Photo/大谷耕一、ピレリジャパン

2025年の最後のPIRELLI FUN TRACK DAY。秋晴れの空の下、袖ヶ浦フォレストレースウェイに集った参加者のみなさんは、終日サーキット走行を楽しまれていました。

今回の特別ゲストは、元GPライダーの八代俊二さん。鈴鹿ツインサーキット開催には参加してくださったことがありますが、袖ヶ浦は初めて。今回も、希望するお客さまを乗せてのタンデム走行、「ここでしか聞けない」話が満載のトークショー(2回開催)で参加のお客さまを楽しませてくださいました。

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鈴鹿に次いで、袖ヶ浦FTDにも参加してくださった元GPライダーの八代さん。他では聞けない話で大いに盛り上がりました。

コントロールタワー2階で開催されたトークショーでは、八代さんがレースをすることになったきっかけや、アマゾンでプレミアム価格がついている著書「突っ込みハッチ」などの話に続いて、参加者からの質問にお答えいただきました。

雑誌で見た八代さんの走りが人とは違うように見えた、という質問には
「与えられた条件で、最高の結果を出すためにバイクに合わせて乗り方を変えていた」と答えた八代さんは、現役時代、何人もの後輩ライダーが鈴鹿サーキットの1コーナーの走りを見に来ていたことを明かしました。

どうやら、1コーナーへの突っ込みでリヤタイヤが浮き上がってしまうほど激しい走りをしていたようで、その走りを見るために後輩ライダーが集まっていたそうです。

いまのMotoGPライダーたちは、コーナーの突っ込みでリヤタイヤが浮くほどフロントブレーキを強く効かせていますが、八代さんの現役当時は、限界までバイクを攻め切るような走りをするライダーはなかなかいなかったのでしょう。

また、ラジアルタイヤが世に現れ始めたころ、テストを担当していた八代さんは先輩ライダーたちがバイアスのほうがいいと、ラジアルを敬遠する中、何とかラジアルをものにしようと奮闘し、NSR500の旋回力を上げるようなタイヤを開発してもらって臨んだ筑波のレースで、ラジアルはいらないと言っていた先輩ライダーを含めた全員が同じラジアルタイヤを履いてスターティンググリッドについていたのに驚いてしまったという逸話を語ってくださいました。

そして、12時55分からは待望のタンデムライド。先着10人の枠はあっという間に埋まってしまい、走行ペースがゆっくりなツーリングクラスと基本マスタークラスの走行枠を利用してタンデムライドを行いました。

走行前のブリーフィングで、なぜタンデムライドを行うのかその理由を次のように八代さんは説明しました。

「ダンナさんやお父さんがひとりだけでツーリングに行ってしまうなど、家庭の中でバイクは嫌われ者になりがちです。なので、ひとりで楽しむだけじゃなく、奥さんやお子さんとタンデムで走ることでバイクの楽しさを共有してほしい。そして、家庭の中でバイクが悪者になるのを防ぎたいんです」

八代さんは、実際にプライベートでもタンデムランを楽しんでいるそうで、より多くの方がタンデムを楽しんでくれるようにという思いから、FTDでタンデムライドを行っているんだそうです。

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「家庭の中でお父さんを悪者にしないために」と、八代さんはタンデムを推奨している。

こんな経験できないので最高な気分です

八代さんのライディングするモンスターのタンデムシートに座って、袖ヶ浦フォレストレースウェイを1周するという貴重な機会を得た10人の幸運な参加者の方々。おふたりの方に感想をお聞きしました。

まず、ご自身もサーキット走行を楽しまれていた小川文雄さん。

「ちょっと怖かったけど、こんな経験はできませんから最高な気分です。コースインするときから、こんなにスムーズに素早く倒しこむんだと感じました。人に自慢できる体験でした」

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「人に自慢できる体験でした」と小川さん。

続いて、走行に参加したご友人と一緒に袖ヶ浦に来場した冨満紀三子さん。

「コーナーとか、本当に倒れそうでドキドキ緊張もしましたけど楽しいの一言でした。魚が泳いでいるように、急なコーナーでもとてもスムーズでした。上手な方の後ろなら安心して乗れることが分かりました」

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「上手な人の後ろなら、安心して乗っていられます」と短い時間を楽しんだ冨満さん。

元GPライダーのウルトラスムーズなライディングに、おふたりともすっかり魅了されたようでした。

八代さんは、来年もスケジュールの都合がつけばぜひFTDに参加したいとおっしゃっていましたので、タンデムライドご希望の方、トークショーがお聞きになりたい方はFTDのウェブサイトをチェックしてくださいね。

新規出店もありました

どの会場でも、毎回多数のメーカー/ショップさんにご出展いただいているFTD。

今回の袖ケ浦では、新規のご出展がふたつありました。

ひとつは、お客さまの参加受付、先導のご協力をいただいている「アサカワスピード」さん。いままでは、代表の浅川さんの先導走行のご協力はありましたが、今回はメカニックの堺さんも参加して各種サービスや、HYODOレーシングスーツの相談にのっていらっしゃいました。

HYODOレーシングスーツに関しては、会場では採寸ができないけれど、ここで話を聞いたのちにお店に来てもらえればスムーズです、とのことでした。

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袖ヶ浦の常連ながら、出展は初めてのアサカワスピードさん。真ん中が先導ライダーも務める浅川代表、左がお店でメカニックとして勤務する堺さん。

そしてもう1店は、サスペンション・チューニングショップの「スクーデリアオクムラ」さん。鈴鹿ツインサーキットではおなじみのショップさんですが、今回、初めて袖ヶ浦での出店でした。

会場に来ていたのは、代表の奥村裕さんの次男で、モトクロス国際A級ライダーでもある奥村海(かい)さん。

「お店で作業する以外に、外に出てイベントに参加しようと思っています。とくに関東は知名度もまだまだなので、これからも出店したいと思っています。ボクもみなさんと一緒に走って、距離を縮めていきたいですね」

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「関東でも出展したかったんです」と奥村海さん。今後も袖ヶ浦に出展したいとのことでした。

2025シーズンも、毎回、満員御礼の大盛況のうちに幕を閉じたPIRELLI FUN TRACK DAY。今年もたくさんの初めての方にご参加いただきましたし、より楽しんでいただくために常に創意工夫を加えて誰でも十分楽しめる内容で開催したいとスタッフ一同、考えております。

来年も、多くのみなさんの笑顔が見られるよう、楽しい開催を心がけていきますので、ご参加のほどよろしくお願いいたします。

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来年もみなさんの笑顔を見せに来てくださいね!