"毎日乗れるスーパーバイク"として、街乗りからワインディングまでライダーを魅了するヤマハYZF-R25。その素直でスポーティなキャラクターを楽しみ尽くすなら、路面との唯一の接点であるタイヤ選びには妥協できません。

「We sell what we race, we race what we sell(レースで使うタイヤを販売し、販売するタイヤでレースをする)」。

この哲学を掲げ、WSBK(スーパーバイク世界選手権)の熱狂と最先端テクノロジーを公道へ落とし込むPirelliの『DIABLO』シリーズには、R25の純正サイズで選べる2つのモデルが用意されています。

ヤマハ YZF-R25 ABS 2026年モデル(ブルー)の右側面
2026年モデルのヤマハ YZF-R25 ABS(ディープパープリッシュブルーメタリックC)。
画像出典:ヤマハ発動機株式会社 ヤマハ公式サイト「カラー&デザイン」
※画像は車両の参考イメージであり、記事内で紹介するタイヤの装着例ではありません。

YZF-R25の純正サイズと、Pirelliが提示する「2つの最適解」

2026年モデルのYZF-R25は、前後ともバイアス構造のチューブレスタイヤを標準装着しています。純正タイヤサイズは以下のとおりです。

ポジション タイヤサイズ 荷重指数・速度記号
フロント側 110/70-17 M/C 54S
リア側 140/70-17 M/C 66S

※年式や仕様によって車両の指定が異なる場合があります。交換時は、取扱説明書の指定サイズと、実車に装着されているタイヤサイズを確認してください。
出典:ヤマハ発動機「YZF-R3/YZF-R25 価格・仕様」

本記事ではサイズアップをせず、純正と同じ呼び寸法で選べるPirelliの2製品を比較します。

  • DIABLO ROSSO SPORT:純正と同じバイアス構造
  • DIABLO ROSSO IV:純正と同じ呼び寸法のラジアル構造

タイヤ幅を変えずに、バイアスを継続するか、ラジアルに変更するかを検討できます。構造を変更する場合は、車両の仕様とタイヤの適用リム幅を照らし合わせ、装着の可否を販売店で確認してください。

バイアスか、ラジアルか。構造の違いがR25の「走り」にどう関わるのか

バイアスとラジアルでは、タイヤの骨格をつくる「カーカス」の繊維の向きが異なります。バイアスは、タイヤの回転方向に対して斜めに向けた繊維が交差するように、カーカスを重ねる構造です。

一方、ラジアルは、繊維を回転方向に対してほぼ直角に配置し、路面に接するトレッドの下をベルトで補強します。タイヤ側面のしなやかさを生かしながら、高速回転時の変形を抑え、直進時の安定性とコーナリング性能の両立を狙った構造です。

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ROSSO SPORTは、小排気量車を対象にしたバイアス構造で、軽快かつ正確なハンドリングと日常性能を重視。一方のROSSO IVは、ラジアル構造とスポーツ走行を想定したプロファイルによって、操作への応答や旋回中のフィードバックを追求しています。

日々の市街地走行から週末の峠まで幅広く使うか、ワインディングでのコーナリングをタイヤ選びの中心に据えるか。2製品の設計を見ると、その選び分けが見えてきます。

DIABLO ROSSO SPORT|毎日の通勤から週末の峠まで。R25を遊び尽くすスポーツバイアス

ピレリ DIABLO ROSSO SPORTのフロント・リアセット
DIABLO ROSSO SPORT(フロント/リア)

DIABLO ROSSO SPORTは、アンダーボーン車や400cc以下のモーターサイクルに向けたスポーツバイアスタイヤです。毎日の通勤にも、週末のワインディングにも使いたいライダーにとって、"もっとも身近なDIABLO"といえるでしょう。

R25の純正と同じ、フロント側110/70-17 M/C 54S TL、リア側140/70-17 M/C 66S TLを設定しています。

軽快に向きを変えるために。レーシング由来のプロファイル

ROSSO SPORTは、DIABLO SUPERCORSA由来のトレッドパターンと、レーシングタイヤの経験を取り入れたプロファイルを採用しています。

狙うのは、軽快で正確なハンドリングと、車体を傾けていく過程での滑らかな挙動。向きを変える軽さと、その途中の反応まで考えた設計です。

R25の軽い車体を操り、コーナーを一つずつつないでいく。そんな走りをバイアスタイヤで楽しみたい人にとって、このプロファイルはROSSO SPORTを選ぶ理由のひとつです。

突然の雨にも備える。日常を支えるウェットグリップ

ツーリング先での急な通り雨や、雨の日の通勤。日常的にR25へ乗るなら、濡れた路面でのグリップもタイヤ選びの大切な条件になります。

ROSSO SPORTは、コンパウンドによるウェット性能を重視、低μ路面(摩擦係数が低く、滑りやすい路面)でのグリップ性能も特徴に挙げられています。

晴れた日の峠を楽しみながら、雨に遭う移動にも備える。日常で使うスポーツタイヤとして、幅広い路面状況を想定しています。

毎日乗るライダーのために。摩耗の均一性と耐久性にも配慮

ROSSO SPORTは、日常的に使うタイヤとして、摩耗の均一性や耐久性、性能の一貫性にも配慮して設計されています。

通勤で距離を重ね、そのまま休日のツーリングへ出かける使い方では、走りの楽しさとともに、摩耗の仕方や交換までの維持費も気になります。ROSSO SPORTは、こうした毎日の使用まで考慮したスポーツバイアスです。

DIABLO ROSSO IV|R25のスポーツ性を楽しむ。接地感と応答性を追求するラジアル

ピレリ DIABLO ROSSO IVのフロント・リアセット
DIABLO ROSSO IV(フロント/リア)

週末のワインディングで、コーナリング中の感触まで楽しみたい。そんなライダーには「DIABLO ROSSO IV」が候補になります。

フロント側110/70R17 M/C 54H TL、リア側140/70R17 M/C 66H TLを設定。R25の純正と同じ呼び寸法で、公道向けのスポーツラジアルを選べます。

操作をつなぐ楽しさへ。ライダーの入力に応えるレスポンス

ROSSO IVは、WSBKから派生した構造とプロファイルにより、ライダーの操作に対する軽い応答と、コーナリング中の滑らかなフィードバックを狙っています。

ブレーキングから倒し込み、旋回、そしてコーナー脱出の加速へ。高回転までエンジンを回して走るR25では、こうした操作をつなぐこともワインディングの楽しさです。

その一連の操作で、タイヤから伝わる反応や接地感を重視したい。ROSSO IVは、公道でのスポーツ走行に求める性能から選びたい一本です。

ドライの楽しさも、ウェット性能も。公道を走るためのマルチコンパウンド

前後にシリカを豊富に含むマルチコンパウンドを採用し、ドライ路面でのスポーツ性能とウェット性能の両立を目指しています。

ブレーキング時のグリップや、コーナー脱出時のトラクションを重視しながら、ツーリング中の天候変化も想定。ワインディングへ向かうまでの市街地や高速道路も含め、公道で使うスポーツタイヤとして開発されています。

あなたのR25にふさわしい『DIABLO』はどっち?

DIABLO ROSSO SPORTは、通勤・通学などの日常使いを軸に、週末のツーリングやワインディングも楽しむライダーの候補になります。純正と同じバイアス構造で、軽快なハンドリング、ウェット性能、耐久性を求める選び方です。

DIABLO ROSSO IVは、ワインディングでの操作への応答や、旋回中のフィードバックを重視するライダーに向いています。ラジアルへの変更を含め、タイヤ交換でR25のスポーツ性をさらに楽しみたい場合に検討したい製品です。

走行距離の大半が通勤でも、次のタイヤでいちばん変えたいのが、峠で車体を傾けたときの反応や旋回中の手応えなら、ROSSO IVを検討する価値があります。普段どこを走るかに加えて、今のタイヤで気に入っているところと、交換を機に変えたいところを考えると、どちらを選ぶかが見えてきます。

DIABLOの性能を引き出すために。YZF-R25のタイヤ交換Q&A

バイアスとラジアルを前後で組み合わせてもよいですか?

Pirelliのタイヤは、前後セットで最高のハンドリングバランスを発揮するように緻密にプロファイルが設計されています。バイアスとラジアルではタイヤの変形量(剛性)が異なるため、混用するとハンドリングが崩れ、操縦安定性に影響するおそれがあります。交換時は前後同一銘柄・同一構造での同時交換を強く推奨します。

リアタイヤを140幅から150幅に変更して太くできますか?

サイズ変更には、適用リム幅、車体とのクリアランス、装着時のタイヤ形状やハンドリングへの影響を確認する必要があります。150幅という数字だけで装着可否を判断せず、車両とタイヤ双方の仕様を販売店で確認してください。

今回紹介した2製品にはリア側140/70が設定されているため、本記事では純正の呼び寸法を維持して選びます。

YZF-R25の指定空気圧はフロント側200 kPa・リア側225 kPa

2026年モデルのYZF-R25は、1名乗車・2名乗車ともに、冷間時の指定空気圧がフロント側200 kPa(2.00 kgf/cm2)、リア側225 kPa(2.25 kgf/cm2)です。

公道では、車両メーカーの指定値を基準にします。走行前など、タイヤが冷えているときに、少なくとも月に一度はタイヤゲージで確認してください。バイアスからラジアルへ変更する場合は、車両との適合とあわせて、交換後の空気圧も販売店に確認しましょう。

出典:ヤマハ発動機「YZF-R25 2026年モデル 取扱説明書」(点検整備・タイヤ)

路面を捉え、マシンを操る楽しさは、足元のタイヤとも深く結びついています。次のタイヤ交換は、あなたのYZF-R25で楽しみたい走りを考える機会です。

日常をスポーティに楽しむROSSO SPORTか、ワインディングでの感触にこだわるROSSO IVか。使い方に合うDIABLOを選んで、いつもの道から週末の峠まで、R25との時間を楽しんでください。

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