2026年全日本モトクロス選手権 Rd.6|北海道千歳大会

・開催場所:新千歳モーターランド(北海道)
・開催日:2026年7月12日(日)
・天候:雨のち曇り
・最高気温:25℃
・コースコンディション:マディ

年間9戦が設定されている、2026年の全日本モトクロス選手権。その第6戦北海道千歳大会が、ワンデースケジュールにより7月12日(日)に開催されました。今大会はシーズン中盤に設けられた4連戦のラストで、これを終えるとシリーズは、夏の猛暑時期を避ける2ヵ月間のインターバルに入ります。

2023年に10年ぶりの復活を果たし、翌年の連続開催を経て2025年は休止され、2年ぶりとなる北海道での全日本モトクロス選手権。その舞台となったのは、以前と同じ新千歳モーターランドのダート・モトクロスコースです。北海道らしいダイナミックなコースは、火山噴火の堆積物に由来するサンド質の路面も特徴。しかし今大会は、朝に降った一時的な強雨がとどめとなり、とくに午前中は随所に水たまりが残るマディコンディションでのレースとなりました。また、スターティングマシンの故障により、各クラスの決勝レースは日章旗を振り上げるフラッグスタート方式に。進行遅延のため、レース時間は短縮されました。

ピレリは昨年から、日本においてもモトクロスレース活動を強化しており、全日本選手権ではワールドスペックのSCORPION MX32 MID SOFTを、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリアタイヤとともに、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の全選手やレディースクラスの川上真花選手、シーズン後半からはIA2クラスの横澤拓夢選手などに供給してきました。さらに今季は、ホンダ系名門チームの「T.E.SPORT」にもタイヤを供給するなど、サポートに力を入れています。

IA1クラス

全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、ヒート1が25分+1周、ヒート2は20分+1周に短縮。「T.E.SPORT」の大塚豪太選手(#4)は、予選4番手タイムをマークして決勝に臨みました。ところが決勝ヒート1ではスタートで大きく出遅れ、1周目11番手と苦しい展開に。前を走るマシンが跳ね上げた泥に視界を遮られ、うまく追い上げられない状況が続きました。それでも、8周目には7番手まで浮上。最後は6番手まで約2秒差に迫り、大塚選手は13周のレースを7位で終えました。

この日の最終レースとして実施され、かなり荒れた路面での戦いとなった決勝ヒート2でも、大塚選手は1周目9番手と出遅れました。それでも2周目に8番手、3周目に7番手と着実に順位を上げると、その後は6番手のライダーをマーク。6周目には、この2台が前の2台に近づき、4台による4番手争いに発展しました。そして8周目に、大塚選手が集団の先頭に。その後は迫るライバルたちを突き放し、11周のレースを大塚選手は4位でゴールしました。

IA1クラスの大塚選手
IA1クラスに参戦した大塚豪太選手(#4/T.E.SPORT)。ヒート2では荒れた路面の中で追い上げ、4位でゴールした。

IA2クラス

IA2クラスの決勝も、ヒート1が25分+1周、ヒート2は20分+1周に短縮されました。雨が降る中で実施された予選では、「Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢選手(#240)がトップタイムをマーク。しかし決勝ヒート1ではスタートで出遅れ、1周目は8番手でした。ここから横澤選手は順調に追い上げ、4周目には4番手。その後は単独走行で順位をキープしていましたが、ラスト4周となった10周目に1台の先行を許し、横澤選手は5位でゴールしました。

決勝ヒート2では、クラッシュが相次いだスタート直後の混戦で順位を上げ、横澤選手が4番手に。上位勢は序盤から縦に長くなる傾向でしたが、横澤選手は前のライダーを約3秒差で追うと、3周目には逆転に成功しました。その後、トップ2には離されたものの、横澤選手は後続とのギャップを6秒程度に拡大。周回遅れの影響で終盤には後続の接近を許しましたが、最後まで順位を守った横澤選手は11周のレースで3位となり、今季5度目の表彰台登壇を果たしました。

IA2クラス横澤選手
IA2クラスの横澤拓夢選手(#240/Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports)。ヒート2で3位に入り、今季5度目の表彰台を獲得した。

レディースクラス

全大会で1レースのみが実施されるレディースクラスは、15分+1周の決勝レース時間が維持されました。そのスタートでは、慣れないフラッグスタートにうまく対応した「T.E.SPORT」の川井麻央選手(#1)がホールショット。一方、今季全勝中の川井選手をランキング2番手で追う「YSP浜松 BOSS RACING」の川上真花選手(#14)は、やや出遅れたものの混戦の中ですぐに順位を上げ、1周目を川井選手に次ぐ2番手でクリアしました。

レース序盤、川井選手を1~2秒差で川上選手がマーク。ところが3周目に川上選手がミスで遅れ、川井選手のリードは約7秒に拡大しました。川上選手は3番手に後退したものの、僅差で追っていたライダーが4周目に転倒したため2番手に復帰。しかしこの段階で、川井選手と川上選手のギャップは約10秒に拡大していました。そして8周のレースは川井選手が勝利し、川上選手が2位を獲得。ピレリ勢が2戦連続今季5度目のワン・ツー・フィニッシュを達成しました。

レディースクラス川井選手
レディースクラスで優勝した川井麻央選手(#1/T.E.SPORT)。フラッグスタートでホールショットを奪い、そのままトップを守り切った。

IBオープンクラス

レディースクラスと同じくIBオープンクラスも、2023~2024年の北海道大会では実施されませんでしたが、今年はスケジュールに組み込まれました。決勝は2ヒート制で、両ヒートとも15分+1周に短縮。そのヒート1では、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」の今岡陸駆斗選手(#62)がスタート直後からトップを快走しました。今岡選手は最終ラップに転倒してトップの座を明け渡しましたが、最後に逆転。0.347秒差で逃げ切って勝利を収めました。

決勝ヒート2でも、今岡選手は再びスタート直後からトップを快走し、3周目までに約10秒のリードを確保。今度は最後まで大きなミスなく走り切り、今岡選手が再び勝利を収めました。また、予選トップだった「T.E.SPORT」の外間匠選手(#69)は、ヒート1は序盤のミスで4位に終わりましたが、ヒート2では2位となり、ピレリ勢がワン・ツー・フィニッシュを果たしました。

IBオープンの今岡選手と外間選手
IBオープンクラスでは、今岡陸駆斗選手(#62/Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)が両ヒートを制し、外間匠選手(#69/T.E.SPORT)がヒート2で2位を獲得。ピレリ勢がワン・ツー・フィニッシュを果たした。

IA1・大塚豪太選手のコメント

「ヒート1はスタートで完全に出遅れ。前のライダーが跳ね上げる泥の量が半端なく、完全に視界を遮られるような状況が何度もあって自分のペースで走れず、不本意な順位で終えました。ヒート2は、またしても出遅れ。でも、1週間前から北海道に滞在して乗り込んできたのに、ヒート1と同じ感じで終わるわけにはいかないという意地もあったし、問題点を修正するシミュレーションもできていたので、ヒート1と比べたらしっかり追い上げることができました。自分はソフト路面用のMX32 MID SOFTを選びたがる傾向にありますが、このコースならリアはMX Softの一択。これはドライでもマディでも変わりません。昨年まで使用していた他社のタイヤと比べて、柔らかい路面で前後方向への喰いつきに優れているのがピレリの長所だと、あらためて感じました」

IA2・横澤拓夢選手のコメント

IA2クラス横澤選手

「事前テストから乗り込んで、かなりいいフィーリングだったのですが、本番はまさかの雨。しかもこんなに降るとは、まるで予想していませんでした。そのため、事前テストで決めたサスセッティングがあまり合っておらず、ヒート1は序盤こそポンポンと順位を上げられましたが、そこから先は苦戦。インターバルの間にセッティングを変更し、ヒート2はだいぶ改善しましたが、優勝には届きませんでした。でも第4戦、第5戦と表彰台に立つことができず、嫌なトンネルに頭を突っ込みかけていたので、夏のインターバルに入る直前にとりあえず表彰台圏内まで戻ってこられたことで、いい流れを取り戻せそうです。タイヤは、一貫してリアにMX Softを選択。このコースなら、これ以外の選択肢はないと思います」

レディース・川井麻央選手のコメント

レディースクラス川井選手

「決勝直前の昼休憩中にコース整備が入り、ジャンプのあたりはだいぶ均されていましたが、コーナーにはあまり手直しが加えられていない状況。進行が遅れたこともあり、時間をかけてコース状況を確認できていたので、それが走りに活きた部分も大きかったと感じています。2戦連続で危なっかしいレース内容だったので、今回こそスタートから逃げ切りたいと思っていましたが、そのとおりのレースができました。フラッグスタートはどうなることかと思いましたが、チームのスクールなどで親しみがあったおかげか、むしろいつもより決まりました。タイヤは、今回もリアにMX Softを選択。ちょっとミスしてライン上ではないところに入ってしまっても、しっかりかいてくれたので、あまりロスすることなく走れたと思います」

レディース・川上真花選手のコメント

レディースクラス川上選手

「先頭を走る川井麻央選手を、しっかりマークできていたのですが、レース中盤にストレートでミス。これでカラダの動きが固まってしまい、その後はうまく走れませんでした。スタートで出遅れたのに、うまくリカバリーできて、あとは川井選手との勝負というところだっただけに、とても残念に思っています。激しく雨が降っていた予選とはだいぶ路面状況が異なり、それに対応できなかったことが敗因。タイヤは今回もリアにMX Softを履き、決勝のほうがやや滑りやすく感じましたが、タイヤではなく自分自身の問題だと思うので、夏休みの間に次戦が開催される名阪スポーツランドでたくさん練習します」