新製品ロッソクワトロ解説第二弾!
前回は概要編でしたが、ここからはさっそく具体的な技術仕様をみていきます。

DIABLO ROSSO™IV:採用技術とそのメリット

  • 革新的な構造と200hp以上の最新バイクのパワーをより適切にコントロールできるレース由来のプロファイルの組み合わせにより、ブレーキング時のトップグリップ、バイクを寝かせた時の優れた横方向への力、そして加速時のトラクションを実現します。
  • ライディングコントロール向上のため、正確かつ即座のフィードバックをすべてのライダーへ提供します。カーカスに適用されている革新的なテクノロジーによって、DIABLO ROSSO™IVはアスファルトの小さな凹凸にも最適に接地し、あらゆる状況下においてスムーズかつ正確なフィードバックを保証します。
  • ドライとウェットの両方の路上において、基準性能の両立を達成しています。これは両サイドおよびリアのキャップ&ベーススキームにおけるフルシリカコンパウンドの特性によって可能となりました。効率的な排水のために最適化されたトレッドパターンとともに機能します。
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※ピレリ社におけるスーパースポーツ分野でのポジショニング

DIABLO ROSSO™IVはスポーティなロードパフォーマンス高い燃費効率、そして優れたウェットパフォーマンスのバランスが取れた性能を持ったスーパースポーツ製品として、ピレリ社の高性能タイヤシリーズの一つとして位置づけられます。

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主にドライコンディションの舗装路で使用するように設計されたDIABLO™ Supercorsa SPと比較し、DIABLO ROSSO™IV燃費効率とウェット性能に力を入れており、卓越した路面性能を発揮します。またピレリ社のレーシングストリートポートフォリオに含まれる現行製品DIABLO ROSSO™Corsa IIと比較し、あらゆる一般道と状態の良い舗装路の両方で使用するように設計されたDIABLO ROSSO™IVは高い燃費効率と優れたウェットパフォーマンスを保証します。

①プロファイル

※プロファイルとは?

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ピレリは世界最速のWSBK(ワールドスーパーバイク:スーパーバイク世界選手権)において得たすべてのノウハウを活用し、そしてDIABLO™ Superbikeタイヤシリーズ用に開発されたテクノロジーをロードスーパースポーツ製品に適用しました。
したがって、DIABLO ROSSO™IVのプロファイルはレースから派生したものであり、タイヤのハンドリング性を向上させるマルチラジアスデザイン(違う曲率を複合的に組み合わせて繋げる手法)が特徴となっています。
センターエリアはよりシャープなプロファイルを備えており、素早いリーンと方向転換を可能にします。一方でサイドエリアでは接地面を増やし、コーナリング時の最大のトラクションを確保するために、プロファイルの曲率はあまり大きくしていません。

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↑Front
シャープなセンター = 素早いリーンとクイックな方向転換を可能に → 一貫して軽いハンドリング
ワイドに張り出したサイド = コーナリング時の確実なラインホールド性、フルバンク時のコーナリングフォースを受け止めるグリップ
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↑Rear
シャープなセンター = クイックでリアクティブな方向転換
最適化されたマルチラジアスミッドリーンレイアウト = 素早く安心感のあるティップイン
200/60扁平のようなショルダー部=より安定感のあるコーナリング時のラインホールド性

先代のDiablo Rosso™IIIと比較して、200/55 ZR 17リアタイヤのプロファイルは、中央部で約10mm高く、側面で約9mm広くなっています。同時に、ショルダー部の曲率が最適化され、コーナリング時のサポート性を向上させ、トラクションという観点で大きなメリットを発揮します。
フロントもリアタイヤと同様のセッティングが採用され、完璧なバランスとニュートラルな挙動を実現しています。

次回はコンパウンド編。乞うご期待!

鹿舞朗(でぃあぶろう)
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鹿舞朗(でぃあぶろう) でぃあぶろう
PIRELLIブランド広報担当の鹿舞朗(でぃあぶろう)です。ピレリは情熱的でアグレッシブなブランドです。「尖った性能を誰にでも使いやすく」という姿勢をメーカーの視点からだけではなく、一人のライダーとして発信していけたらと思っています。最近発見したのは港区役所のすぐ近くにペリー提督の像があることです。数少ない歴史の知識にあった名前なのでびっくりしました!