてピレリ勢がワン・ツー・フィニッシュを果たしました。

■IBオープンクラス
未来の国際A級ライダーを目指すIBオープンクラスでも、ピレリユーザーが活躍。決勝は20分+1周の2ヒート制で実施され、転倒者続出のサバイバルレースとなった決勝ヒート1では、「T.E.SPORT」の外間匠選手(#69)が優勝、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の今岡陸駆斗選手が3位を獲得しました。
また決勝ヒート2では、3周目に2台をパスした「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の工藤博ノ介選手(#10)が、終盤に距離を詰めてきた2台を僅差で抑えて優勝。これにより、IBオープンクラスは両ヒートでピレリ勢が勝利を収めました。さらに、ヒート2で5位に入賞した外間選手が、総合優勝も手にしています。
IA1・大塚豪太選手のコメント
「両ヒートともスタートが決まらなかったことが、表彰台圏内に届かなかった原因。懸命に追い上げ、ヒート1のベストラップは優勝したライダーと互角でしたが、出遅れが最後まで大きく響きました。このコースは、スターティングゲートの地面が金網なのですが、これにうまく対応できなかったようにも感じています。リアタイヤは、タイムアタック予選とヒート1はマディ路面に適したMX Soft、雨が止んでライン上はだいぶカタかったヒート2はMX32 MID SOFTを選択。MX32 MID SOFTもソフト寄りの特性なので、前のライダーをパスするためにベストラインを外したときも、しっかり前に進んでくれました」

IA2・横澤拓夢選手のコメント
「今年からカワサキにマシンを乗り替え、開幕戦と比べたらバイクに対する理解度も深まりましたが、まだトライ&エラーの段階です。今回、リアタイヤは一貫してMX Softを選択。スタートで前にいないと話にならないし、実際に両ヒートともスタートは決まったので正解だったと思います。カタい地盤が露出している区間も多かったのですが、そういう場所でも普通に走れちゃいました。ヒート2は、練習だったらMX32 MID SOFTを選ぶであろうコンディションでしたが、結果としてMX Softのレンジが意外と広いと知ることができ、これは大きな収穫。今後、カタい路面でもさらにテストしてみたいと思っています」

レディース・川井麻央選手のコメント
「雨の影響がかなりあったので、スタートがとにかく重要だと思っていました。MX Softのリアタイヤが、ホンダ4ストのトルクをしっかり路面に伝えてくれて、ホールショットを獲得できたことで、泥を浴びずクリアな視界で走れるアドバンテージを得ることができました。1周目に10秒差というのは上出来すぎて、後続にアクシデントがあって赤旗なのでは……と考えてしまうほどでした。走り自体は、まだまだ詰められる部分もありましたが、レースの展開とリザルトは完璧だったと思っています」

レディース・川上真花選手のコメント
「マディコンディションは好きなので、直前で雨予報に変わったことをうれしく思っていました。ところが実際には、カタいワダチの中に発生したギャップや、滑りやすい路面にうまく対応できず、カラダの動きがカタくなって自分らしい走りができませんでした。加えて、スタートも失敗。今大会はいいところがなかったですが、次戦はもっと楽しく乗って、優勝して笑顔で終わりたいです」






