2026年FIMロードレース世界選手権第14戦サンマリノ&リミニ・リビエラGPが、9月11日から13日にかけてミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催されました。

Moto2では古里太陽が最後尾の29番グリッドから17位まで追い上げました。佐々木歩夢は決勝直前の技術的トラブルによりスタートできず、DNS。Moto3では山中琉聖が13位でポイントを獲得し、三谷然は22位でレースを終えています。

古里太陽、29番グリッドから17位へ

古里太陽にとって、ミサノは後方から追い上げるレースとなりました。

予選ではQ1を10番手で終え、総合24番手。さらに予選中の低速走行に対して、今季3度目の違反として最後尾スタートのペナルティが科され、決勝は29番グリッドから迎えることになりました。

それでもスタート直後からポジションを上げ、1周目だけで9台を抜いて20番手へ。その後も順位を上げ、最終的に17位でチェッカーを受けました。

古里はレース後、序盤から多くのポジションを上げられた一方、ポイント圏まで届くにはペースが足りなかったと振り返っています。そのうえで、週末のスタート地点と比べれば「正しい方向へ小さな一歩を進めた」と手応えも語りました。

ポイント獲得には届かなかったものの、予選とペナルティで苦しい状況に置かれながら最後尾から12ポジションを挽回。厳しい週末の中でも、決勝では前進を見せました。

サンマリノGP終了時点で、古里は15ポイントでMoto2ランキング22位につけています。

佐々木歩夢は技術的トラブルで決勝をスタートできず

もうひとりのMoto2日本人ライダー、佐々木歩夢は予選Q1で11番手。決勝はグリッドペナルティによる順位変動を経て24番グリッドから迎える予定でしたが、スタート直前にマシンの技術的トラブルが発生し、決勝をスタートすることができませんでした。

Momoven Idrofoglia RW Racing Teamによると、同様の問題は前日にも発生しており、決勝前に再びトラブルが発生したとしています。具体的な部位や原因については公表されていません。

佐々木はレース後、週末を通していくつかの問題があり、レースに向けた準備も理想的ではなかったと振り返りながら、次戦までに問題が解決されることを期待するとコメントしました。

前戦アラゴンGPまで2戦連続でポイントを獲得していましたが、その流れは思わぬ形で途切れることになりました。サンマリノGP終了時点では19ポイントでMoto2ランキング19位です。

Moto3は山中琉聖が13位、三谷然は22位

Moto3では山中琉聖が日本人ライダーで唯一ポイントを獲得しました。

金曜日のプラクティスでは21番手と苦戦しましたが、土曜日の予選ではQ1を2番手で通過。Q2では12番手まで順位を上げ、グリッドペナルティによる変動で11番グリッドから決勝をスタートしました。

決勝では中団の集団でレースを進め、13位でフィニッシュ。3ポイントを加え、サンマリノGP終了時点で22ポイント、Moto3ランキング21位となっています。

三谷然はQ1で8番手となり予選総合22番手。その後のグリッド変動によって19番グリッドからスタートし、決勝は22位で完走しました。

約2か月の負傷離脱から復帰した前戦アラゴンGPに続き、ミサノでもレースを走り切った三谷。ランキングは2ポイントで26位となっています。

サンマリノGPをタイヤから見る

サンマリノGPのタイヤアロケーション

今回のミサノでPirelliが取り組んだ大きなテーマのひとつが、Moto2のフロントタイヤ開発でした。

新たに投入された開発仕様「F0749」は、標準SC1と同じソフトコンパウンドに新しい構造を組み合わせたものです。

前戦アラゴンGPで投入された「E1089」が標準SC1の構造に新しいコンパウンドを組み合わせていたのに対し、F0749では逆に構造側を変更。Pirelliは特にブレーキング時の安定性向上を狙いました。

決勝は気温27℃、路面温度38℃のドライコンディション。Moto2では全ライダーがリアにスーパーソフトのSCXを使用し、フロントでは新しいF0749が最多選択となりました。2位コリン・フェイヤー、3位バリー・バルタスもF0749を使用しています。

一方、優勝したマヌエル・ゴンザレスが選んだのは標準SC1でした。さらにフィリップ・サラックも標準SC1を使用し、7周目に1分34秒666の新レースラップレコードを記録しています。

新しいF0749が多くのライダーから選ばれ、表彰台でも結果を残す一方、既存のSC1も優勝とレースラップレコードを記録したことになります。

Pirelli Moto Racing Directorのジョルジオ・バルビエも、標準SC1とF0749の両方が高いパフォーマンスを示した点を評価。複数の選択肢を同じレベルで競争力のあるものにすることはPirelliの開発目標のひとつであり、今回の結果は既存レンジの性能と新仕様のポテンシャル、その両方を確認するものになったとしています。

Moto3の決勝は気温24℃、路面温度29℃。多くのライダーが前後ともソフトSC1を選ぶ中、優勝したマキシモ・キレスは前後ともミディアムSC2を選択しました。

前後SC1を履いたダビド・アルマンサと最終コーナーまで争い、ゴールラインではわずか0.021秒差。キレスは1分40秒366の新レースラップレコードも記録しました。3位のブライアン・ウリアルテは、フロントSC2、リアSC1という異なる組み合わせを使用しています。

Moto2、Moto3とも、ひとつの仕様だけが明確な「正解」となった週末ではありませんでした。異なる仕様やコンパウンドが同じレースの中で競争力を発揮したことが、今回のミサノをタイヤから見るうえで大きなポイントです。

日本人ライダー サンマリノGP結果

クラス ライダー 予選 グリッド 決勝 ランキング
Moto2 古里太陽 24番手 29番 17位 22位/15pt
Moto2 佐々木歩夢 25番手 24番 DNS 19位/19pt
Moto3 山中琉聖 12番手 11番 13位 21位/22pt
Moto3 三谷然 22番手 19番 22位 26位/2pt

次戦はオーストリアGP

次戦は9月18日から20日にかけて、レッドブル・リンクで開催されるオーストリアGPです。

古里はミサノで見せた追い上げを、次はポイント獲得につなげられるか。佐々木は今回発生した技術的トラブルを解消し、再びポイント争いへ戻れるかが注目されます。Moto3では山中がミサノに続くポイント獲得を、三谷は復帰後のさらなる前進を目指します。

タイヤ開発も次の段階へ進みます。Pirelliはオーストリアで、ミサノのF0749ではなく、アラゴンGPでデビューしたもうひとつの開発フロント「E1089」を再投入する予定です。強いブレーキングが特徴のレッドブル・リンクで標準SC1との比較を続け、Moto2用フロントタイヤの開発データをさらに蓄積していきます。

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