2026年全日本モトクロス選手権 Rd.5|中国大会
・開催場所:世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)
・開催日:2026年6月27日(土)・28日(日)
・天候:曇りのち晴れ
・最高気温:26℃
・コースコンディション:ウェット to ドライ
年間9戦で競われる2026年の全日本モトクロス選手権は、ちょうどシーズン中間地点となる第5戦中国大会を迎えました。舞台は、広島県南東部に位置する世羅グリーンパーク弘楽園。6月27日(土)に各クラスの予選やIBオープンクラスの決勝ヒート1、28日(日)に各クラスの決勝が実施されました。
昨年からピレリは、日本でのモトクロスレース活動を強化しています。全日本選手権においては、ワールドスペックのSCORPION MX32 MID SOFTを、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリアタイヤとともに、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の全選手やレディースクラスの川上真花、シーズン後半からはIA2クラスの横澤拓夢などに供給してきました。さらに今季は、ホンダ系名門チームの「T.E.SPORT」、レディースクラスの大久保梨子などにもタイヤを供給するなど、サポートに力を入れています。
第5戦中国大会の舞台となった世羅グリーンパーク弘楽園は、世羅町の山中にあるアップダウンが豊富なハイスピードコースです。ハードパック路面で知られますが、台風と梅雨前線の影響でレースウィークに入ってから雨が降り続き、土曜日朝のコースはマディコンディションとなりました。このため、土曜日のタイムスケジュールや予選方式は大幅に変更されました。
土曜日午後の段階で路面はかなり回復傾向でしたが、夕方から日曜日午前中にかけて断続的に小雨が降り、各クラスの決勝が実施された日曜日は、マディではないもののかなり土が柔らかい状態でスタート。路面には深いワダチが刻まれました。しかしその後に天候が好転し、午後のコースはベストコンディションとなりました。
IA1クラス
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、30分+1周の2ヒート制で実施されました。
ヒート1では、前戦でIA1自身初の総合優勝を獲得した「T.E.SPORT」の大塚豪太(#4)が、1周目を8番手でクリアしました。3周目、大塚はひとつポジションアップ。6番手のライダーに迫ると、5周目には逆転を狙いました。ところがここで転倒を喫し、11番手まで後退。それでもレース後半の粘り強さを持つ大塚は、7位まで追い上げて16周のレースをゴールしました。
決勝ヒート2でも、大塚はスタート直後に8~9番手とやや出遅れましたが、路面がかなり荒れた難しいコンディションの中で最初から積極的に順位を上げ、1周目を5番手でクリア。2周目にはファクトリーマシンを駆るライダーを抜き、4番手に浮上しました。
しかし翌周に抜き返されると、その後は5番手をキープ。4番手を1~2秒差でマークし続けていました。10周目、惜しくも転倒した大塚は6番手に。レースは17周で終了となり、大塚は6位となりました。
IA2クラス
IA2クラスの決勝も、30分+1周の2ヒート制で行われました。
ヒート1は、まだ霧雨が降る状況でスタートしました。「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢(#240)は、SCORPION MX Softのグリップを活かし、スタート直後に2番手の好位置を確保。しかし3番手に後退すると、トップ2に離されてしまいました。
レース中盤、横澤は迫る後続を抑えて4番手をキープ。しかし8周目から順位を落とし、最後は後方から迫ってきた1台に競り勝って7位でゴールしました。
ベストコンディションに近い路面状況で迎えた決勝ヒート2では、横澤がホールショットを獲得。1周目、横澤は現在のポイントリーダーと接戦を繰り広げ、2周目にはここにランキング2番手も加わり、三つ巴のトップ争いに発展しました。
3周目に両者の先行を許した横澤は、レース中盤には7秒ほどの前後ギャップがある単独走行の3番手に。しかしレース終盤にライバルたちに迫られ、17周でチェッカーとなったレースを5位でゴールしました。
レディースクラス
15分+1周の決勝レースは、「YSP浜松 BOSS RACING」の川上真花(#14)がホールショット。「T.E.SPORT」から参戦する今季無敗の川井麻央(#1)は、4番手につけました。
レース序盤、先頭集団は川井までの4台に絞られ、一度は2台ずつの接近戦に。3周目、川上は2番手に後退しました。翌周には川井が3番手から3秒ほど遅れたものの、5周目には再び距離を詰め、これで再び上位4台がワンパックになりました。
6周目、先頭のライダーが転倒し、これにラインを塞がれた川上がストップ。この間に先行した1台が同じ周にクラッシュしたため、川上と川井のマッチレースになりました。
ここからのラスト2周は、両者の激しい攻防戦。川上が先頭を死守していましたが、ゴールまであと少しのところで川井が一気に並んで逆転しました。これにより川井が優勝、川上が2位となり、ピレリ勢が今季4度目のワン・ツー・フィニッシュを達成しています。
IBオープンクラス
こちらも全日本格式となるIBオープンクラスは、当初の予定どおり予選はレース形式、決勝は20分+1周の2ヒート制で実施されました。
土曜日夕方の決勝ヒート1では、「T.E.SPORT」の外間匠(#69)がスタート直後からトップに肉迫しました。3周目には、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の今岡陸駆斗(#62)が先頭まで約5秒差の3番手に。5~6周目にトップ争いは激しさを増し、外間が逆転に成功しました。そして、後続を3~4秒離した外間が優勝、今岡は4~5秒差で2番手を追い続けて3位でゴールしました。
日曜日午後の決勝ヒート2では、今岡がホールショット。外間が続くと、激しいトップ争いを展開しました。さらに、ヒート1は18位に終わった「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の工藤博ノ介(#10)が、4番手で1周目をクリアしました。
4周目、今岡を僅差でマークし続けていた外間が、逆転に成功しました。レース終盤、外間は数秒のリードを確保。外間が再び優勝、今岡が2位でピレリ勢がワン・ツー・フィニッシュを果たしました。ミスで順位を下げた工藤は、6位でゴールしています。
IA1・大塚豪太のコメント
「悩ましいところでしたが、両ヒートともタイヤはソフト路面用のMX32 MID SOFTを使いました。ライン上はカタい場所も多く、そういう路面での滑り方が自分の好みに合っているというのが理由です。スタートも、バチバチに決めれば勝負できると思っていましたが、ヒート1ではそれができず、追い上げの展開に。前のライダーを早く抜きたくて、車速が足りていないのに3連ジャンプを無理にクリアしようとして転倒しました。ヒート2は、よりMX32 MID SOFTに向いているコンディション。ファクトリーチーム勢をしっかり追えていたのですが、パッシングを試みたときにちょっと走りがラフになり、またしても転びました。両ヒートとも、攻めた結果としての転倒。自分は、どちらかというと保守的な展開で終わることが多いので、悔しさもありますが、今後に向けて大きな一歩になったとも感じています」
IA2・横澤拓夢のコメント
「土曜日の段階からエンジンのマッピングがうまくハマらず、決勝日のヒート2でようやく改善できたという状況。とはいえ、カワサキにスイッチして5戦を消化して、だいぶ手応えが掴めてきました。ヒート2は、後半にちょっと疲れちゃいましたが、前半はちゃんとレースができていたと思います。タイヤは、一貫してリアにMX Softを選択。とにかくスタートで前のほうにいたかったし、実際にそれができたので、いい判断だったと思います。前戦終了後に、雨上がりで次第に乾いていく路面で、どこまでMX Softが使えるかテストして、意外とレンジが広いことを確認していました。カチカチ路面に散水されたような状況だと厳しいかもしれませんが、レースコンディションでスタートに集中したいときは、リアにMX Softという選択はありだと思います」
レディース・川井麻央のコメント
「土曜日の段階からキャブセッティングが決まらないままで、決勝が一番いい状態でしたが、前に追いつくことはできても、パッシングできるほどの速さがない状況。加えて自分自身も、路面の深いレールを攻略できていない部分もありました。でも、難しいコンディションでミスが多かったのは他の選手も同じ。そういう中で、最後まで諦めずに攻め続けたからこそ、相手にプレッシャーを与えられたと思います。タイヤは、今回もリアにMX Softを選択。岩盤の露出が多いコースなので、そこだけは注意しつつ走りましたが、日曜日朝までの雨でよりタイヤとの相性がいい路面の柔らかさになっていたと思うし、アップダウンの多いコースで小排気量モデルの限られたパワーをしっかり路面に伝えてくれたと感じています」
レディース・川上真花のコメント
「トップ集団の中で、焦らず冷静にと思いながら走っていました。レース後半、トップの選手が転んだときに、自分も引っかかって遅れてしまったことがもったいなかったです。最終ラップは、自分が先頭でコースの終盤を迎えたとき、前のほうに周回遅れがいることを確認。左のタイトターンでそのライダーがベストライン上にいたので、リスクを避けるためにイン側のラインを走りました。しかし川井麻央はベストラインを選択。これで並ばれて、逆転を許しました。私のミスだったと反省しています。いつもどおり、リアタイヤはMX Softを履きましたが、柔らかい路面でしっかり喰ってくれました。次こそ勝ちます!」
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