テキスト:伊藤英里
写真:Pirelli
今回は、MotoGP第5戦フランスGPについてお届けします。
決勝日当日に雨が降ったことで、Moto2、Moto3クラスの決勝レースは周回数が短縮され、Moto2クラスは赤旗中断が発生するなど、波乱の展開となりました。
雨のレースが多いル・マン
フランスGPの舞台は、ル・マン-ブガッティ・サーキットです。フランスの首都であるパリから200kmほど南西に位置しています。
ル・マンは天気が変わりやすいサーキットとしても知られています。MotoGPの統計によると、「MotoGP」となった2002年以降のフランスGP(ル・マン)の24回のMotoGPクラスのレースのうち、じつに12回が、ウェットコンディションでのスタート、またはレースの途中で雨が降り始めた、ということです。
実際のところ、2025年のMotoGPクラスの決勝レースでも、スタート前に雨が降り出し、タイヤ交換やレース中のマシンの乗り換え(フラッグ・トゥ・フラッグ)などが行われ、雨に翻弄されたレースとなったのです。
このレースでホンダのヨハン・ザルコが優勝し、ホンダに2023年アメリカズGP以来となる勝利をもたらしたのは、ご存知の通りです。
決勝レース前に振り出した雨
2026年シーズンのフランスGPは、Moto3クラスとMoto2クラスの決勝レースの時間に雨が降りました。
現地時間11時にスタート予定だったMoto3クラスの決勝レースは、ウェットレース宣言がなされ、5分ディレイ、そして周回数が当初の20周から13周に短縮されました。このレースでは、全ライダーがレインタイヤである「SCR1」を選択しました。
さらにコンディションが複雑になったのは、Moto2クラスです。Moto2クラスもMoto3クラス同様に、ウェットレースが宣言され、スタートが予定から5分遅れの12時20分(現地時間)となりました。また、周回数も22周から14周に短縮されています。ただ、この時点ですでに路面は乾き始めており、全ライダーがスリックタイヤを選択してスタートしました。
レースは3周目に発生した転倒によって、赤旗が提示され、中断となりました。9周で再開されたレースではドライレースが宣言され、タイヤのコンパウンドを変更したライダーも数名いましたものの、当然、全ライダーがスリックタイヤを選択しています。
通常、雨が降ると、路面が乾いてドライコンディションに回復したあとも、それ以前の路面とはコンディションが変わっていたり、路面が汚れていたりもします。レースウィークの間、ずっとウェットコンディションであれば、ライダーはそうした状況に適応ができます。ただ、日曜日の決勝レース前に天候が変わる、といった状況の場合、それまでの路面とは異なるため、より複雑な状況となるのです。
こうしたフランスGP決勝レースを、Moto2ライダーの古里太陽(イデミツ・ホンダ・チームアジア)は22位、佐々木歩夢(モモヴェン・イドロフォリアRWレーシングチーム)は転倒リタイア。Moto3ライダーの山中琉聖(イオンクレジット-MTヘルメット-MSI)は12位、三谷然(ホンダ・チームアジア)は16位で終えました。
Moto2クラス
古里太陽(イデミツ・ホンダ・チームアジア):22位
「ウィークを通して内容はよかったと思いますが、結果にはあまり反映できませんでした。ただ、今週はいろいろなことができ、よくなったことがあり、得るものがかなり多かったと思います。
赤旗後、レーススタートでミスをして、焦りでレースを台無しにしてしまいました。ただ、赤旗前はすごくいい感じで走れていましたし、スタートもよく、悪くないポジションで走れていたと思います。今週やってきたことはよかったと思っています」(MotoGP.comインタビューより)
佐々木歩夢(モモヴェン・イドロフォリアRWレーシングチーム):転倒リタイア
「金曜日からいいスピードで走ることができて、Q2に進出することもできました。レースでは1回目も赤旗後の2回目でも、いいスタートを切ることができましたし、フィーリングも昨日よりよくなっていたので、今日はトップ8には入れたと思います。
転倒してしまったのは、すごく悔しいです。転ぶ前のコーナーでほかのライダーに接触されてはらんでしまい、レース前に雨が降って路面が少し汚れていたのもあって、転んでしまいました。残念ですけれど、ここ最近は、ようやくMoto2バイクで自信をもって走れるようになってきています。ポジティブなところはたくさんあったと思います」(MotoGP.comインタビューより)
Moto3クラス
山中琉聖(イオンクレジット-MTヘルメット-MSI):12位
「決勝レースはウェットで、トリッキーなコンディションでした。特にル・マンはウェットコンディションだと滑りやすいんです。そのなかで少しずつ攻めて、12位を獲得できました。
もちろん、満足のいく結果ではありませんが、ポイント圏内という最低限の結果を得ることができました。ウィークで新たな発見もありました。マシンの不具合も発見できました。少しずつではありますが、悪い部分から抜け出せてきていると思います」(MotoGP.comインタビューより)
三谷然(ホンダ・チームアジア):16位
「レース直前に雨が降り始めたことでレインコンディションのレースになったのですが、ポルティマオのテスト後から雨に苦手意識があって……。自分では怖がっているつもりはないのですが、自分の中でブレーキがかかってしまってなかなか思うように走れない状況が続いていました。
でも今回は、何回も転倒しそうになったものの、転倒せずに何人かオーバーテイクしながらフィニッシュすることができました。結果としては自分が望むところにはまったく届いていませんが、いい終わり方にはなれたかな、とは思っています」(MotoGP.comインタビューより)





