写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

MotoGP第7戦イギリスGP 5月23日~25日/イギリス シルバーストン・サーキット

Moto2クラスのリヤタイヤに開発ソフトを投入

2025年シーズンのイギリスGPは、5月の開催となりました。ピレリは、このイギリスGPのMoto2クラスに、開発仕様のリヤのソフトコンパウンド、E0125を新たにアロケーションしました。

Moto2クラスのリヤタイヤはこのE0125とスタンダードのソフトコンパウンド、SC0が用意されています。

Moto3:古里太陽、苦しいレースで4番手まで浮上を見せる

古里太陽(ホンダ・チームアジア)にとって、今大会はピレリで走る初のイギリスGPでした。というのも、昨年8月に行われたイギリスGPは、トレーニング中に負った鎖骨骨折により、欠場したからです。

予選まで苦戦していた古里ですが、決勝レースでは19番手からスタートし、ポジションを上げていきました。レース中盤にはトップを含む大きな集団のなかで周回を重ね、古里は、ポジションを上げるため序盤にタイヤを使ったため、中盤は攻めすぎないようにと意識していました。

残り周回数が3、4周を迎えたころ、上位をとらえるために攻め始めます。トップの2人が集団から抜け出し、3番手争いは複数のライダーによる混戦、接戦となりました。古里は激しい3番手争いを展開し、4番手でチェッカーを受けました。

しかし、最終ラップ16コーナーでのアンヘル・ピケェラス(フリンサ-MTヘルメット-MSI)と接触、ピケェラスが転倒したアクシデントに対し、結果に3秒加算のペナルティが科され、正式結果は12位でした。

「(金曜日、予選だけではなく)レースも苦しかったですし、余裕ではなかったです。でも、レースマネジメントがうまくいったのかなと思います」

ペナルティについては「最終ラップなのでボクも(ピケェラスを)抜きにいっていたし、かなりぎりぎりのブレーキングをしてはいました」と、説明します。

「さらにボクの内側からは(ルカ・)ルネッタがきていたので、正直なところ、ボクは避けられるスペースがない状況だったんです」

ただ、19番手から4番手ゴールを果たしたことについては「レースのマネジメントとしては、今週の流れからすればよかったと思います」と振り返っていました。

一方、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)も、ペナルティに苦しめられたライダーでした。

山中は前戦フランスGPの転倒後の行動に対して、イギリスGPの金曜日午前中フリープラクティス1(FP1)の出走停止のペナルティが科されていました。さらに、予選Q2のスロー走行に対して、決勝レース中のダブル・ロングラップ・ペナルティ(※レース中、ランオフエリアに設定されたルートを走行しなければならないペナルティ。これによって、ライダーは数秒を失う。ダブル・ロングラップ・ペナルティの場合、レース中にここを2回通過しなければならない)が科されたのです。

レース中にダブル・ロングラップ・ペナルティを消化した山中は、それでも8位でイギリスGPを終えています。

「今回はFP1も走れずにバイクの準備もできてなかったし、自分でしっかり積み上げられたウイークではありませんでした。状況を考えたら仕方がないかもしれませんが……。そう考えたら転倒をしないでしっかりポイントを獲得できたことはよかったかなと思います。新しいこともいろいろ分かったので、それを今後のレースに生かしたいです」

Moto2:佐々木歩夢はチャタリングに苦しむ

Moto2クラスの佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は、金曜日は好調でした。午後のプラクティスではMoto2で自己ベストとなる7番手。Q2ダイレクト進出を果たします。しかし、予選Q2で転倒し、17番手から決勝レースをスタート。決勝レースではチャタリングに苦しめられ、17位に終わりました。

「バイクのフィーリング自体はよかったんですけど、チャタリングに苦しんでしまいました。予選の転倒も、フロントに少しチャタリングが出て転倒していたようなんです。レースでもチャタリングが出るかもしれない、と心配していましたが、それが的中してしまいました。ただ、スピードがあったことは間違いないです。アラゴンでしっかりポイントをとれるように、いい組み立てをして、スピードを保っていきたいです」

國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)は、Moto2で初めて走るシルバーストン・サーキットに苦しんだ週末となり、23番手からスタートして20位でした。

「トップとのタイム差が大きかった。厳しかったですね。ただ、ウイークの流れからレースではもっとグループから離れて単独走行になるのかなと思っていたんですけど、最後の3周までは、15位争いのグループにもいられました。ウイークの流れを見たら、今日のレースはよかったのかなと思います」

MotoGP第8戦アラゴンGPは、スペインのモーターランド・アラゴンで6月6日から8日にかけて行われます。