このサイトで何度も取り上げているように、毎年春と秋の2回、筑波サーキットで開催される「テイスト・オブ・ツクバ」(以下T.O.T.)では、出場マシンの約7割がピレリタイヤを使用。それが「ピレリじゃなきゃ勝てない」と囁かれる所以です。

11月2日、3日に開催されたKAGURADUKI STAGEでも269台中177台(うちメッツラーユーザーが4台)がピレリタイヤを装着。ピレリタイヤ優勢の構図は相変わらずで、各クラスの表彰台もピレリユーザーが席巻。最速クラスのD.O.B.A.R HERCULESも1位から4位までを独占しました。

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D.O.B.A.R HERCULESの表彰台は1位國川選手(Team YELLOW CORN)、2位渡辺選手(POWER-BUILDER&PRESTO CORSA)、3位梶山選手(OVER Racing)、4位光元選手(Garage414&WoodStock)とピレリユーザーが独占した。

多くのマシンが使用しているのはDIABLO™ SUPER CORSA ですが、今回のレースでは従来のV3から昨年、新たに投入されたV4が主流になってきたようです。

そこで、D.O.B.A.R HERCULEクラスにカワサキ・Ninja H2Rで参戦し、表彰台の常連になっているGarage414&WoodStockの光元康次郎さんにDIABLO™ SUPER CORSA V4についてお話を伺ってみました。

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カワサキ・Ninja H2RでHERCULEクラスに連続参戦中の光元さん。広島在住で、T.O.T.が開催される春と秋の2回しか筑波サーキットを走る機会がないためコースに慣れていない、と言いながらも常に表彰台争いに加わっている。300馬力超のH2Rらしく、リヤタイヤのグリップがもっと欲しいとのこと。

「V3と比較すると、V4はフロントの剛性が上がっていて、ブレーキ性能含めてどのコーナーでも限界が上がっていると思います。V3はとても間口が広くて、どんなライダーでも受け入れてくれましたが、V4は速いライダーほどさらに攻められるタイヤになったように感じます」

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すべての性能がV3(ピンクの線)を凌駕しているのが分かるレーダーチャート。とくにグリップとソフトハンドリング、サーキットでの一貫性、ラップタイムの向上は飛躍的に上がっている。

光元さん自身、V4にはまだ慣れていないと言いながら、今回の予選タイムは57秒974と公式では初めて57秒台を記録。タイヤの性能の進化が確実にタイムアップに貢献しているようです。

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転倒により2度の赤旗中断があり、5周で再開されたレースでは残念ながら4位となった光元さん。とはいえ、無事にレースを終えられてホッとしているとのことだった。

来年5月に開催されるSATSUKI STAGEでのピレリタイヤのシェアがどうなっているのか。興味津々です。

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PIRELLI - DIABLO™ SUPER CORSA V4SC