写真:Vesrah Racing TEC2&YSS、ピレリジャパン
例年、9月に開催されていた「もてぎ7時間耐久ロードレース」=もて耐が、今年は酷暑を避けて6月29〜30日に開催され、30日に行われた7耐決勝レースでもて耐3連覇中のVesrah Racing TEC2&YSS(以下べスラチーム)がピレリ・DIABLO™ SUPER CORSA V4 SC1を使用して見事に 4連覇を達成しました。
30日に開催された予選では、他チームがスリックのままコースインする中、ベスラチームは雨がぱらつき始めたためにレインタイヤをチョイス。しかしこれが裏目に出て、コースがどんどんドライになり始めたためにタイムが伸びず、予選結果は11位と不本意な順位にとどまりました。
しかし、決勝レースでは序盤からトップに立ったベスラチームは、セーフティカーが2度も入る荒れた展開をものともせず、2位に1ラップ差をつけて見事にトップでチェッカーを受け、もて耐V 4を成し遂げました。
チーム監督で、最終ライダーを務めたベスラ社員の福田さんに、今回から初めて使用したDIABLO™ SUPER CORSA V4 SCについてお聞きしました。
「決勝レースはSC1を使用しました。DIABLO™ SUPER CORSA はV2、V 3までは万人向けで誰にでも扱いやすいタイヤでしたが、V 4はパフォーマンスが上がったのと同時に少々ピンポイント的な性格になりましたね。とくにリヤタイヤは、周回を重ねると表面に荒れが発生するようになったのですが、そんな状態になっても極端にタイムが落ちることはありませんでした。ただ、空気圧の管理がシビアになっていて、空気圧が適正ではないとその荒れがタイムに影響する傾向も見られました。ウチは事前テスト含めて、適正な空気圧を掴んでいましたからとくに問題は生じませんでした。V4はV3よりもさらにパフォーマンス重視に振ったタイヤで、正常進化していると思いました」
アジア・タレントカップ、J-GP3に参戦中で、決勝レース中にベストラップの1分12秒147を記録したベスラのエースライダー・荻原羚大選手にもお聞きしました。
「V4はグリップがとてもよくて、V 3と同じ感じで走れました。耐久性も問題はなく、今回も25ラップしたときに20ラップ目でベストタイムが出ています。ただ、タレントカップのMoto 3タイヤと同様に、性能をフルに発揮するには空気圧の管理が大事で、ちょっと外すと消耗が激しくなる傾向があるように感じました」
ベスラチームは、荻原羚大選手が走行する際に、前後を新品に交換する作戦でルーティーンのタイヤ交換は2回。ただ、最終ライダーの福田選手が走るとき、雨がぱらついていたので万全を期してリヤだけ交換したとのことでした。
DIABLO™ SUPER CORSA V4 SCの初陣となった今年のもて耐でしたが、ベスラチームのV4達成によってその実力を見せつけるレースとなりました。
今年もピレリタイヤの占有率は60%超えでした
昨年もこのサイトでお伝えしたように、もてぎ3時間&7時間耐久ロードレースの参戦チームの大半がピレリのDIABLO™ SUPER CORSA V4 SCを装着してくださっています。
今年は昨年までのV3からV4の切替え期にあたったこともあって、若干、占有率が下がりましたが、それでも7時間参戦チーム、3時間参戦チーム、そして7時間と3時間を合わせた全参戦チームのいずれも60%を超える占有率でした。
ピレリタイヤ装着チームに話を聞いたところ、決勝レースの2日前の6月28日に行われた特別スポーツ走行がウエットだったこともあり、十分なセットアップができないまま決勝レースに臨んだチームも少なからずあったようでした。
しかし、優勝したベスラチームは必勝を期して、早くからDIABLO™ SUPER CORSA V4のテストを重ねて万全の態勢でレースに臨み、見事、7耐4連覇を達成。この結果を踏まえて、来年はさらにDIABLO™ SUPER CORSA V4 SCを使用するチームが増えることは間違いありません。