写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第2戦アルゼンチンGP
3月14日~16日/アルゼンチン テルマス・デ・リオ・オンド
Moto3:古里太陽が表彰台争いを展開
テルマス・デ・リオ・オンドで行なわれたアルゼンチンGPは、2023年以来の開催となりました。
2年ぶりのアルゼンチンGPのMoto3クラスで、土曜日の予選Q2で気を吐いたのは、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)でした。今季は2024年シーズンと同じチームであるフリンサ-MTヘルメット-MSIからの参戦となる山中。Moto3クラス参戦6シーズン目の山中にとって、前年と同じチームからの参戦は初めてのことです。同じチームからの参戦ということは、2024年シーズンの締めくくりの状態から今季をスタートすることができます。タイGP決勝レースでも、転倒までは表彰台圏内を走っていました。
そんな山中は、アルゼンチンGPでも好調を維持していました。予選Q2では、3番手を獲得。2022年イギリスGP以来となるフロントロウを獲得したのです。一方、古里太陽(ホンダ・チームアジア)は、14番手でした。
しかし、決勝レースでは後方からのスタートだった古里が躍進します。レース後半に上位争いに加わったのです。終盤にはタイヤが厳しい状態となったために最終ラップまで表彰台争いをすることはできませんでしたが、4番手でゴール。最終ラップにトラックリミットを超えて走行したために1ポジション降格のペナルティを科されて、最終結果を5位で終えています。
ペナルティによるポジションダウンで5位という結果となった古里ですが、「ラスト3周でタイヤも落ちてしまい、ラインをキープするのが難しかったのですが、今週のフィーリングを考えれば、5位は悪くなかったと思います」とMotoGP.comのインタビューで答えており、内容としては前向きに受け止めているようでした。
フロントロウからスタートした山中は、優勝、表彰台争いに加わることができず、9位でレースを終えました。「問題を追及中です」(MotoGP.com)と言葉少なにレースを振り返っています。


Moto2:佐々木、國井ともに難しいレースウイークに
Moto2クラスに参戦する佐々木歩夢(RW – インドロフォーリア・レーシングGP)、國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)にとっては、Moto2でのテルマス・デ・リオ・オンド初レースとなり、ともに苦しいレースウイークとなりました。
佐々木は21番手からスタートして、18位。國井は27番手からスタートして、23位でした。
佐々木は「レース序盤、フロントタイヤがフレッシュな状態のときは思うようにブレーキングができていたのですが……」と、レースを振り返ります。
「でも、タイヤが落ちてくると腕に力が入ってしまい、終盤の残り5周あたりになると腕上がりのようになってしまって、残念な結果に終わりました。ペースは悪くなかったので、アメリカではポイントを獲得できるように頑張ります」(MotoGP.comインタビューより)
今季からロードレース世界選手権に復帰した國井は、初めて走るアルゼンチンで苦戦を強いられました。
「レース序盤からバイクに対していいフィーリングがなかったし、前のライダーをなかなか抜くことができませんでした。それでもライディングのスキルを上げようと、レース中にトライをし続けていました。レース自体にも納得できなかったし、ウイークを通してうまくいかなかったのがレースにつながってしまったのかなと思います」
それでも「次戦のアメリカではバイクにもサーキットにも適応したいです」と意気込みを語っていました。
MotoGP第3戦アメリカズGPは、アメリカのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、3月28日から30日にかけて行われます。