写真:木戸祥平、小松野みなみ
2025年9月13日(土)・14日(日)、熊本県のHSR九州にて、カスタムバイクの祭典「鉄馬 with βTITANIUM 決戦の日」が開催されました。この注目レースに、MORIWAKI RACINGはモーターサイクルショーでのお披露目以来、大きな注目を集める新型「Honda CB1000F CONCEPT」を投入。ライダーにはレジェンド・宇川徹選手を起用するというスペシャルな組み合わせで、アイアンエキスパートクラスに参戦しました。
ピレリ「DIABLO SUPERCORSA V4」を装着したモリワキCB1000Fは、このデビュー戦で圧倒的な速さを見せつけ、セミファイナルとファイナルレースで連勝。さらに、ファイナルレースではコースレコードを更新する「1:03.748」を樹立し、衝撃的なデビューウィンを飾りました。

「鉄馬」を席巻したピレリタイヤ
今回の「鉄馬」は、モリワキの勝利だけでなく、ピレリタイヤがレース全体を席巻する結果となりました。

大会レポートによれば、総参加台数179台のうち、実に99台がピレリタイヤを装着(装着率55%)。特にハイレベルなライダーが集うクラスでの支持は圧倒的で、モリワキが参戦したアイアンエキスパートクラスでは装着率88%(8台中7台)、Z900RSワンメイククラスでは装着率92%(13台中12台)を記録しました。
さらに、勝利への貢献度も際立っています。全9クラス・計18レース(セミファイナル・ファイナル)のうち、ピレリ装着車両が12のレースで勝利。優勝率(1位獲得率)は67%に達しており、「鉄馬」というカスタムバイクの決戦において、ピレリが多くのトップライダーに選ばれ、かつ勝利に最も近いタイヤであることが証明される結果となりました。
レースレポート:新型CB1000F、デビューウィンまでの軌跡

モリワキの挑戦は、CBR1000RR(SC77)ベースのエンジンを搭載し、名車CB750FやCB900Fをモチーフとして誕生した新型「Honda CB1000F CONCEPT」と共に始まりました。その目的は、このマシンが持つポテンシャルを証明し、「CB1000Fカスタムブームの火付け役・牽引役となる」ことでした。
しかし、スケジュールは非常にタイトで、テスト走行はわずか2回のみ。それでも、レジェンド・宇川徹選手の的確なフィードバックにより、足周りを中心にマシンは実戦仕様へと大きく進化を遂げました。
レースウィークが始まると、その速さは予選から明らかでした。第1予選(1:04.425)、第2予選(1:04.367)とタイムを詰め、総合予選1位(1:04.367)を獲得し、ポールポジションから決勝に臨みます。
迎えた決勝日、まず5周で争われたセミファイナルレースでは、最終ラップに早くもコースレコードとなる「1:04.256」を樹立。2位に約8.7秒の大差をつけ、見事1勝目を飾りました。
そして7周で争われたファイナルレース。宇川選手は「スタートは失敗してしまいました」と語る展開でしたが、そこから全開でアタックを開始。2周目に1:03.8、そして3周目には「1:03.748」という驚異的なタイムを叩き出します。これは従来のコースレコードを0.5秒も更新するものでした。ピレリタイヤの性能を限界まで引き出した宇川選手は、2位に約6.5秒差をつける圧巻の走りで、新型CB1000Fのデビューウインをコースレコード樹立という最高の結果で飾りました。

ライダーコメント:#19 宇川 徹 選手

「今回の『鉄馬』では、注目度の高い『CB1000F CONCEPT』での参戦ということで大きなプレッシャーを感じていましたが、いざ走り始めると、そのプレッシャーさえも楽しめるほど、CB1000Fコンセプトは許容幅が広くとても乗りやすい車両でした。コースレコード更新とセミファイナル、ファイナル優勝を達成し、HSR九州でデビューWinを飾ることができました。この勝利は、今から36年前、16歳のときに同じHSR九州でデビューWinを果たした時と同じ喜びを味わうことができ、最高の気分でした。」
「(ファイナルレースでは)3秒台を狙って全開でアタックを開始。3周目には『1:03.748』と従来のコースレコードを0.5秒更新し、優勝することが出来ました。走るごとにタイムを削り、最後まで戦い抜けたのは、この挑戦を支えてくださったパートナー企業の皆さまのご支援とご協力があってのこと。心より感謝申しあげます」
総括:レースは開発と実証の場
モリワキは「レースは開発と実証の場」であり、そこで得た経験と勝利こそが、「速さ」「パワー」「操安性」を証明するものだと考えています。
チーム監督の森脇尚護氏は、今回のレースを総括し、「この優勝は、私たちモリワキにとって“ゴール”ではなく、“次の挑戦へのスタートライン”です」と意気込みを語りました。
さらに同氏は、この勝利が「モリワキ単独では成し得なかった挑戦」であったと振り返り、ピレリをはじめとするパートナー各社の高い技術力が結集した結果であると述べています。レースで証明された「性能と信頼」を、今後ユーザーの「体験と共感」へとつなげていくモリワキの次なる挑戦に、ピレリタイヤはこれからも足元から貢献していきます。

『モリワキエンジニアリング』公式HP
https://www.moriwaki.co.jp/
『PIRELLI - DIABLO™ SUPERCORSA V4』製品ページ
https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/motorcycle/catalog/product/diablo-supercorsa-v4-sc-new





