写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第18戦インドネシアGP
10月3日~5日/インドネシア プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキット
Moto2リヤタイヤに標準ソフトのほか、開発仕様のソフトE0125を割り当て
日本GPから連戦で行われたインドネシアGPに、ピレリはMoto2クラスのリヤタイヤとして、スタンダードのソフトコンパウンド、SC0のほか、開発仕様のソフトコンパウンド、E0125をアロケーションしました。
E0125はスタンダードのソフトであるSC0の発展型で、同一コンパウンドを維持しつつ、2025年に開発された新しいカーカスを採用しています。これまでに8戦で使用され、非常に高い評価と幅広い支持を得てきました。
今回も、Moto2クラスの決勝レースで全ライダーにE0125が選択されました。

Moto3:山中琉聖がロングラップ・ペナルティを受けるも8位
Moto3クラスの決勝レースでは、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)が14番手からスタートしました。山中は12番手を走行中の9周目に9コーナーをショートカットしたとみなされ、ロングラップ・ペナルティ(※レース中、ランオフエリアに設定されたルートを走行しなければならないペナルティ。これによって、ライダーは数秒を失う)が科されました。山中はこのペナルティを消化し、レース終盤にはさらにポジションを上げて8位でゴールしています。
「スタートはよかったのですが、レース中盤にショートカットとみなされました。ショートカットしたあとにポジションとタイムを落として、ペナルティにならないようにしたのですが……。それでも足りずにロングラップ・ペナルティになったのだと思います。ロングラップ・ペナルティ後は(前と)離れてしまったので、追いつけずにそのままレースを終えました」(MotoGP.comのインタビューより)
2列目5番手からスタートした古里太陽(ホンダ・チームアジア)は、レース前半から表彰台を見据えた位置で争っていました。しかし、残り6周、16コーナーで転倒。16コーナーで古里が前を走るアルバロ・カルペ(レッドブルKTMアジョ)を抜こうとインサイドに入った際に少しアウトにはらみ、そこで古里のさらにイン側にダビド・アルマンサ(レオパード・レーシング)が入り、接触して古里、カルペとともにクラッシュとなったのです。
古里は再スタートを切りましたが、ダメージを受けたマシンによって再び転倒を喫し、前戦日本GPに続きリタイアとなりました。
「またリタイアで、ノーポイントで終わってしまいました。ウイークとしてはそれほど悪くなく、決勝も最後に落ち着いて少しずつ上がっていこうというところでした。残り6、7周、カルペを抜いて少しずつ……と思っていたところで転倒しました。2回目の転倒はバイクが壊れていて、ブレーキをしたらロックして転びました」(MotoGP.comのインタビューより)
「幸い大きな怪我はなかったです。結果にはかなり残念ですが、いい感じで乗れているところはあるので、オーストラリアは頑張っていこうと思います」
なお、アルマンサはこのクラッシュを引き起こしたとして、次戦の決勝レースでのロングラップ・ペナルティが科されています。
また、今大会には、三谷然が代役参戦としてリヴァコールド・スナイパーズ・チームから参戦しました。三谷は「ROAD TO MOTOGP」の一環であるイデミツ・アジア・タレントカップの2024年チャンピオンで、今季は、ピレリがワンメイクタイヤサプライヤーを務めるレッドブルMotoGPルーキーズカップとジュニアGP世界選手権に参戦しています。
三谷にとって初めてのロードレース世界選手権Moto3クラス参戦は、24番手からスタートし、転倒リタイアに終わりました。
「1日目に大きめの転倒をしてしまったのですが、それがなくてもレベルの差はとても大きいなと感じさせられました。そんななかでもこの3日間、楽しみながら自分の今いる位置を理解しながら走れたので、いいレースになりました」(MotoGP.comのインタビューより)
レースは残り2周、12コーナーで発生したクラッシュにより赤旗が提示され、20周の周回数の3分の2を完了していたことから、そのまま終了となりました。
この結果、4戦を残してホセ・アントニオ・ルエダ(レッドブルMotoGPアジョ)が2025年シーズンのMoto3チャンピオンに輝きました。

Moto2:佐々木歩夢がフィジカル面に苦戦し13位
佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は、13番手からスタートし、レース中盤には8~9番手を走行したものの、その後順位を落として14番手でゴールしました。2番手でゴールしたマヌエル・ゴンザレス(リキモリ・ダイナボルト・インタクトGP)が非公認のソフトウエアバージョンを使用していたことで失格となり、このため、佐々木の最終結果は13位となっています。
「今日のレースはフィーリングがよく、スタートもよく、いい感じで走れていました。けれど、8、9番手走行中に少し体に問題があって、ペースを落とさざるをえず、14番手でした。ポイント圏内で終わることはできましたが、スピードとしてはもっと前で終われたと思うので、ものすごく悔しいし、チームにも申し訳ない気持ちです」(MotoGP.comのインタビューより)
國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)は26番手からスタート。スタート直後にオーバーランを喫して追い上げのレースとなりました。結果は18位でした。
「厳しいレースになりましたが、ペースは悪くなく、前のライダーにも追いついていました。もてぎよりもレース内容でいったらよかったと思います。ここ2戦でいいフィーリングになってきているので、次戦こそはもっと前で戦いたいと思います」
第19戦オーストラリアGPは、10月17日から19日にかけて、オーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで開催されます。