写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第11戦ドイツGP
7月11日~13日/ドイツ ザクセンリンク
Moto2クラスのリヤタイヤに新開発ミディアム投入
ピレリは、ドイツGPのMoto2クラスに、新たに開発したリヤタイヤ、D0922をアロケーションしました。ミディアムコンパウンドD0922は、安定性の向上、性能およびレースを通した一貫性の向上を目的としたものです。標準仕様のミディアムコンパウンド、SC1と比較すると、構造とコンパウンドが異なり、コンパウンドはより柔らかく、ソフトとミディアムの中間となっています。
今大会のMoto2決勝レースでは、全ライダーによってこのD0922が選択されました。
Moto2:佐々木歩夢がトップ10フィニッシュ果たす
Moto2クラスに参戦する佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は、13番手から決勝レースをスタートしました。レース中盤には14番手、その後、11番手にポジションアップします。レースは、21周目、1コーナーで発生したクラッシュにより赤旗が提示され、全周回数25周の3分の2を完了していたことから、そのまま終了となりました。
佐々木は9位でレースを終えています。参戦2年目のMoto2クラスにおける初めてのトップ10フィニッシュで、自己ベストリザルトとなりました。
「ここ何戦か少しずつよくなってきたのがシングルフィニッシュという結果に表れてくれました。トップ10に入ることができ、自分のなかではすごく自信につながりました。ほぼトップと変わらないペースで走れていたと思うし、夏休み前にもう1戦あるので、チェコもトップ10で終われるように頑張ります」(MotoGP.comインタビューより)
國井勇輝(イデミツ・ホンダ・チームアジア)は、19番手からスタートして19位でした。ドイツGPは金曜日と日曜日がドライコンディションで、土曜日がウエットコンディションとなりました。國井は金曜日にはいいフィーリングを得て走り出したものの、日曜日はコンディションが変化したことで、その感覚がなくなってしまったのです。
「なんとか前についていこうとレース前半にタイヤを使いすぎてしまい、中盤から後半にかけてずるずると下がってしまいました」と、MotoGP.comに語っていた國井ですが、「ただ、金曜日はいいスタートを切れたので、次戦ブルノでは今回のように金曜日を走り出して、ペースをしっかりつくって、まだある課題をしっかりクリアしていきたいです」と次戦に向けて意気込んでいました。
今大会には羽田大河がマリオ・アジの代役としてイデミツ・ホンダ・チームアジアが参戦しました。羽田は26番手スタートで、21位でした。
「久しぶりのMoto2のレースで、思ったよりも集団についていけました。ただ、レース中盤になると、ピレリタイヤは初経験だったので、思った以上にタイヤがドロップしました。ミスをしてグループから離されてしまいました」(MotoGP.comインタビューより)
羽田は、次戦チェコGPにも代役参戦する予定です。
Moto3:山中琉聖、トップを走るもオーバーランで後退
Moto3クラスでは、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)と古里太陽(ホンダ・チームアジア)が表彰台争いを展開しました。山中はレース中盤にレースをリードしましたが、残り4周、1コーナーのブレーキングで止まり切れずにオーバーランを喫し、大きく後退して、15位でゴールしました。
「序盤からすごく攻めてグループをリードできたのはよかったのですが、レース終盤、(1コーナーで)インに入ったとき思った以上にリヤが流れてしまって、前に3台いたので行き場所もなく、アウトにはらんでしまいました。レース自体はよかったのでもったいないレースをしてしまいましたが、次はレース後半をクリアできるよう頑張ります」(MotoGP.comインタビューより)
古里は最終ラップまで表彰台圏内で接戦を演じましたが、12コーナーでスリップダウンを喫してリタイアでした。
「最後の何周か、リードしようと思って最後に向けてタイヤを温存していました。でも前に出られなくて。最後、頑張ろうと勝ちにいったんですが……。チームにも申し訳ないし、本当に悔しいです」
連戦となる第12戦チェコGPは、7月18日から20日にかけて、チェコのアウトモトドローム・ブルノで行われます。
