中古車選びで気にするのは走行距離、それとも年式? 実は中古車が履いているタイヤを見ると、その車両の履歴が見えてくる……かも!?
購入予定の中古車のタイヤがツルツルに減っていたらもちろん新品に交換するけれど、溝が十分でも実は安心はできない。中古車が履いているタイヤの種類やショップの動向から、そのバイクの素性を紐解き、新しくスタートする自分のバイクライフをさらに充実させよう!
溝があっても安心できない、経年変化に注意
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実は最近、バイクの乗り換えを考えているんです。新車も良いけれど、中古車も気になっているんですよね。
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確かに、現行車だとラインナップされていなくて、中古車でないと手に入らないバイクもあるからね。
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でも中古車選びってバイクの経験値が少ないと、難しい。正直、WEBで眺めていてもわかりにくい。どんなところに気を付けたら良いんですか?
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……なかなか難易度の高い質問だね~。走行距離や車検のあるモデルであればその期間も気になる。とはいえ、私の専門分野はタイヤだから「中古車とタイヤのホットな関係」を伝えようかな。
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ホットな関係? 確かに中古車に装着されているタイヤが減っていたら、すぐに交換しないと危ないから、その分コストがかかりますね!? ちゃんとチェックしないと。
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そう。車種やタイヤの種類にもよるけれど、中~大型バイクだと5~10万円くらいかかることがあるからね。
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ということは、やっぱりタイヤの溝が残っているバイクを選んだほうがお得ですね!
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いや、私としてはタイヤの溝が残っている、いないにかかわらず「中古車はタイヤ交換が大前提」と考えているよ。
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えっ、そうなんですか!?
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うん。タイヤの溝がしっかり残っていても、そのタイヤがいつ製造されたかが重要でしょ。溝は十分あるけれど、10年前のタイヤだったらどうする?
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前に教えてもらったタイヤの賞味期限(教えてディアブロマンVol.11)ってやつですね。いや、10年前のタイヤだと怖いですよね。でも、中古車にそんな古いタイヤが付いていることがあるんですか?
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残念なことに実際にあるんだ。たとえば新車を買ってから3年くらい経っていても、そんなに頻繁に乗らなかったらタイヤの溝は残っている。でも、そこからほぼ乗らずに5〜6年ほど経過して手放したバイクなら、タイヤは8〜9年前のもの。もしそのバイクが生産されたときに、製造から1年ほど経過したタイヤを装着していたとしたら10年近く経っていることになるよね。
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なるほど~。よく中古車検索サイトで「タイヤ8分山」と書いてあることがあるから、そういったバイクを選べば安心だと思っていたけれど、確かにタイヤの製造日を書いている中古車はないですね。
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そう。だから溝が残っていてもタイヤの製造年週は必ず確認したい。反対にタイヤの溝が残っていなくてスリップサインが出そうなら、当然交換が必要になるけれど、いずれの場合も「購入前に交渉」するのがいいと思うよ。
中古車購入時のタイヤ交渉術とは?
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え、何を交渉するんですか?
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たとえば「納車前にタイヤ交換してもらえるか?」、「新品タイヤ込みだと車両価格がいくらになるのか?」などを質問するのは失礼なことじゃない。もしかしたら「タイヤ代は実費でかかるけれど、交換工賃はサービスしますよ」とか言ってくれるかもしれないし。
誤解してほしくないのは、これは値引き交渉ではないこと。そのショップのスタンスを見るのにも役立つことなんだ。
「当店は現状販売のみ。タイヤ交換や整備は他所にお願いしてください」なのか「タイヤ交換や整備も当店にお任せください」なのかがわかるでしょ。もちろん前者の店が悪い、という話ではない。自分でメンテナンスしたり、懇意にしているバイクショップが面倒を見てくれたりするなら、それもOKだし。
しかし、先々のメンテナンス(タイヤ交換も含む)は中古車を購入したショップにお願いしたい、と考えているなら、後者の方が安心。これはコストだけじゃなくて、バイクライフ全体にかかわる話だよね。 -
そうですね。僕だったら購入したショップにお願いしたいかな。良いこと知りました。他にも中古車とタイヤのホットな関係ってありますか?
タイヤを交換して前オーナーの『クセ』をリセットしよう!
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実は、中古車が履いているタイヤを見ると、色々なことが予測できるんだ。
たとえばそのバイクが新車時の純正タイヤを履いていて、溝は減っていないし走行距離も短かったとしたら、文字通り「あまり乗っていないバイク」になる。
これは「エンジンを酷使していないからお買い得」かもしれないし、反面、ハンドルやスイングアームなどの可動部があまり動いていないから、乗り出す前に再グリスアップが必要かも、とも考えられるね。 -
む、難しい。どっちなんですか?
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中古車を正しく判断するのは難しいという話。そこも素直に販売しているショップに相談するのが良いだろうね。
でも、純正と異なるタイヤを履いていたら、前オーナーの癖や使い方はリアルに見えてくることもある。
たとえばトレールバイクやアドベンチャー系のバイクで、外装パーツがキレイでキズも無いのに、ピレリのMT21 RALLYCROSSのような本格オフロードタイヤを履いていて、しかも相応にタイヤが減っている場合は「じつはかなり林道とか走っていたかも。すると何度か転倒しているな」とか想像できる。オフロード好きの人だとスペアの外装パーツを持っている人も多くて、バイクを手放す時に傷のない物に交換しているパターンだね。
反対にほとんど新品の標準装着タイヤを履いているのに、それなりに走行距離が伸びているオフロード車の場合は、猛者のライダーが新車時にすぐに本格的なオフロードタイヤに交換していて、手放す時に新車時の標準タイヤに履き替えたのかもしれない。オフロード系に強い専門ショップとかだと「あるある話」だね。
でも、そういうショップだと前のオーナーが常連客であることが多いから、その車両の履歴がきちんとわかって、かえって安心な場合もある。 -
タイヤでそこまで推測できるのは面白いですね!
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他にも近年流行りの大型アドベンチャーが、例えばピレリのSCORPION TRAIL Ⅲのようなオンロード寄りのアドベンチャータイヤを履いていたら、オンロードツーリングがメインだったと想像できるよね。
これってオンロードバイクの場合も同様で、スーパースポーツなのにツーリングスポーツ系のANGEL GTを履いていたら、やっぱりツーリング使用がメインだったのかなって。 -
え~、スーパースポーツがスポーツツーリングタイヤを履いていることなんてあるんですか?
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いまどきのスポーツツーリングタイヤはグリップ性能も高いし、ルックスも昔のツーリングタイヤと違ってスポーティだから、そういった選択をするライダーも少なくない。
もちろんスーパースポーツでDIABLO SUPERCORSA SPを履いていて、タイヤの端の方まで接地していたら「サーキットでスポーツ走行を楽しんでいたのかも」って思うよね。これはサーキット走行会を主宰していたり、走行会の参加をケアしているショップなどに多いパターンだね。
これも「どっちが良い」という話ではなくて、前オーナーがどんな風に使ってきて、自分がこれからどう乗りたいかで、選ぶ基準は変わると思うんだ。 -
へぇ~、中古車のタイヤを見ると、ショップの傾向もわかるのは面白いですね。
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あくまで推測だけどね。そういう意味では標準装着タイヤを履いているよりも、オンロードやオフロード、ツーリングなど走りのシーンに特化したタイヤを履いている中古車の方が、前オーナーが目的をもってバイク趣味を送っていたのかもしれないね。
先にも話したように、もし中古車を購入したバイクショップに先々お世話になるのだとしたら、ショップの傾向がわかっていたほうが良い。それが自分のバイクライフのスタイルに合っているか否かはかなり重要だから。
中古車サイトを眺めるのは楽しいけれど、購入する前には実際にショップに訪れて、バイク本体はもちろん、タイヤも合わせてしっかり確認して、ショップのスタッフとコミュニケーションをとるのがオススメだね。
なんと言ってもタイヤは、唯一「前オーナーの影響を完全にリセットできるパーツ」とも言えるからね。 -
想像以上に中古車とタイヤの関係がホットで驚きました。タイヤ交換で、前オーナーの「クセ」をリセットできる、というのも気持ちがいいですね。なんだか夢が膨らんできちゃった! どんなタイヤを履いて、新しいバイクライフを過ごそうかな~♪
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ははは、気が早いね!でも、バイクを楽しみ尽くすなら、そのくらいこだわりを持ってくれると嬉しいな。
好みのタイヤをチョイスして中古車で走り出せば、新車以上に充実したバイクライフを送れる可能性もあるからね!





