バイク専門誌などでの執筆活動のかたわら、海外ラリーにも何度も出場し、パリ-ダカールラリー完走も果たした経験を持つ柏秀樹さん。現在は、自らのライディングスクール「KRS柏秀樹ライディングスクール」を主宰し、ビギナーからベテランラダーまで幅広い方々のライディングスキルアップに貢献している。そんな柏さんが70年代後半からご自分のバイクに好んで装着してきたのがメッツラー。さぞやたくさんのエピソードがあるのだろうと、楽しみにインタビューに臨んだ

空気圧に依存しない性能としっかりした作りが気に入った

柏さんと言えば、いまやライディングスクールの講師、あるいはライテク講座の先生というイメージが強いが、ジャーナリスト活動のかたわら海外ラリーにも積極的に参加し、ツーリングやテストなどでこれまで150万㎞以上の走行経験がある超ベテランライダーだ。

そんな柏さんとメッツラーの出合いは70年代後半で、ヤマハのTX500にメッツラーを履いていたという。

「ヨーロッパのタイヤは総じてそうですが、耳=ビードが硬い。だから、空気圧が低い状態、例えばパンクなどによって急激に空気圧が低下してもパニックになりにくく、安心感が高いんです」

メッツラーの空気圧に依存しない性能とガッチリした作りが気に入った柏さんは、ME99レーザーや、INTRACTシリーズ、ROATEC01/02などを以前所有していたトライアンフ・タイガー1200に履き、乗り心地のよさや、安心感の高さを体感してきた。

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長年乗り続けたトライアンフ・タイガー1200にもメッツラーを履き続けていた

柏さんがタイヤに求める性能は、ウエットのときの安心感がもっとも大切で、コーナーに入ってから出るまで、いかに前輪を路面に押し付けていられるのかが重要で、初代のTOURANCE™、次のTOURANCE™ NEXT、そして今回装着していただいたTOURANCE™ NEXT2のいずれもその押し付ける感覚に優れているという。

「NEXTになってシリカが配合されて非常によくなったけど、今度のNEXT2はさらに安心感がアップしていますね」

フロント、リヤともにシリカを積極的に採用し、温度依存性を極力排したほか、リヤはトレッドゴム層の下に温まりやすいカーボンブラックのゴムベースを敷くことでさらに温まりの早さを獲得しているNEXT2を高く評価してくださった。

「一般のライダーは暖かい日も寒い日もバイクに乗るわけですから、温度依存性能が低いのはリスク回避にもとても役立ちます。そしてとてもバランスがいいし、転がり音も抑えられているからツーリングでの耳の疲労度も少ない。とても静かだと思いました」

ライダーエイドにより誰でも強烈なブレーキやコーナリングができる今こそメッツラー

「現在のバイクは、6軸センサーの採用などによってバイクの急な挙動をバイク自らが抑え込んでくれるので、誰でも強烈なブレーキや、素早いコーナリングができるようになっています。しかし、その分、タイヤにかかる負荷はものすごく増えています。設計上、バイクの前輪荷重が増えていて、フロントタイヤにかかる負荷も増えていますしね。こういうハイテクなどが出てきたのに合わせて、NEXT2の特性も大きく進化しているのを感じます」

TOURANCE™ NEXT2で初採用されたDYMATEC™テクノロジーによって、偏摩耗を防ぐ工夫を加えられている点も柏さんは高い評価をしている。

「タイヤが摩耗した時のランド/シー比率も考えられていて、どうしても摩耗するとタイヤが丸くなってくるんだけど、それでも変形を極力抑えてくれています。結果として、タイヤの摩耗によるハンドリングの変化率が少ないのです。アドバンチャーバイクはどこを走るか分からない、ボーダーレスなシチュエーションで走るのが前提ですから、とても心強いと思います」

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摩耗したときのランド/シー比率も考えてトレッドをデザインしている点を、柏さんはとても高く評価している

タイヤのことをすごく考えるようになったのはここ10年くらいという柏さん。バイクの進化に合わせて、タイヤも日々進化していることに気づき、注目し始めたのだという。

「ボクのスクールに参加してくださるライダーの方も、タイヤのことや違いがちょっとでも分かるとバイクに乗るのが楽しくなるし、バイクの挙動などを感じ取る能力が上がるんです。だから、多くのライダーにメッツラーのいいところを知って欲しいと思っていますし、ビッグオフに乗っているライダーには間違いなくTOURANCE™ NEXT2をオススメします」

週に2回はスクールを開催しているという柏さん。安全、安心を参加者の方にレクチャーする際に、メッツラーが持つ高い安全性能も伝えてくださるはずだ。

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週に2回はKRS柏秀樹ライディングスクールを開講。ホームコースは横浜にある鴨井自動車学校だが、全国各地でも開催するほか、プライベートレッスンも受け付けている

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<柏さんプロフィール>
1954年生まれ、山口県岩国市出身。大学院生(商学研究課博士課程)のときに、作家の片岡義男さんとバイクサウンドを収録した「W1ツーリング~風を切り裂きバイクは走る~」等多数のLPレコードや書籍を共同制作。大学院修了後にフリーのジャーナリストとして独立。以降、ダカールラリーを始めとする世界中のラリーを楽しみながら、バイク専門誌の執筆活動や全国各地でトークショー出演などを行っている。バイク遍歴65台以上、総走行距離150万キロ以上、そして日本中の主要ワインディングロード、林道のほか世界の道を走ってきた経験をもとに2003年に始めたライディング・アート・スクールをリニューアルして2009年から新たにKRS柏 秀樹ライディングスクールを開校。バイクやクルマの安全と楽しさを一人でも多くの人に熱く伝えることを生き甲斐にしている。現在の愛車は2019年式BMW・F850GSとセロー250ほか。

〇KRS柏秀樹ライディングスクール https://kashiwars.com/

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TOURANCE™ NEXT2