2025年全日本モトクロス選手権 Rd.4 中国大会

・開催場所:世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)
・開催日:2025年6月14日(土)・15日(日)
・天候:晴れ時々曇り
・最高気温:29℃
・コースコンディション:マディ to ドライ

2025年は7戦で競われる全日本モトクロス選手権シリーズの第4戦中国大会が、6月14日(土)~15日(日)に広島県で開催されました。今季、ピレリはワールドスペックの新製品であるSCORPION™ MX32™ MID SOFTを日本市場にも導入。全日本では、「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」から参戦するIA1クラスの内田篤基選手(#10)、IA2クラスの松木悠選手(#34)と今岡駿太選手(#35)、レディースクラスの松木紗子選手(#10)、IBオープンクラスの島袋樹巳選手(#2)に、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリヤタイヤとともに供給しています。

2年ぶりの全日本開催となった世羅グリーンパーク弘楽園は、広島県南東部の山中にある、アップ&ダウンに富むハイスピードコース。細部の仕様は2年前とは異なるものの、基本的なレイアウトは2019年から継続されています。名物は、1コーナーの先に待ち構えるKYBラムソンジャンプ。左に緩くカーブする区間に設けられた、現在はステップアップに近い形状となったビッグジャンプです。

各クラスの予選やIBオープンクラスの決勝ヒート1が実施された土曜日は、朝から降雨。これにより路面は、昼すぎにはマディコンディションと化しました。この雨は日曜日の朝になって完全に止み、同時に青空が顔を覗かせ気温も30℃近くまで上昇。短時間でほぼドライコンディションに回復しました。

■IA1クラス

全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、30分+1周の2ヒート制で競われました。そのヒート1では、スタート直後に4番手争いを繰り広げられていた2台が接触し、このうち1台が転倒。ラインが限られた狭い区間だったため、これに後続が次々に突っ込み、10台ほどが大きく遅れる波乱の幕開けとなりました。内田篤基選手(#10)もこれに巻き込まれ、1周目は20番手でした。

すでに上位勢から大きく遅れ、マシンにもややダメージがある状況でしたが、それでも内田選手は諦めることなく追い上げを開始。7周目には14番手、9周目には12番手までポジションを回復しました。そして翌周から、前を走るライダーを猛追。しかしパッシングのチャンスは得られず、残り3周となった15周目に遅れ、内田選手は不本意な12位でチェッカーを受けました。

完全なドライコンディションとなった決勝ヒート2。内田選手は好スタートを決め、最初のコーナーで2番手のポジションを確保すると、オープニングラップを3番手でクリアしました。3周目、内田選手は4番手に後退。ここから、昨年のランキングトップ2と接戦を繰り広げていきました。しかし5周目と7周目に先行を許し、内田選手は6番手に後退しました。

レース中盤、内田選手は一度抜かれた王者のジェイ・ウィルソン選手を僅差でマーク。一方で内田選手の背後には2台が迫り、レース後半には4台による5番手争いが展開されました。内田選手は、レース後に体調を崩すほど力を使い切りながら、終盤までウィルソン選手を約2秒差で猛追。しかし最後は力尽きて背後の1台に先行され、7位でゴールしました。

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■IA2クラス

IA2クラスも、決勝は30分+1周の2ヒート制。松木悠選手(#34)は雨の予選レースでクラッシュして、決勝進出を逃しました。一方、今岡駿太選手(#35)は予選を10位でクリア。決勝ヒート1では、1周目14番手からのレースとなりました。そして6周目には13番手。しかし9周目に順位を戻し、16周で終了となったレースを今岡選手は14位でゴールしました。

決勝ヒート2の今岡選手は再び出遅れ、オープニングラップを16番手でクリア。大混戦の中で2周目にライバルたちの先行を許し、20番手まで後退しました。しかしここから走りを立て直し、3周目には19番手、5周目には17番手、6周目には16番手に戻しました。その後、前のライダーに離されながらも今岡選手は順位をキープ。17周のレースを16位でゴールしています。

■レディースクラス

15分+1周の決勝レースは、日曜日の正午ごろに実施。路面はすでにほぼドライコンディションで、松木紗子選手(#10)はSCORPION™ MX32™ MID SOFTをチョイスして臨みました。そしてスタートで7番手につけると、混戦の中でライバルを次々にパスし、1周目を4番手でクリアしました。しかしペースが上がらず、出遅れていたライバルたちがレース中盤に接近。4周目以降に逆転を許した松木選手は、9周のレースを7位でゴールしました。

■IBオープンクラス

20分+1周で競われたIBオープンクラスの決勝ヒート1は、土曜日の夕方に実施。朝からの断続的な雨で、マディコンディションのレースとなりました。島袋樹巳選手(#2)は、1周目を10番手でクリア。ところが2周目に、他車と接触して転倒し、28番手まで順位を下げました。しかし、ここから島袋選手は激しく追い上げ、4周目には15番手までポジションを回復。その後も積極的にパッシングを続け、10周でチェッカーとなったレースで島袋選手は8位となりました。

同じく20分+1周に設定された決勝ヒート2は、日曜日の昼休み後に実施。路面は回復し、ドライコンディションで迎えました。このレースで、島袋選手はホールショットを獲得。そのまま1周目をトップでクリアすると、レース序盤は後続を2~3秒離して周回を重ねました。中盤、2番手争いが繰り広げられている間に島袋選手はリードを拡大。そのまま11周目まで逃げ切り、自身および「Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS」としての全日本初優勝を挙げました。

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内田篤基選手のコメント

「今大会 2 週間前の練習中に激しく転倒してしまい、そこからライディングをせずに今回のレースに臨みました。幸い大きな怪我はなかったのでできる準備を十分に行いました。土曜日は天気にも味方されて、マディコンディションで身体の負担も少なく影響はほぼありませんでした。走りも良くて良いイメージで決勝日を迎えることができました。しかし決勝はヒート 1 の多重クラッシュに巻き込まれる不運や、ヒート 2 は路面が乾きペースが上がったことで身体的にしんどく我慢のレースでした。ヒート 2 ゴール直後から熱中症の症状で体調を崩してしまいました。今大会に向けて十分な準備ができなかったことも今回の敗因のひとつかと思います。」

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IA2・今岡駿太選手のコメント

「雨の予選は好調で、自分でも少し驚きました。決勝は、まだぬかるんでいたヒート1はリヤにMX Softを履き、ドライのヒート2は前後ともMX32™ MID SOFTをチョイス。決勝レースはどちらも大きく出遅れ、体力的にも厳しくて追い上げできなかったので、ここから次戦までの約3ヵ月間でトレーニングを重ね、ライダーとして進化して後半戦に挑みます」

IA2・松木悠選手のコメント

「予選レースのスタート直後は7番手で、走りに手応えもあったのですが、追い上げようとしたところでクラッシュ。自分とマシンのどちらにもダメージがあり、リタイアに終わりました。とても悔しいですが、ここから3ヵ月間のインターバルが待っているので、しっかりケガを治してからトレーニングに励み、シーズン後半に向けて立て直します」

レディース・紗子選手のコメント

「決勝レースは、MX32™ MID SOFTのおかげでまた好スタートを決めることができ、1周目の段階で表彰台圏内は確実とさえ思ったのですが、気持ちとは裏腹に攻めの走りができず、順位を下げました。滑りやすい区間も多かったのですが、タイヤのコントロール性は良好。敗因はリズムセクションにあり、ここを攻略できずにいたことで流れに乗れませんでした。この後のインターバルで、スピードを磨きます」

IBオープン・島袋樹巳選手のコメント

「ヒート1はクラッシュで落としましたが、走りを振り返ったときに、スタートさえ決めれば勝てるという自信を得ました。マディだった土曜日のヒート1はリヤにMX Softを履きましたが、路面状況が回復した日曜日のヒート2は、前後ともMX32™ MID SOFTを選択。うまく集中できたことに加え、タイヤのグリップを活かしてスタート直後に車速を伸ばすことができ、これがホールショットから有利にレースを進めることにつながりました。ようやく勝てて、まずは安心しましたが、3ヵ月後の次戦はチームの地元大会なので、今度は両ヒート優勝を目指します!」

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小橋雅也監督のコメント

「今大会の内田篤基は予選から決勝レースを見据えたライディングをして好調をアピールしていましたが、決勝ヒート 1 では、スタート直後に転倒に巻き込まれ追い上げるも不完全燃焼のレースとなりました。ヒート 2 では好スタート発進で 3 位を走行するなど奮闘しましたが、ペースダウンしてしまい、思いとは裏腹に悔しいレースとなってしまいました。IA2 クラス の今岡駿太は、両ヒート共に良いところ 悪い ところが見え隠れしましたが、良いところは伸ばし、悪いところは改善していくことは本人が分かっているのでこのインターバルでやっていきます。レディースの 松木紗子は 、 決勝 ヒートでは 4 位走行して前を追うが、逆にジャンプセクションがうまくクリアできずに悪いところが出てしまい、消極的なレースになってしまいました。IB の島袋樹巳は 、ヒート 1 はスタートが遅れて追い上げるレースとなりましたが、ヒート 2 ではホールショットから 2 番手以降を 引き離し、嬉しい初優勝となる良いレースをしてくれました。IA2 クラスの松木は、予選で転倒してマシンも身体も再スタートできない状況となりリタイアと なりました。今回の反省点をプラスに考え取り組んでほしいです。次回は 、地元の名阪スポーツランド大会 と なります。このインターバルで色んなことにチャレンジして強くなったライダー達と共に名阪スポーツランド大会でみなさんにお会いできるのを楽しみにしております。」

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『Yogibo Pirelli マウンテンライダーズ』公式HP
https://www.mountainriders.jp/

ピレリ - 『New SCORPION™ MX32™ MID SOFT』
https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/motorcycle/catalog/product/scorpion-mx-32-mid-soft-new