写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第3戦アメリカズGP
3月28日~30日/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
Moto3:古里太陽、難しい週末を決勝9位で終える
Moto3、Moto2クラスに参戦する日本人ライダーは、天候の変化やマシントラブル、負傷などによって難しいアメリカズGPを送りました。
土曜日には、Moto3クラスに参戦する古里太陽(ホンダ・チームアジア)のマシンにトラブルが発生しました。発生したのは午前中のフリープラクティス2でしたが、ここで古里に焦りが生まれます。古里は、Q2の計測1周目に転倒を喫し、15分の間にチームがマシンを修復してタイムを記録したものの、17番手に沈みました。マシントラブルに続き転倒を喫したことで、土曜日はほとんど周回できておらず、決勝レースに向けた準備が十分ではない状態でした。
日曜日の決勝レースでは、8、9番手付近を争い、9位でゴールとなりました。
「正直、レースに向けて準備不足だったと思います。でもそれは、チームのミスでもあり、ボクのミスでもありますし、どうしようもなかったと思います。レースは完走すること、できるだけ前でゴールすることが最重要でしたけど、9位でした。納得のいくレースではありませんでしたが、調子の悪いウイークで9位で、7ポイントを獲得できたので、それはよかったかなと思います」と、古里はMotoGP.comで語っています。
山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)は、レースウイーク前のトレーニング中の転倒により足を骨折した状態でアメリカズGPを迎えていました。19番手からスタートした山中は、レース中盤には12番手付近までポジションを上げましたが、転倒。レースに復帰して19位で完走を果たしています。
「ウイークの流れもあまりよくなかったですし、決勝レースは転倒に巻き込まれてしまいました。その転倒にしても自分がその場所でレースをしていたのが悪かったので、自分にもできたことがあるんじゃないかと思っています。カタールでは怪我を完治させて、万全の状態でレースに挑めるように切り替えて頑張っていきたいと思います」(MotoGP.comより)
Moto2:スタート前に降り出した雨により、レインタイヤでのレースに
Moto3クラスのあとに行われたMoto2クラスの決勝レースでは、スタート直前に雨が降り出しました。この天候により、多くのライダーはピレリのレインタイヤであるSCR1を装着しましたが、6名のライダーはスリックタイヤでレースに臨みました。ただ、コンディションとしてはレインタイヤで走ることが正解でした。
國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)も、レインタイヤを履いてレースを戦いました。しかし、フルウエットではない路面状況に苦戦し、それでもポイント獲得圏内(15位以内)に迫る17位でレースを終えています。
「金曜日、雨での感覚がよかったので、ボクとしては少しはいけるんじゃないかと思っていたんですが、レースが始まってみると雨量がすごく少なくて、路面に雨が乗っているだけの状況で、難しかったです。前のポイント争いができるかできないかというグループは見えていたのですが、そこに追いつくことができず、走り切ることしかできませんでした。すごく悔しいですが、ベストリザルトを獲得したということで、次につなげたいと思います」(MotoGP.comより)
佐々木歩夢(RW – インドロフォーリア・レーシングGP)もレインタイヤでレースをスタートしましたが、急遽タイヤを変更したため、セッティングがドライコンディションのままであり、このためグリップに苦しむことになりました。佐々木は19位でゴールしています。
「レース終盤に路面が乾いてきたときは攻められるようになってきたので、硬いサスペンションも動かせるようになってきたのですが、前半はまったく乗ることができませんでした。ペースも上がらないまま終わってしまいました。今週は悔しいことばかりあったのですが、カタールで改善したいと思います」(MotoGP.comより)
MotoGP第4戦カタールGPは、カタールのルサイル・インターナショナル・サーキットで4月11日から13日にかけて行われます。