MotoGP世界選手権が、2026年シーズンでついにブラジルへ戻ってきます。
舞台となるのはAutódromo Internacional de Goiânia – Ayrton Senna(ゴイアニア)。
今回はMoto2およびMoto3クラスにおいて特別な走行フォーマットが採用され、公式タイヤサプライヤーのピレリも通常より多いタイヤを供給する予定です。新たな条件のもとで迎える今大会は、序盤から各クラスの対応力が問われる一戦になりそうです。
22年ぶりの復活!舞台となるゴイアニアは大幅改修を経て開催へ
ブラジルでMotoGPが開催されるのは、2004年以来実に22年ぶり。舞台となるゴイアニアは、かつてグランプリ開催の歴史を持つサーキットですが、今回の復活にあたり全面再舗装に加え、一部ランオフエリアの拡張やターン12のレイアウト変更が実施されました。
過去に開催実績があるとはいえ、現役ライダーの誰もここでレース経験を持っていません。現在のライダーやチームにとっては完全な未知のコースであり、実戦ではセッションごとに新しい条件を攻略していくことになります。
Moto2/Moto3は金曜走行を10分延長、ピレリは追加タイヤを供給
こうした事情を踏まえ、今回のブラジルGPではMoto2/Moto3の金曜セッションに特別措置が設けられました。
- 走行時間の延長: FP1とFP2がそれぞれ通常より10分長く設定され、各ライダーは合計20分多く走ることが可能。
- 追加タイヤの供給: ピレリは各ライダーに通常より1セット多いタイヤ(フロント9本、リア10本の計19本)を供給。
新舗装のフィーリングをつかみ、ブレーキングポイントやラインを探っていくためには、この追加時間が大きな意味を持ちます。また、新しいサーキットでは最初の数ランでどれだけ多くの情報を持ち帰れるかが重要になるため、追加されたタイヤセットは単なる予備ではなく、レース週末を組み立てるうえでの極めて重要な材料となります。
ブラジルGPで投入されるMoto2/Moto3のタイヤ配分は?
追加セットが用意される一方で、ピレリが持ち込む基本コンパウンドは両クラスともに標準レンジです。新しいコースだからこそ、まずはライダーとチームがよく理解している標準コンパウンドをベースにデータを積み重ねていくという方針に基づいています。
- Moto2クラス:
- ソフト側:SC1(フロント)/SC0(リア)
- ミディアム側:SC2(フロント)/SC1(リア)
- Moto3クラス:
- ソフト側:SC1(フロント・リア共通)
- ミディアム側:SC2(フロント・リア共通)
- ウエットタイヤ: 両クラスともにDIABLO™ Rain(SCR1)が使用可能
実際の走行を通じて、この新アスファルトがよりソフト寄りのタイヤに向くのか、それとも安定感のある選択肢が有効なのかを見極めていく流れになるでしょう。
ゴイアニア攻略の鍵となる3つの注目ポイント
ピレリのレーシング・モト・ディレクターによれば、ゴイアニアは「非常に短いが、同時にとても速い」サーキット。ただ速さを見せるだけではなく、限られた周回の中でいかに早くタイヤの感触をつかむかが重要になります。今大会で特に警戒すべきポイントとして以下の3点があげられています。
- 高速レイアウト: 長いスタート/フィニッシュストレートでは高い最高速が見込まれます。短いラップの中で、いかに効率よくリズムを作れるかが問われます。
- 新アスファルトの摩耗特性: 新舗装により高いグリップが期待される反面、タイヤの摩耗度は未知数です。走り出しの印象が良くても、周回を重ねた先でのドロップオフ(性能低下)に注意が必要です。
- 変わりやすい天候: 雨が絡めば路面状況は一気に複雑化します。状況に応じた素早い判断力が求められます。
まとめ:勝負を分けるのはライダーとチームの“適応力”
22年ぶりに復活するブラジルGP。注目を集める理由は、その話題性だけではありません。改修されたゴイアニア、新舗装の路面、まだ見えない摩耗特性、そして変わりやすい天候と、今大会にはライダーとチームの総合力を試す要素がいくつも揃っています。
なかでもMoto2/Moto3では、追加された20分の走行時間と19本のタイヤをどう最大限に生かすかが、レースの行方を左右する大きなカギです。絶対的な速さそのものよりも、未知の条件にいかに早く順応できるか。ゴイアニアで最初に勝負を分けるのは、まさにその“適応力”かもしれません。





