写真:大谷耕一、ピレリ
恒例になったテイスト・オブ・ツクバ(以下T.O.T.)開催週の木曜日に筑波サーキットを貸切って、T.O.T.参戦ライダーに練習走行やセッティングの機会をご用意する「PIRELLI TRACK RIDE EXPERIENCE-TC2000」(ピレリタイヤ以外を装着したライダーも参加可能)。
今回は、5月11~12日に開催される「2024 TASTE OF TSUKUBA SATSUKI STAGE」直前の5月9日に開催しました。
T.O.T.に参戦するライダーは計22名が参加して、そのうち最速クラスの「HERCULES」に参戦するライダーが断トツの13名と、トップライダーは57秒台に突入する超ハイスピードバトルに備えた準備をしていました。
そして今回新たに加わったのが、今シーズンからタイヤの供給を開始した全日本ロードレースの「J-GP3」参戦ライダーを対象にしたJ-GP3クラス。今季からMoto2&Moto3へのタイヤ供給を開始したピレリですが、Moto3クラスに供給するDIABLO™ SUPERBIKEをJ-GP3クラスへも投入。このDIABLO™ SUPERBIKEは将来のMotoGPライダーを育成する目的で開催されている「イデミツ・アジア・タレントカップ」(全6戦)でも使用されるタイヤで、ピレリタイヤで育ったライダーが世界に羽ばたくのを応援しているというわけです。
今回は4名のJ-GP3ライダーが参加しましたが、その中には元ホンダワークスライダーの伊藤真一さんが率いる「Astemo SI Racing Thai Honda」の若いライダーが2人交じっていました。
世界を目指す13歳と15歳のタイ人ライダー
15歳のブラパ・ワンムーン選手(通称・ジミー)と13歳になったばかりのタナチャット・プラトゥムトーン選手(通称・オースティン)は、この若さでタイホンダの契約ライダーで、アジア・タレントカップにフル参戦中。ただ、3月にカタールで行われた初戦から9月に開催される次戦のインドまで大きなインターバルがあるため、経験を積むために彼ら2人は全日本のJ-GP3クラスにも参戦しているのです。
今回も筑波サーキットを走ることができる滅多にない機会ということで、伊藤監督とともにトラック・ライド・エクスペリエンスに参加して周回を重ねていました。
「今日は、タレントカップの練習として参加しました。参戦するからにはいい成績を残したいですからね。ピレリタイヤは自分もテストなどで使用してきたので親近感がありますし、今年は全日本にもエンジニアが来るなどとてもやる気を感じています。J-GP3用タイヤはグリップ力も高いし扱いやすそうで、タイムが出しやすいようです。ただ、まだまだライダーがそのポテンシャルを生かせていない感じですね。いまアジアのレースはとても盛り上がっていて、日本のかつてのレースブームのときのような雰囲気です。WGPも当時は日本人が活躍していましたから、次はMotoGPでアジアの選手に活躍して欲しいと思ってサポートしています」
2人の走行が始まると、筑波の1へアピンのスタンドでじっと走りを見つめていた伊藤監督。MotoGPを目指す若い2人にとって、非常に頼りになる存在に違いありません。
4月14日にモビリティリゾートもてぎで開催されたJ-GP3の初戦は、オースティンが16位スタートから追い上げて9位、ジミーは残念ながらリタイアでした。
2人に話を聞くと、オースティンはJ-GP3はトップ5入り、タレントカップはトップ3、そして20歳までにはMotoGPに行きたいとのこと。ジミーはJ-GP3とタレントカップはトップ5、そしてMotoGPへは20~21歳で行きたいと、MotoGPまでの自身が定めたロードマップを教えてくれました。
J-GP3クラスを戦うオースティンとジミーの2人をぜひ応援してくださいね。
一般ライダー用の走行枠もご用意しました
午後からは一般ライダー用の走行枠をご用意して、多くのライダーに楽しんでいただきました。
20分×3回の占有枠で23人のライダーが走行を楽しんだのは「オートスタジオスキル」さんご一行。メタリカ・ブレーキパッドやレジーナ・チェーン、シルコリンオイルなど数々のレーシングパーツを扱うだけに、お客さまにサーキット走行をする機会を提供していました。
「単独ではなかなかサーキットの占有はできないので、とてもいい機会ですね。ウチはサーキットユースの商材が多いので、こういうところで走ったすぐ後に質問に応えたりできるのがいいです」と、セールスマネージャーの嶋根翔さん。
今回は、オートスタジオスキルさんの占有スペースもパドック内にご用意しましたので、お客さまとの密なコミュニケーションを取られていました。
そして、昨年秋の開催から2回連続で占有枠をご利用いただいたのが「BMW Motorrad 北関東ディーラーネットワーク」さん。みなさん、普段着ているツーリングウエアで先導付きのサーキット走行を楽しまれていました。
今回参加した19名のうち、8割の方がサーキット初体験。R1250RTで初参加した平岡清隆さんは「緊張したけど楽しかったです。RTでは普段、ツーリングを楽しんでいますが、サーキットでも安定して走れるのにビックリしました」とお話されていました。
ドゥカティ札幌さんご一行も、昨年秋からの連続参加。バイクに乗れるシーズンの短い北海道ですから、バイクシーズンの終わった秋(11月)、そしてようやく走れる陽気になりつつある春の走行会は絶好のタイミングとのこと。
「今シーズンの初ライドでした。普段は十勝サーキットを走っていますが、筑波はテクニカルで面白いです。LCCを使えば、新千歳空港→成田空港は5000円台で来ることができて、ここは成田からのアクセスもいいので、また参加したいですね」
そう話してくださったのは、伊達市の道の駅・伊達観光物産館でハンサム食堂を経営している太田亮さん。バイクは、ドゥカティ札幌の砂田社長がトラックに積んで自走で運んで下さるので、参加者は手ぶらで新千歳→成田→筑波という行程でいらっしゃって、まるで近場に1泊2日のツーリングに行くような手軽な感じで、筑波サ-キットの走行を楽しまれていました。
希望者にはマンツーマンの先導走行も行いました
そして、ナンバー付き車両で参加できるCLASS-1(ビギナー・ミドルクラス)、CLASS-2(ミドル・エキスパートクラス)では、希望される方にインストラクターによるマンツーマンの先導走行も行いました。
スズキ・GSX-R1000でCLASS-1に参加した鈴木和紀さんは、「すごく楽に走れましたし、走行ラインやブレーキをかけるポイントなども全部分かりました。筑波のライセンスを取ろうと考えているので、とても参考になりました」。
3回目の開催で、さまざまなバージョンアップを果たしたトラック・ライド・エクスペリエンス。次回は、11月2~3日に開催されるT.O.T. KAGURADUKI STAGEに合わせて10月31日(木)に開催します。 開催日前にはこのピレリ・ファンサイトとSNSで参加要項などの詳細を発表しますから、次回は参加したいと思われた方はぜひぜひご応募くださいね!