新型コロナ感染症の影響で、2年間開催を見合わせていたBMWのオーナズクラブ「BMW Clubs Nippon」の東海地区が主催するミーティングイベントの「ダイナランドラリー」が、5月29日に3年ぶりに岐阜県のスキー場「ダイナランド」で開催されました。
このイベントの目玉コンテンツは、1回分500円で抽選券を購入して(1人何枚でも購入可能)参加するチャリティープレゼント大会。
協賛各社から、ライディングジャケット&ギアやカスタムパーツ、オイルやキャンプ用品、ブルートゥースインターコムなど、多数の豪華賞品が提供され、その争奪戦が行われました。
メッツラーは前後タイヤセットをご提供し、その当選者となったのが愛知県春日井市から参加した伊藤静男さん。この方、今年の7月に88歳・米寿を迎える超ベテランライダーで、この日も知り合いが春日井の自宅に迎えに行き、愛車のBMW・F700GSで自走して会場までいらっしゃっていました。
しかも、会場のすぐそばの高鷲ICまで高速道路で行くのかと思いきや、手前の岐阜大和ICで降りて、やまびこロードのワインディングを走って会場まで来たとのこと。
伊藤さんは、「さすがにシフトチェンジの繰り返しで足首が痛くなって、10日経っても身体はボロボロでした」とおしゃっていましたが、米寿間近で往復300㎞余りを自走とはまさしく鉄人ライダーです。
バイクの世界では有名人の伊藤さん、最近、親・子・孫の3世代バイクライフを楽しんでいます
実はこの伊藤さん、バイクの世界では有名人で、筆者がプロデューサーを務めていたバイク雑誌でも数回取材させていただきましたし、84歳のときにはR1200GS Adventureに乗るライダーとして地元のTV番組でも紹介されています。
1934年生まれの伊藤さんは、22歳でバイクの免許を取得してから現在まで、傍らにバイクがなかったことは一切なく、まだ日本にトライアルという競技が存在していなかった時代に、友人たちと海外の雑誌を見ながら改造したトライアルマシンで競技会を行ったり(誰もちゃんとしたルールを知らなかったといいます)、鈴鹿サーキットができた翌年にはあの生沢徹さんなどと一緒に耐久レースに出場したりと、日本のモータースポーツの黎明期からオン・オフ問わず楽しまれてきて、伊藤さんの口から出るお名前は業界の重鎮ばかりです。
奥さま(残念ながら、2年前に他界)とのタンデムツーリングも頻繁に行っていて、まだ道路の50%が未舗装だったときに、愛知県から箱根まで日帰りツーリングをしたり、日本各地をおふたりで旅したそうです。
伊藤さんの、一冊の本が出来上がってしまうほど多彩なバイクライフをもっとお知りになりたい方は、伊藤さんのブログhttps://sizuo71.exblog.jp/をご覧になってみてください。
「数えたことがないので、台数は分かりません」
そうおっしゃる愛車歴も、伊藤さんの知人から聞いたところによれば100台は超えているだろうということで、国産・外車問わず、さまざまなバイクに乗ってきたそうです。
そして今年、新たな楽しみが伊藤さんに加わりました。
お孫さんの千恵さん(左端)が普通二輪免許を取得して、ヤマハ・ブロンコに乗り始め、以前からバイクに乗っていた娘の由子さんとともに親・子・孫の3世代でのバイクライフが始まったのです。
由子さんよると、父からバイクを取り上げたらすぐに認知症になって、寝たきりになってしまうと思う。先日も、食事のときに野菜を残すので注意すると、「早く没したい」と言うのでバイク止めればすぐに死ねるよと言うと、バイクを止めるくらいなら死んだほうがマシともぐもぐと野菜を食べ始めました、とのこと。
ソロツーリングは危険なので禁止していて、介護付きツーリングでできるだけ長く楽しみ続けて欲しいと由子さん。
米寿を迎える7月には、岐阜県の郡上八幡にあるライダーズカフェ「アグスタ」に、親・子・孫3人でツーリングに行く予定を立てているそうです。
行きつけのBMWディーラー・ダッツ名古屋で、ダイナランドラリーの賞品であるメッツラーのTOURANCE™ NEXTをF700GSに装着した伊藤さん。安全で楽しいバイクライフをいつまでもお過ごしいただきたいと心からお祈りいたします。
■取材協力
BMW Clubs Nippon
https://bmw-clubs.jp/
DATZ名古屋
TEL052-808-0122
https://www.datz-bmw.jp/
■写真撮影
木村圭吾(ダイナランドラリー)