写真協力:https://www.minigp.jp

日本では2022年から始まった、将来のMotoGPライダーを目指す10歳から14歳のライダーで競われるFIM™ MiniGP Worldシリーズ

世界15カ国/エリアで行われるシリーズは、すべて同一レギュレーション、同一マシン、同一タイヤ&オイルで競われ、各国のシリーズ戦でトップ2となった2名のライダーが、MotoGP最終戦・バレンシアGPのレースウイークにバレンシアサーキットで開催されるファイナルレースの参戦資格を取得し、その年のMiniGP世界王者が決まるというワ-ルドワイドな登竜門レースです。

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使用されるのはイタリア製のOHVALE(オヴァーレ)・160㏄。すべての参戦ライダーが同一マシンで戦うのだが、マシンはレース当日に割り当てられるため、そのマシン特有の癖などに苦しむライダーがいた。しかし、そういう逆境を乗り越えてどんな状況でも戦い抜く対応力も求められたのである。
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使用されるタイヤはすべて、このレースのために専用設計されたピレリのディアブロスーパーバイク。スリックとレインの2種類が用意される。WSBKをサポートするなど、レースにも積極的に関与するタイヤメーカーとして主催者から声がかかり、ピレリがタイヤを供給することになった。

このファイルレースには、日本からは初代チャンピオンに輝いた池上聖流竜選手(14歳)と松山遙希選手(12歳)が出場することになりましたが、松山選手は渡欧前の練習中に転倒して、参加を断念。池上選手がひとりで世界と戦うことになりました。

現在、2023年シリーズの年間エントリーを募集中ですが、まずは2022年シーズンを振り返ってみたいと思います。

子供たちが成長していく過程が目に見えて分かった

全5戦・10レースで争われた日本でのシリーズ戦全戦に立ち会った、ワンメイクタイヤ・サプライヤーとしてタイヤを供給するピレリの日本法人の二輪部門の責任者・児玉さんは、参戦した若いライダーたちが今まで戦ったことがない状況――同一マシン、同一タイヤに加え、誰も助けてくれないし、すべて一人でやらなければいけない中、レースを重ねるごとにどんどん成長していって、積極的に自分で考え、あるときはアドバイザーを務める長嶋哲太選手(2022年鈴鹿8耐優勝ライダー)に質問をぶつけるようになっていった姿が非常に印象的だったといいます。(児玉さんの話は以下のリンクから。https://pmfansite.com

また、シリーズ戦のMCと実況を担当した佐藤ともみさんは、日本でシーズンを戦い抜いたライダーの最後のレースを見届けたいと、プライベートでバレンシアの最終戦を応援に出かけました。

数多くのレースやイベントのMCや実況、ラジオのパーソナリティを務めている佐藤さんですが、相手が子供だけにとても戸惑うことが多かったといいます。

「なんといってもまだ経験の浅いヤングたちですから。 悔しいレースをしたら涙も出ますし、アクシデントにあったら思いっきり動揺してしまいます。 と思ったら、レース後にみんなで鬼ごっこをして元気いっぱい遊んでいたり(笑) 。インタビューも、どんな質問をしたら答えやすいかと常に考えていました。 マスクをしているので声が小さくて聞き取りにくかったり、自然な笑顔を作るのも慣れていないので困ったことも。 なんて言ったらみんな笑うんだろうと子供たちに直接聞いてみたら、出てきた答えは『ウ◯コ』でした……。私には言えません(苦笑)」

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子供たちの戦う姿を最後まで見届けたいと、プライベートでファイナルレースが開催されるバレンシアサーキットに出かけた佐藤さん。池上選手のご両親と同じくらいのアツい気持ちで、現地で見守っていたそうだ。そんな愛情いっぱいの佐藤さんの公式Twitterはhttps://twitter.com/tontonkichi3

まるで保護者のような気持ちでスペイン・バレンシアに行った佐藤さん、単身、ファイナルレースに挑んだ池上選手がレース1で9位からごぼう抜きして優勝を飾ったのに感動して大喜びしていたら、現地のカメラマンに池上選手のお母さんと間違われたのか、画面いっぱいにズームアップされてしまったそうです。

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ほかのライダーよりも大柄な体格のため、マシン的には不利な状況にもにもかかわらず、レース1では後方からごぼう抜きの走りを見せて優勝を飾った池上選手。アッパレです!

「日本での全戦、そしてバレンシアのファイナルレースを見て感じたのは、日本でも世界に通用するライダーがちゃんと育つんだということでした。日本人選手の課題は笑顔と英語ですね」

さて、2023年シーズンは誰がシリーズ戦を制して、バレンシアサーキットでのファイナルレースに挑戦するのか。未来のMotoGPライダーの姿を、来年はぜひご自分の目で見てくださいね!



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