仕事に、そしてプライベートにバイクを乗り倒していることを自他ともに認め、そしてメッツラータイヤを愛用している業界著名ライダーに、メッツラータイヤについて熱く語っていただく「メッツラー・ラバーズ」。

第8回目は、H-Dカスタムの大御所にして、常に新しい物、形に挑戦し続けている「テイスト・コンセプト・モーターサイクル(以下テイスト)」代表の河内山 智(こうちやま・あきら)さん。バイクのカスタムにおいて、大概のものは作れてしまうが唯一作れないのがタイヤだという河内山さんは、そのタイヤもカスタムの重要な要素で、タイヤの持つ表情が大事なのだと言う。カスタムバイクを作り上げる重要なパーツのひとつとしてタイヤをとらえる河内山さんがチョイスするのはメッツラーなのだ。

どれを選んでも安心感があるのがメッツラーのよさ

H-Dカスタムの世界をよく知らない方も、バイク好きであれば90年代の初めにタレントで映画監督の北野武さんが「北野内燃機」というメーカー名でバイクを製作したことを覚えているかもしれません。
ホンダ・CB50をベースとした(使っているのはエンジンくらい)オリジナルバイク「TONO-1」、「TONO-2」を北野さんの依頼で製作したのが誰あろう、河内山さん。

気になった方は、ネットの画像検索で探してみると赤いTONO-1と黄色いTONO-2の画像がすぐに見つかるはず。どちらも1900年代初めのアメリカンン・ボードトラックレーサーをリスペクトしたモデルで、いまもテイストの片隅にしまわれているとか……。
その後、河内山さんはヴィンテージハーレー専門ショップの「パラダイスロード」をプロデュースし、そして94年に現在のショップであるテイストを立ち上げました。

「メッツラータイヤとの出合いは、中古のH-Dがたぶんパーフェクト(筆者注・PERFECT ME 77™)というタイヤを履いていて、時代的に単車(バイク)に乗っている人はタイヤは山さえあればOKだと思う人が多く、風邪をひいている(筆者注・硬化したり、ひび割れした状態)ケースがほとんど。でも、その中古H-Dのメッツラーは、雨天時のコーナーでさえしっかりとグリップしていて、とても安心感があったことを鮮明に覚えています」

それが河内山さんのメッツラータイヤに対する第一印象で、賞味期限の長いタイヤなんだと感じたそうです。

そして、メッツラータイヤのパフォーマンスの高さとバランスの良さが気に入った河内山さんは、自分が作るカスタムバイクにメッツラーを使うようになりました。

「金属製法・加工等、技術があればある程度のものは製作可能だと思いますが、高性能なタイヤだけは唯一、製作が不可能。そして、タイヤの表情(筆者注・トレッドパターン)もカスタムの大事な要素で、ひとつの材料としてバイクを彩ってくれるものですから、どれを選んでも性能がしっかり担保されていて、安心して使えるタイヤがいいんです。メッツラーは機能的に十分なので、表情でチョイスしてもまったく問題ありませんね」

常に表現者でいたい、味わい深い物作りを続けていきたいと思う河内山さんは、カスタムを彩る要素としてタイヤの選択にもこだわり、バイクに合ったデザインでどれを選んでも間違いのない性能を持つメッツラーを選んでいるのだと言います。

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味わい深い物作りを続けたいという河内山さんのショップの中はには、まるでおもちゃ箱のようなこんなスペースがある。

どこをとってもメーカーのプライドにあふれているタイヤ

「メーカーが本気で作ってくるタイヤの性能を超えられるライダーはいないと思うんです。だから、作るバイクに合わせてメッツラーのモデルをチョイスしています」

かなりの腕前を持つ小柄な女性(身長152㎝)が安心して走れるように製作した、Buell・XB12Sベースのカスタムには、SPORTEC™ M9 RRをチョイス。

「普段から1969年の KAWASAKI・ H1チューン・マッハIII を駆る女性ゆえ テイスト流のマシンを作り上げました。SPORTEC™ M9 RRの表情はもちろん、彼女曰く『攻めていても、路面をやさしくつかんでいる感じで、常に安心感がありますね』と話してくれました」

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手前が小柄な女性のために製作したBuell・XB12ベースのカスタムバイク。表情と性能の両面を満たすSPORTEC™ M9 RRが装着されている

タイヤはいいモノを表現することもできるし、逆に悪いモノを良くすることもできると河内山さん。

「メーカーがプライドを賭けて作っている感じがします。だから、カスタムの依頼者がこれカッコいい、これ好きとフィーリングで選んでも間違いないのがメッツラーだと思っています」

今回の取材のために作り上げてくださったH-D・V-RODベースのカスタムに装着されていたのはROADTEC™ 01。ドラッグレーサーイメージのV-RODにピッタリはまっていました。

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ROADTEC™ 01

H-Dカスタムというと超極太タイヤを装着したバイクをイメージしがちですが、河内山さんはそういうタイヤは決して使わないそうです。

「常に等身大のクリエイトがいいですね。まれにパーツ等も、2階のパーツ・ストックにあれば再加工して使ったり、ひとつの材料として活かす場合もあって、新品やオーバースペック物に頼らず、必要にして十分な『賄い飯』的なのも面白いんです。すべては『匙加減』、つまりテイストですから(笑)」

最後に、メッツラーはどのモデルもハズレがないから、どんどん使って欲しいと締めてくださいました。

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<河内山さんプロフィール>
1958年生まれ、山口県下関市出身。20歳くらいのときに音楽で飯を食おうと1本のギターを抱えて上京したが、日比谷の野音(日比谷公園大音楽堂)でそのギターを盗まれ、強制的にゼロスタートに追い込まれる。そして、出入りしていた喫茶店で知り合った学生と遊び麻雀で勝ち、イメージ的に3000円くらいの負けの代わりにスクラップ寸前のヤマハ・RD50をもらい、エンジン始動を含め、1週間でカフェレーサー(⁉)に仕上げ、単車の魅力が自身の中で蘇り、バイク=カスタムで勝負することを決意。のちに、モーターサイクルズ・デンの佐藤由紀夫さんと出会い、「表現者」としてH-Dにかかわることになる。そして、1980年代初頭のバックヤードビルダーから1990年の北野内燃機を経て、94年に「テイスト・コンセプト・モーターサイクル」を設立。以来、単なるカスタム・プロダクツではなく、「コンセプト」を重視した物つくりを行っている。

<SHOP DATA>
●TASTE CONCEPT MOTORCYCLE
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営業時間:11:00~19:00
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