写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第19戦マレーシアGP
11月1日~3日/マレーシア セパン・インターナショナル・サーキット
Moto2小椋藍:マシントラブルによってリタイア
前戦タイGPでチャンピオンを獲得した小椋藍(MTヘルメット – MSI)は、マレーシアGPではボスコスクーロの新しいシャシーを使用しての走行となりました。
小椋はマレーシアGPで、グリップとチャタリングの問題を抱えます。ただ、予選Q2では7番手を獲得。小椋としては、このポジションは悪くないもので、後半に勝負していければと考えていました。
決勝レースでは好スタートを切って、1周目を3番手で終えます。タイヤに厳しいサーキットであることからレース序盤は攻めすぎずに走り、その後も、3番手争いを展開します。しかし、マシントラブルが発生し、11周目にリタイアとなりました。小椋にとって、今季初のリタイアでした。
小椋はMotoGP.comのインタビューで、こう答えています。
「トップの(チェレスティーノ・)ヴィエッティまでとなると、どうかな、という感じでしたが、自分の感覚では2位までは行けたのではないかな、と思っています。レースがこういう形で終わって残念です。最後まで走って、今週どうだったのか、ということを見たかったので。最終戦に向けて、頑張っていければと思います」
また、Moto2クラスに参戦する佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、金曜日午後のプラクティス1でハイサイド転倒を喫し、右手首と右足首を骨折しました。この負傷により、欠場となりました。
Moto3古里太陽、優勝争いの末、今季3度目の表彰台獲得
Moto3クラスでは、古里太陽(ホンダ・チームアジア)が躍動しました。古里は予選Q2で17番手。これは、最後のアタックラップが1コーナーで掲示されていたイエローフラッグによって取り消しとなったためでした。もしも記録されていれば、5番手タイムだったのです。
小さなアンラッキーはありましたが、古里には「いいペースがある」という手ごたえがありました。
そして実際に、決勝レースでは17番手からスタートして、3周目にはトップ集団に加わりました。一時はトップに立って、レースをリード。終盤には今季のMoto3チャンピオン、ダビド・アロンソ(CFMOTO Gaviotaアスパー・チーム)と優勝争いを展開しました。
古里は2位フィニッシュで、今季3度目の表彰台を獲得しました。優勝したアロンソとは、わずか0.088秒差でした。
「スタートは17番手と厳しいポジションだったのですが、自信がありました」と、古里はMotoGP.comのインタビューで語っています。
「いい流れでレースができました。一度、フロントを失いそうになったりもしたんですけどね。アロンソに近づくことができましたが、最後は少し足りなかったです。夏休み以降、一度も表彰台を獲得できていなかったのですが、表彰台に戻ってこられました」
山中琉聖(MTヘルメット – MSI)は、トップ集団に加わり、7位でゴールしました。
「せっかく順位が上がったのにポジションを落としてしまったり、もったいない部分もありました。残り4、5周は厳しくて、なかなか順位を上げることができませんでした。そこをもう少し、改善していけたらと思います」(MotoGP.comのインタビューより)
鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は、2列目4番手という今季自己ベストグリッドからのスタートでした。レース序盤はタイヤをマネジメントする作戦で、レース中盤は5番手を走行していましたが、マシンに技術的な問題が発生し、9周目にリタイアとなりました。
「自分のポテンシャルを発揮できていたところで、自分のコントロールできない部分でリタイアをせざるをえなかったのは悔しいです。あと1戦あるので頑張ります」(MotoGP.comのインタビューより)
次戦は2024年シーズンの最終戦です。当初はリカルド・トルモ・サーキットでバレンシアGPが行われる予定でしたが、10月29日にスペインのバレンシア州を襲った洪水被害により、中止となりました。代替として、同日程でバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで最終戦が開催されます。