写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第5戦スペインGP
4月25日~27日/スペイン ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト
Moto2のリヤタイヤにスーパーソフトSCXを投入
スペインGPは、ヨーロッパラウンドの始まりとなるレースです。開催地であるヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトは、走り慣れているスペイン人ライダーが強い傾向にあります。
ピレリは、Moto2クラスのリヤタイヤに、新たにスーパーソフトであるSCXがアロケーションされました。SCXは2019年にスーパーバイク世界選手権(WSBK)でデビューし、Moto2クラスでは2025年2月のテストで初めて使用されました。このSCXは、今大会の決勝レースで1人を除く全ライダーが使用しました。
また、開発仕様のD0640がスタンダードのソフトタイヤSC0として採用されました。
Moto3:山中が5位、古里が6位。それぞれのヘレス
Moto3クラスでは、予選Q2で、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)が6番手、古里太陽(ホンダ・チームアジア)が9番手を獲得しました。さらに、予選後に3番手を獲得したライダーがペナルティを受けたことで、山中は5番手、古里は8番手からのスタートとなりました。
決勝レースでは、トップ3のライダーが抜け出す展開になります。山中と古里は、4番手を先頭とする第2グループでポジションを争い、山中は5位、古里は6位でゴールしました。
Moto3クラスの決勝レースではタイヤ選択が分かれましたが、半数以上のライダーがフロント、リアともにミディアムでした。山中も前後ミディアムを選んだライダーの1人でした。
「SC1(ソフト)だときついかなと思ってSC2(ミディアム)をチョイスしたのですが、やはりグループのラップタイムが1分44秒台前半に入ったとき、けっこう厳しかったです。なので、なるべくペースを維持することを意識しました。ペースが少し足りなかったですね。今回は悔しいレースになりました」(MotoGP.comのインタビューより)
古里は、苦手なヘレスをポイント圏内で終えられたことを、前向きにとらえています。古里にとって、この週末はいい意味でのサプライズだったそうです。
「こういう苦手なサーキットを6位で終えられたことは、すごく自信になりました。今後、得意なサーキットではもっといい結果を求めていけるということだと思うので、すごくいいウイークだったと思います」(MotoGP.comのインタビューより)
Moto2:國井勇輝がポイント獲得に迫る16位
Moto2クラスの決勝レースでは、國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)が22番手からスタートし、ポイント獲得圏内の15位まであと一歩に迫る16位でゴールしました。今季、Moto2ルーキーの國井は初戦から苦しい戦いを続けていましたが、今大会で前進を見せました。
「全体的に、バイクのセッティングもライディングも、ひとつ成長できたのかなと思える週にはなりました。チームのハードワークにはすごく感謝しています。ボクとしても走りに少し自信がつきました」(MotoGP.comのインタビューより)
一方、佐々木歩夢(RW – インドロフォーリア・レーシングGP)は、Q2での転倒が大きく響きました。アタック1周目に転倒したことで計測タイムなしとなり、最後尾からのスタートとなったのです。決勝レースでも12周目に転倒し、リタイアに終わりました。
「レース自体はそんなに悪くなく、ペースもいい感じで19番手まで上がっていましたが、前のライダーの抜きどころを迷っているときにフロントから転んでしまいました。ちょっとしたミスでの転倒だったので、本当に悔しいです。ただ、フィーリングは今季いちばんよかったと思いますし、手に力を入れずに走れるようになってきているので、確実に方向はよくなってきています」(MotoGP.comのインタビューより)
MotoGP第6戦フランスGPは、フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで5月9日から11日にかけて行われます。