写真:大谷耕一、ピレリジャパン
2025 Pirelli FUN TRACKDAY(以下FTD)も、6月7日の鈴鹿ツインサーキット開催で今年の前半戦が終了。
おかげさまで毎回、参加者募集から数日で定員に達し、満員御礼・大盛況での開催を続けられています。
今回の鈴鹿開催も、参加者194人、ランチチケット275枚と本当に大勢の方々にご参加いただきました。
みなさんにご愛顧される理由のひとつが、毎年、より良いイベントにするためにコンテンツをしっかりアップデートしていること。今年は、参加されるお客様のニーズをピレリスタッフがしっかり受け止めて、各走行前にみっちりとした座学を行う「基本マスタークラス」を新設しました。
これは、FTDに参加経験はあるけれど、実はコースのどこをどう走ったらいいか分からない、いつもライン取りに迷ってしまうという方のために、インストラクターが走行前に分かりやすく、しかもすぐに実践できるアドバイスをしてくれるというもの。
走行自体も、最初の2回は先導車付きで、インストラクターが走るレコードラインをしっかり覚えることができ、3本目からはフリー走行にしてそれぞれのライダーの技量や乗り方に合わせて走ることができるというカリキュラムになっています。
鈴鹿開催でも、この基本マスタークラスの参加者は定員いっぱいの20名。より楽しいライディングができるために、ピレリジャパンはこれからも創意工夫をしてよりよい走行会にしていきたいと考えています。
鈴鹿開催ならではの出店も魅力です
さて、ここ鈴鹿での開催は年に2回ですが、モータースポーツのメッカ、そして関西開催ということで、ご協力いただいている協賛各社もさまざま。開催エリアの特徴をしっかり発揮してくださっています。
ということで、今回の開催のご協賛各社を詳しくご紹介していきましょう。
〇モリワキエンジニアリング
鈴鹿と言えば、バイク好きなら誰もが思い浮かべるのがモリワキエンジニアリングではないでしょうか。
名門レーシングチーム、世界的なコンストラクターとして数々の名声を浴びてきたのに加え、ここ最近はカワサキ・Z900RS用やホンダ・GB350用など一般ライダーのためのパーツ開発やイベント出店にも力を入れています。
営業部長の山本さんに、今回の出店についてお聞きしました。
「いま弊社が力を入れているのは、さまざまなレースで培ってきたノウハウを注入した、走りのためのカスタムです。ドレスアップにとどまらず、高品質・高機能で、ストリート用としての耐久性にもこだわってパーツ開発をしています。今回の出店の目玉は、初公開のヤマハ・XSR900GP用のフォーサイトマフラーです。往年の人気マフラーであるフォーサイトを、往年のGPマシンをオマージュしたXSR900GP用に開発しています。年内発売を目指しています」
鈴鹿ツインサーキットで初お披露目するという話が伝わっていたようで、このフォーサイトマフラーが装着されたXSR900GP目当てでモリワキブースを訪れたファンもいらっしゃって、山本さんを質問攻めにしていました。
また、今回は展示されませんでしたが、東京MCショーやHSR九州で展示されたホンダ・CB1000F CONCEPT MORIWAKIにも注目が集まっています。山本さんは、どんなバイクに仕上がっていくか期待してお待ちいただければ、とのことでした。
〇ピアッジオグループジャパン
アプリリア・モトグッツィのスペシャリティディーラーである大阪のD.D.BOYS.Racingの出店をサポートしたピアッジオグループジャパン。RSV4ファクトリー、RS660エクストリーマー、RS457を試乗車としてご提供いただいたのに加え、今回のスペシャルゲストの元GPライダー・八代俊二さんが行う体験タンデムライド用のTuono660ファクトリーをご用意いただきました。
ピアッジオグループジャパンの広報・マーケティング担当の河野さんは
「アプリリアは、まだまだ知名度が十分ではないブランドなので、たくさんのみなさんにモデルを見てもらえるいい機会ですね。試乗車に乗った方は、アプリリアというメーカーに対する印象が変わったとおっしゃってくださることが多いので、こういう機会を増やしていければと思います。タンデムライド用のTuonoは、軽くてアップハンドルのバイクがいいという八代さんのリクエストでご用意しました」
〇カスノモーターサイクル
当日は、22人のお客様を連れてきてくださったのがDUCATI京都とモトラッドカスノを運営するカスノモーターサイクル。自らもレーシングスーツを着込んで、積極的にサーキットランを楽しんでいた代表取締役の青木さんに話をお聞きしました。
「こういうイベントには、積極的にお客様をお誘いしています。自社で開催する走行会では自分は走れないので、FTDではたっぷり走らせていただいています。FTDは安全に楽しめるのに加え、パドックにいつも音楽が流れていたり、トンちゃんのMCがあったりと、自社イベントでもいいところを真似させていただいています。鈴鹿ツインサーキットは、年に一度、「カスノ運動会」というイベントを行っていて、今年は9月20日に開催予定です。専門学校の学生さんに、サーキット走行を体験してもらって、メカニックを目指してもらうなんていうこともやっています」
〇KTM神戸イースト
世界的に有名な高級モビリティブランドのBRABUSとのコラボレーションで誕生した、570万円という超高級車のBRABUS 1300 R EDITION を展示していたのがKTM神戸イースト。
WPサスペンションのプロショップとして、性能はそのままで確実にローダウンをして足着き性を向上させるカスタムを得意としている。今回は、ローダウンしたKTM・250アドベンチャー、ハスクバーナ・スバルトピレン250を展示されていました。
「ローダウンは、前後サスのインナーパーツを変更したり、サスストロークを少なくしたりして、性能面はしっかりキープしながら確実にシート高を下げています。KTMは車高が高いので、より多くの人に乗っていただけるように全機種ローダウンした車両を試乗車としてご用意しています。BRABUSは25台仕入れて、23年に1台売れました。細かいところにまで、ものすごく手間暇かけて作ったバイクなので、こういうところに展示して見ていただきたいと思っています」
そう語ってくださったのは代表の山鹿さん。愛車の足着きに不満のある方は、ぜひ山鹿さんに相談してみてください。
〇スクーデリアオクムラ
鈴鹿FTDの常連ショップが、サスペンションのプロショップであるスクーデリアオクムラ。元ワークスライダーで、代表の奥村さん自ら愛車のホンダ・VTR250でサーキットランを楽しまれていました。
「実は3年くらい前に、仕事を兼ねて初めてこういうミニサーキットを走ったらまったくうまく乗れなくて、めまいはするし、足を擦っちゃうし……。3年間、真面目に通って走ったら楽しくなったし、バイクもビッグバイクからVTRに替えたらメチャ楽しくなりました。お客さんや友達を誘って、わいわい話をしながら走るのは楽しいです。長男の岳(がく)や次男の海(かい)も一緒に楽しんでいます」
美しくコーティングされたフロントフォークや、サスペンションのさまざまなパーツの展示も行っていましたが、サスペンションについて質問するのは人によってはとてもハードルが高そうにも思えます。
「なんかよく分からないけど走りにくい、どこをどうしたらいいか分からない。そんな方は、とにかく遠慮しないで話をしに来て欲しいです。ポジションを調整して、セットアップをしてすぐにコースを走ってもらいます。ボクはライダーだったから、走り方もお伝えできますからね。まあ、待っていてもなかなかお客さんが来てくれないので、ドライバーをもってパドックを巡回するようにしています(笑)」
スクーデリアオクムラの出張講座なんて、とても贅沢なもの。絶好の機会を逃さずに、分からないことをどんどん奥村さんやスタッフに聞いてみましょう。
(後編に続く)
■FUN TRACKDAYイベントページ
https://pmfansite.com/pirelli/fun-track-day/■モリワキエンジニアリング
https://www.moriwaki.co.jp/
■ピアッジオグループジャパン
https://www.piaggio.co.jp/
■カスノモーターサイクル
https://www.casuno.com/company/
■KTM神戸イースト
https://ktm-impala.com/
■スクーデリアオクムラ
https://scuderia-okumura.com/