写真:木戸翔太 ■取材協力:モリワキレーシング

GW真っただ中の5月3日、4日にHSR九州で開催された「鉄馬 with βTITANIUM合戦の日」。

ネオクラシック350クラスに金子美寿々選手+HONDA GB350S改、アイアンエキスパートクラスに山口達也選手+KAWASAKI Z900RS改、タイヤはどちらのマシンもピレリ・DIABLO™ SUPER CORSA V4 SCという布陣で臨んだモリワキレーシング。

結果は、金子美寿々選手+HONDA GB350S改が、コースレコードを更新する走りを見せ、このクラス前人未到の4連覇を達成。また、HSR九州を走るのは初めてという山口辰也選手も中富伸一選手、柳川明選手らとのハイレベルなバトルを制してモリワキ・Z900RS改に3連勝をもたらしました。

ネオクラシッククラスは4連覇、アイアンエキスパートクラスも3連覇達成

予選でコースレコードを記録し、決勝レースでは見事にホールショットを決めて優勝した金子美寿々選手。 「今年もモリワキレーシング様より鉄馬ネオクラシック350クラスに出場させていただき、夢のような時間を過ごすことができました。ウイーク序盤は目標とした走りがなかなかできませんでしたが、教えていただいたことを思い出し、2回目の予選でコースレコードを0.005秒更新することができました。決勝は、今までで一番うまくスタートでき、他のクラスの前車を夢中になって追いかけていたらベストタイムを更新して優勝することができました」

testuuma-2025-p1.jpg
testuuma-2025-p2.jpg
コースレコード更新、前人未到のクラス4連覇達成と完璧な結果を残した金子選手。スタートが苦手な金子選手に対して、「前だけ見ていれば大丈夫」という森脇省吾監督からの的確なアドバイスも奏功したそうだ。

初めてのHSR九州、そして予選中には転倒を喫してしまった山口辰也選手。モリワキ・Z900RS改の連覇がかかっていたことで強いプレッシャーを感じていたそうです。

「今回は、自分自身のレベルアップのためにもトレーニングに力を入れて臨んだのですが、レース前には気負いすぎてしまい、思わぬ怪我をしてしまいライディングに対する不安も少なからず抱えての参戦となりました。そんな中、モリワキ・Z900RS改は乗った瞬間から相性がいいのに気づき、毎セッション、乗るのが楽しみで仕方ありませんでした。予選では自分のミスから転倒してしまい、タイム的にはもう一歩という内容でしたが、決勝では気持ちを切り替え、安定した走りを貫くことができ、優勝という結果につなげることができました。終盤までバトルが続きましたが、最後はマシンの安定感に本当に助けられました」

testuuma-2025-p3.jpg
testuuma-2025-p4.jpg
プレッシャーの中、Z900RS改に3連覇をもたらした山口選手。初めてのサーキット、予選での転倒などのビハインドを経験豊富な走りで克服しての勝利だった。

金子選手、山口選手ともにモリワキレーシングの強力なバックアップに助けられて優勝を飾ることができたと、感謝の言葉を語っていました。また、モリワキレーシングが参戦したことが、「鉄馬 with βTITANIUM合戦の日」を大いに盛り上げたのは間違いありません。

あのCB1000F CONCEPT MORIWAKIも展示された

今年のモーターサイクルショーのホンダブースに展示され、大きな話題となったのがCB1000F CONCEPT。そして、さらに話題を呼んだのが、モリワキレーシングによってレース仕様に仕上げられたCB1000F CONCEPT MORIWAKIでした。

その注目マシンが、「鉄馬 with βTITANIUM合戦の日」会場内のモリワキブースに展示され、多くの人の注目を集めていました。

鉄馬ではKAWASAKI・Z900RSが一大勢力となっているだけに、ホンダとしても指をくわえて見ているわけにはいかず、開発中のマシンを展示するという異例中の異例が実現したのだと推測します。

testuuma-2025-p5.jpg
往年のCBシリーズを髣髴させるHONDA・CB1000F CONCEPT。根強い人気を誇ったCB1300シリーズがファイナルとなり、ホンダファンが大いに期待するビッグネイキッドだ。今春のモーターサイクルショーで発表され、大注目を浴びただけではなく、ブースにはレース仕様に仕立てられたCB1000F CONCEPT MORIWAKIも展示され話題を呼んだ。今回、鉄馬で展示されたマシンはモーターサイクルショーで展示されたものだ。

また、CB1000F CONCEPT開発陣のひとりが、「秋の鉄馬は楽しみにしていてください」と筆者に語ったので、ひょっとすると9月13日(土)・14日(日)に開催される「鉄馬 with β TITANIUM 決戦の日」でCB1000F CONCEPT MORIWAKIが走行するシーンが見られるかもしれません。

ピレリの装着率は67.3%、表彰台獲得率は69.2%

5月11日、12日に筑波サーキットで開催された「テイスト・オブ・ツクバ SATSUKI STAGE」と同様、鉄馬でもピレリタイヤの存在感は抜群で、今回もエントリー156台中105台がピレリタイヤ(メッツラーも含む)を装着。13クラス中8クラスでピレリ装着マシンが優勝するなど、「テイスト・オブ・ツクバ」と同じく、鉄馬も「ピレリじゃなきゃ勝てない」のが常識になっています。

また、多くの出場者のご愛顧に感謝して、今回は新たに0番ピット上にPirelliの看板も設置。コース上だけではなく、パドックでもピレリのプレゼンスを向上させています。

testuuma-2025-p6.jpg
0番ピット上に設置されたPirelliの看板。これによって、ピレリと鉄馬、HSR九州の絆がさらに深まることでしょう。

前述のように、次の鉄馬は9月13日(土)、14日(日)にHSR九州で開催されます。毎回、参加台数が増加し、パドックに出展するブースの数も右肩上がり。さらに、昨年は自衛隊の戦車と装甲車がサーキットコースを疾走するなど、イベントとしても大いに盛り上がっている鉄馬。

鉄馬実行委員会が公式ウェブサイト(https://www.tetsuuma.com/)で、レース&イベント情報を発信していますので、興味を持たれた方はそちらをチェックしてください。