WSBK第3戦オランダラウンド 4月21日~23日/オランダTTサーキット・アッセン

スーパーバイク世界選手権(WSBK)の第3戦オランダラウンドが、4月21日から23日にかけてオランダのTTサーキット・アッセンで行われました。開幕戦オーストラリア、第2戦インドネシアを終え、約1カ月半を空けて、このオランダラウンドからヨーロッパの転戦が始まります。

オランダラウンドではアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)がレース1、スーパーポール・レース、レース2のすべてで優勝を飾りました。バウティスタがレース2で飾った優勝により、ドゥカティはWSBKにおける通算400勝を達成しています。

初日のフリー走行1、2からトップにつけたバウティスタは、土曜日のスーパーポール(予選)でも1番手タイムを記録します。ただ、スーパーポール中のライン上のスロー走行に対して3グリッド降格のペナルティが科されたため、レース1のグリッドは2列目4番手となりました。

レース1ではレース中盤にトップのジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)をパスし、バウティスタがそのまま優勝を飾りました。今季の強いバウティスタそのままのレースだったように見えましたが、じつはバイクに少々問題を抱えていたといい、このため日曜日にはセッティングの変更を施し、フィーリングがさらに向上したようでした。

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ペナルティをはねのけ、レース1で優勝したバウティスタ

そんな日曜日は、バウティスタが快走したレースとなりました。午前中に行われたスーパーポールでは、レース前にトラブルが発生したライダーのマシンから液体が漏れ、コースコンディションを理由としてレースディレイ。8周に短縮して行われた超スプリントのレースで、バウティスタはぴたりと後ろにつけるレイにトップを譲ることなく、先頭でチェッカーを受けました。

バウティスタはスーパーポール・レースで優勝したことで、日曜日のレース2をポールポジションからスタートします。スタート直後から先頭に立ったバウティスタ。その背中を追うのは、いつものようにトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)とレイの2人です。4周目には2番手のレイがバウティスタをかわしてトップを奪うシーンもありましたが、バウティスタはトップを奪還し、レースリーダーの座を譲りませんでした。レイはその後、6周目に転倒リタイアとなっています。

バウティスタは追随するラズガットリオグルの接近を許さず、約4秒のギャップを築いて優勝しました。初日から日曜日のレース2まで、バウティスタが支配したオランダラウンドの週末だった、と言えるでしょう。

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バウティスタとラズガットリオグルの接戦。しかしその差は次第に開いていった
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レース2の優勝はバウティスタ(中央)、2位はラズガットリオグル(左)、3位はアンドレア・ロカテッリ(右・パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)

一方、3番手走行中に6周目の9コーナーで転倒を喫したレイは、オランダラウンドで未勝利に終わりました。この週末を通してギヤシフトに圧力がかかっており、9コーナーでアクセルを開けた途端に3速に入ってしまった、というのが転倒の理由だったようです。

レイにとってアッセンは、ホンダ時代を含む2010年から2022年までに、通算17勝を挙げてきたサーキットです。2022年シーズンもレース1、スーパーポール・レースで優勝を飾っていました(レース2は転倒リタイア。優勝はバウティスタ)。今季、レイはまだ表彰台の頂点に立っていないばかりか、獲得した表彰台も3度にとどまっており、第3戦までを終えてチャンピオンシップのランキングは5番手です。バウティスタが圧倒的な強さを誇っていることは事実ですが、タイトル争いの一角であるラズガットリオグルに対しても後れを取っています。こうした状況の中、得意のアッセンで優勝を逃すという厳しい結果になりました。

また、スーパースポーツ世界選手権(WSSP)では、オランダラウンドから岡谷雄太(プロディーナ・カワサキ・レーシング)と阿部真生騎(VFTレーシング・WEBIKEヤマハ) が初戦を迎えました。岡谷は2022年シーズンまでスーパースポーツ300世界選手権(WSSP300)を戦って2023年からWSSPへステップアップを果たし、阿部は全日本ロードレース選手権から世界への挑戦を開始した、ともにWSSPルーキーです。

岡谷はレース1、レース2ともに完走し、23位でゴールしました。阿部はスーパーポール(予選)のタイムがトップタイムの105%以内に入らず予選落ちとなり、レースに出走することはできませんでした。

WSBK第4戦カタルーニャラウンドは、5月5日~7日、スペインのバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われます。