11月12日、秋晴れの絶好のコンディションの下、千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで開催された、今年最後の「Pirelli FUN TRACK DAY」。

おかげさまで全クラス定員となる大盛況で開催され、無事に終了したのですが、大きなトピックがふたつありました。

まずひとつめは、アメリカのクルーザーメーカーであるインディアン(Indian)モーターサイクルが初出店してくれました。https://www.indianmotorcycle.co.jp/

sodeFTDreport_p1.jpg
インディアンが初出店。試乗車を5台も用意してくれた。

インディアンと言えば「世界最速の」という枕詞が付くほど、アンソニー・ホプキンスが出演した映画などで多くの人におなじみのメーカーで、1号車を製作したのは1901年という長~い歴史を持つメーカーです。同じくアメリカで生まれたハーレー・ダビッドソンと並ぶクルーザーメーカーとして発展してきましたが、1950年代に経営悪化によって終焉を迎え、その後、商標権の問題などでなかなか復活がかなわなかったのですが、2011年に現在のインディアンの経営母体であるポラリス・インダストリーズ社(ATVやウォータービークルなどのパワースポーツで世界的なシェアを持つ)によって復活を果たしました。

その後、現行ラインナップにもある「スカウト」に搭載される水冷エンジンを新開発するなどしながらラインナップをどんどん拡充して、現在は「スカウト」や「FTR」、「CHIEF」、「CHALLENGER」など8シリーズを展開しています。

日本では、2019年に現地法人となるポラリスジャパンが設立され、それにともなってディーラー網も整備され、販売台数も年々、増加しているそうです。

クルーザーメーカーのインディアンが、なんでFUN TRACK DAYに? と思われる方も多いと思いますが、理由はいくつかあります。

まず、日本で販売されているインディアンにはピレリとメッツラーのタイヤが標準装着されていること。ふたつ目は、水冷1200㏄エンジンを搭載するスポーティなFTRシリーズ(クルーザーではなく、ほとんどネイキッドスポーツ)が人気を集めていること。そして、みっつ目はアメリカでいま人気になっている「キング・オブ・ザ・バガー」という巨大なクルーザーで戦われるレースで2022年のチャンピオンシップを獲得したことです。

sodeFTDreport_p3.jpg
水冷1200㏄エンジンを採用するFTRシリーズ。写真のSはスポーティモデルで、ポジションもアップライトなロードスターモデルだ。

ポラリスジャパンのディレクターである藤原さんによると、きっかけはメッツラー・SPORTEC™ M9RRを履くFTRをFUN TRACK DAYに集まったバイク好き、サーキットで走るのが好きな人たちにぜひ見て欲しいと思ったからだそうで、せっかくの機会だからとFTR Sを含む5台の試乗車を用意して、公道試乗会も開催。

これが大人気で、31人の方がインディアンを公道で楽しんだそうです。

そして、キング・オブ・ザ・バガーに出場するマシンのベースモデルである、CHALLENGERが先導車となって、巨体を左右にゆすりながら参加ライダーをエスコートしていました。

そして藤原さんは、来シーズン、このFUN TRACK DAYでエキシビションとしてバガーレースをやってみたいと画策中。STDのままでも出られるような緩いレギュレーションにして、多くの人が参加しやすいものにしたいとのことでした。

sodeFTDreport_p4.jpg
袖ヶ浦FUN TRACK DAYでは、そのチャレンジャーが先導車として登場。巨体をゆすりながら走行する姿はド迫力だった。
sodeFTDreport_p2.jpg
今シーズンのキング・オブ・ザ・バガーズでは、インディアン・チャレンジャーに乗るオハラ選手がライバルのハーレー・ダビッドソンを抑えチャンピオンを獲得。

ピレリジャパンの二輪部門責任者の児玉さんも「それは面白そう!」と言っていたので、ひょっとして本当に来シーズンはバガーレースがFUN TRACK DAYで見られるかもしれません!

来シーズンはWSSP600にステップアップする岡谷雄太選手が来場!

そしてもうひとつのトピックは、WSSP300にフル参戦中で、今シーズンは第7戦のカタルニアラウンドで初優勝し、来シーズンはイタリアのプロディナ・レーシングチームからWSSP600クラス(マシンはカワサキ・ZX-6R)にステップアップして参戦することが決まっている岡谷雄太選手が来場したこと。https://www.yuta61okaya.com/index.html

sodeFTDreport_p5.jpg
勢揃いした岡谷ファミリー。お父さん(左端)お母さん(右端)、弟さん(右から2番目)はピレリファミリーの一員として、イベントなどで活躍してくれている。

第8戦の予選で転倒した岡谷選手は、左鎖骨と肩甲骨を骨折してギプスを巻いていましたが、元気な姿をサーキットに集まった人たちに見せていました。

「WSSP300で戦ってきて、今年は一番いいシーズンでした。アップダウンも激しかったんですが、1年を通してみるといいシーズンだったなと思います。WSSP600は、上がらないと始まらないと思って目標にしていたクラス。いまよりも厳しいレースになることは確実ですから、スキルも上げないといけないと思っていますが、目標はトップ5に入ること。常にトップ10に入るレースをして、表彰台に上がれたらいいなと思っています。その先にはWSBKがありますが、今年の鈴鹿8耐で1000㏄バイクに乗りましたが、意外と乗れることが分かりました。将来はWSBKに上がって、カワサキワークスに入るのが最大の目標ですね」

sodeFTDreport_p6.jpg
2022年シーズンは、日本人で唯一フル参戦するWSSP300クラス第8戦で待望の優勝を飾るなどしてランキング7位。いいシーズンだったと振り返ってくれた。

来シーズンの抱負をそう語ってくれた岡谷選手、袖ケ浦ではサインを求められたりしながら1日中ファンサービスをしていました。

sodeFTDreport_p7.jpg
会場でも販売していた岡谷選手のオリジナルTシャツにサインを求める人が多数ピレリテントを訪れていた。
sodeFTDreport_p8.JPG
岡谷選手の練習用のカワサキ・ニンジャ250SL。今回は残念ながら、このマシンで走る姿を見ることはできなかった。

今回はケガで走ることができませんでしたが、スケジュールが合えばPirelli FUN TRACK DAYに参加して、先導もどんどんしたいと岡谷選手。

来年のPirelli FUN TRACK DAYでは、一回り大きくなった岡谷選手に会えるかもしれませんね。

自分でサーキットを走る以外にも楽しいことがたーくさんある「Pirelli FUN TRACK DAY」。来シーズンはぜひあなたもご参加ください!

>>>FTDはヨーロッパの休日だ

>>>サーキット初心者でも怖くない走行会です!

>>>イタリアの会社ですから、おいしいランチにこだわっています!