タイヤの断面形状のことをプロファイルと呼びます。

オートバイはコーナリングする時、車体を傾けそれに追従するように前輪が曲がる方向に切れることで向きが変わる「セルフステア」で曲がることはよく知られています。
この特性を引き出すうえで、タイヤのプロファイルは、ハンドリングのレスポンス速度車体がリーンして行く速さなどに影響を与えます。前輪がおむすび形状の断面(プロファイル)をしているのは、セルフステアで前輪に舵角がつかず違和感のないハンドリングを得るためです。また、後輪の扁平しているロープロファイルと呼ばれる形状も、路面の細かな傾斜に影響を受けず、高速走行時に安定した直進性を高めるためにも大きな役割を果たしています。

また、タイヤのキャラクターを外観から印象付けるプロファイルですが、タイヤの内部構造やトレッドコンパウンドの選定などがそうした特性を補完するため、見た目のプロファイルだけでタイヤの性格を決めつけるのは早計です。
様々な路面、様々な天候状況などを実際にテストレイダーが走り込んで作られタイヤは、峠のヘアピンカーブから高速道路の車線変更にいたるまで、しっかりとライディングを支えてくれるのはもちろん、一番大切な「乗っていて楽しい! 安心! 恐くない!」というファンな気分をしっかりと引き出してくれるのです。

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僅かなプロファイルの違いが、直進から旋回へ移行するハンドリングで安定感vs軽快感のように、フィーリングを大きく変える要素に繋がる。もちろん断面形状だけでなく、内側から支えるカーカスの強さや減衰特性も、ハンドリングへの貢献度が大きい。

ピレリのエンジェルGT等スポーツツーリングタイヤがツーリングカテゴリーのタイヤでも、旋回性、グリップ力に優れ、かつ耐摩耗性も高い、というカテゴリーを跨いだクロスーバー性を持つので、タイヤ選択に迷ったら是非専門店のアドバイスも参考にして下さい。