新製品ロッソクワトロ解説第三弾
革新的なテーラーメイド仕様の発想
リアタイヤにサイズによって異なる特性を
昨今におけるオートバイの現状において、大排気量のバイク（999 cc以上）では200馬力がスタンダードとなりつつあり、スーパースポーツバイクやハイパーネイキッドの中には215馬力を超える驚異的なパワーを持つバイクもあります。
一方でそこには、全高140cm以上、重量240kgで160馬力を持つスポーツクロスオーバーや、大排気量のバイクとほぼ同じ重量でありながらパワーは半分以下となっている600ccのスーパースポーツバイクとネイキッドバイクも存在しています。
DIABLOROSSO™IVはこれらすべてのクラスのバイクのスーパースポーツセグメントを基準として設定しています。そのためピレリは全てのライダーの要望を高いレベルで満たすべく、サイズ=つまりはバイクのタイプに基づいたリアタイヤの製品特性に違いを付けるという結論に至ったのです。
コンパウンド設計
フロントタイヤ
フロントタイヤは2つの異なるコンパウンドを３つのエリアで使い分け配置されています。
- 中央部は高いシリカ含有量と低Tg(ガラス転移点)によるハードコンパウンド(←※ウェット時の優れたグリップ力を発揮)を使用しており、幅面積の約50％を占めます。これはコーナリング時に偏摩耗する感覚を回避するため、最大35度のリーンアングルまでの接地エリアにおいて同じコンパウンドが使用されていることを意味します。
- サイドエリアは柔らかいコンパウンドを使用しており、シリカ含有量も多く、低温時でも優れたグリップ力を発揮します。
- 中央部ハードコンパウンドは高速安定性、均一摩耗、高い燃費効率を実現し、シリカ含有量の多さによって、ウェット路面での素早いウォームアップと優れたケミカルグリップも保証します。
- セントラルコンパウンドのサイドにあるミドルコンパウンドは柔らかく、中間のリーンアングルをカバーします。フルシリカであるため、ドライ路面とウェット路面の両方において優れたケミカルグリップを実現します。
- ショルダーコンパウンドは100％カーボンブラックであり、耐久レースで使用されるDIABLO™ Supercorsa SCのコンパウンドが活用されています。このコンパウンドは熱バランスを保証するキャップ＆ベーススキームによって、加速中のフルリーンとトラクションにおいて確実なサポート力を発揮し、
最新のスーパーバイクによって生み出されるトルクさえもコントロール します。 - Profile
- 鹿舞朗（でぃあぶろう） でぃあぶろう
サイズ毎に異なるリアタイヤ
リアタイヤは重量と排気量に応じた異なるバイクの特性を向上させるため、2つの異なるソリューションが開発されました。
低・中排気量バイク用の190 / 50ZR 17以下リアタイヤはバイコンパウンドが使用されており、キャップ＆ベース(中央部コンパウンドがサイドコンパウンドの下部に伸びている)スキームに従って配置されています。中央部のフルシリカハードコンパウンドは素早いウォームアップと高い燃費効率を保証、プロファイル全体に沿って最適な熱バランスを確保します。同じく多くのシリカを含有するサイドコンパウンドは柔らかく、レーシング製品としての素早いウォームアップとグリップ力を実現するためにDIABLO ROSSO IV専用で開発され、温度範囲が広くなっています。
190 / 55ZR 17以上のリアタイヤは3つの異なるコンパウンドを5つのエリアに使い分け配置されています。
