写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第10戦オランダGP
6月27日~29日/オランダ TT・サーキット・アッセン
Moto2クラスのリヤタイヤに開発仕様ソフトE0125を投入
ピレリは、オランダGPのMoto2クラスのリヤタイヤに、ソフトコンパウンドE0125をアロケーションしました。E0125はイギリスGPを皮切りに、アラゴンGPでも投入された開発仕様です。スタンダードのソフトSC0とあわせ、Moto2クラスのリヤタイヤは2種類のソフトコンパウンドからの選択となりました。
E0125はスタンダードのソフトと同じトレッドコンパウンドを使用しつつ、異なる構造を組み合わせた進化版です。安定性をさらに高め、レース全体を通じてより一貫したパフォーマンスを発揮することを目的としています。
オランダGPの決勝レースでは、全ライダーがこのE0125を選択しました。
Moto3:赤旗終了のレース。山中琉聖は11位
Moto3クラスの決勝レースは、残り2周の17コーナーで古里太陽(ホンダ・チームアジア)を含む3名のライダーが絡むクラッシュが発生しました。このアクシデントにより、トップ集団が最終ラップのフィニッシュラインに差し掛かったあたりで赤旗が提示され、レース終了という形になりました。
山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)は、5番手からスタートして、表彰台圏内で周回を重ねました。レース中盤、一時はトップに立って集団の先頭を走ります。しかしその後ポジションを落とし、結果は11位でした。
「レース序盤から中盤にかけて予定通りだったのですが、トップに立ったときにフロントが切れ込んで順位を落としてしまい、そこから順位を上げていくのに苦戦しました。後半すごく難しいレースでした」と、山中はMotoGP.comのインタビューで語りました。
古里太陽(ホンダ・チームアジア)も4番手からのスタートで、表彰台を狙える位置にいました。しかし、前述の通り、残り2周のクラッシュによってリタイアに終わりました。古里の前を走っていたライダーが転倒し、避けきれずにクラッシュしたのです。古里はメディカルセンターで診察を受け、大きなけがはありませんでした。好調のレースウイークだっただけに、悔しい結果となりました。
Moto2:佐々木歩夢、今季初のポイント獲得を果たす
Moto2クラスの佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)は、15位でゴールし、今季初のポイント獲得を果たしました。ただ、佐々木としては12位付近をターゲットとしており、「思ったよりもペースがよくなかった」と、MotoGP.comのインタビューで厳しい表情でレースを振り返っています。
「最終的に15位でポイントを獲得することはできましたが、内容としては納得のいくレースではありませんでした。改善点はたくさんあるので、次に向けて改善していけたらなと思います」
國井勇輝(イデミツ・ホンダ・チームアジア)は、レース序盤に後退したため、挽回しようと攻め続けました。そんな中、14周目に転倒を喫し、リタイアとなりました。國井にとって、今季初の転倒リタイアでした。
「ギャップを詰めようと攻めていて、『もっとプッシュできる』と走っていたところ、転倒してしまいました。転倒に関してはすごく残念だし、チームにも申し訳ないです。ただ、自分にとって難しいアッセンでポジティブなところもありました。次戦のザクセンリンクは自分にとっていい思い出もありますし、もう少し攻められると思うので、さらに頑張ります」(MotoGP.comのインタビューより)
MotoGP第11戦ドイツGPは、7月11日から13日にかけてドイツのザクセンリンクで行われます。