写真:楠堂亜紀

【2025年全日本モトクロス選手権 Rd.1 HSR九州大会】

・開催場所:HSR九州(熊本県)
・開催日:2025年4月13日(日)
・天候:晴れ時々曇り
・最高気温:14℃
・コースコンディション:マディ to ドライ

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2025年の全日本モトクロス選手権シリーズが、4月13日(日)に熊本県のHSR九州で開幕しました。ピレリは今季、ワールドスペックとなる新製品のSCORPION™ MX32™ MID SOFTを導入。「Yogibo pirelli マウンテンライダーズ」から参戦する、IA1クラスの内田篤基選手(#10)、IA2クラスの松木悠選手(#34)と今岡駿太選手(#35)、レディースクラスの松木紗子選手(#10)、IBオープンクラスの島袋樹巳選手(#2)に、マディやサンドに最適なSCORPION MX Softのリヤタイヤとともに供給します。

また、「BLU CRU YSP大阪箕面」からレディースクラスに参戦する川上真花選手(#3)のサポート契約も継続しますが、川上選手はケガによりシーズン前半を欠場します。

開幕戦の舞台となったHSR九州のモトクロスコースは、阿蘇噴火に由来する黒土がベースで、山砂を搬入しながら整備が繰り返されてきたダイナミックなコース。今大会は日曜日のみのワンデー開催で、土曜日の夜からの雨でコースはマディコンディションとなりましたが、日曜日の朝に雨が止むと路面も急激に回復し、最後はほぼドライコンディションとなりました。

IA1クラス

今大会のIA1クラスは、予選が15分間のタイムアタック方式、決勝は30分+1周の2ヒートで競われました。内田篤基選手(#10)は、予選を10位でクリア。決勝ヒート1ではスタート直後に2番手の好位置を確保すると、2周目にジェイ・ウィルソン選手の先行を許したものの、その後は大倉由揮選手と僅差の3番手争いを繰り広げました。

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3周目に大倉選手が転倒により後退し、同じ周に横山遥希選手をパスした内田選手は2番手浮上。6周目に先行したジュゼッペ・トロペペ選手は、レース後半にマシントラブルでリタイアし、内田選手は、横山選手を抑えて周回を重ねました。そして15周でチェッカーとなったレースで、内田選手は2位を獲得。日本人勢の最上位となりました。

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決勝ヒート2でも、内田選手はピレリの強い推進力を活かして好スタートを決め、1周目4番手とまずまずのポジションに。レース序盤は3番手の大城魁之輔選手を追うも、3周目までに3秒ほど離されてしまいました。しかし翌周以降は、再び1~2秒差の距離に。ここから、内田選手が大城選手をマークする膠着状態が、レース後半まで続きました。

3番手争いに動きがあったのは11周目。ここで内田選手が大城選手との距離を一気に詰めると、翌周にはパッシングに成功しました。そして最後は完全に大城選手を振り切った内田選手が、16周でチェッカーとなったレースで3位に入賞。両ヒート総合成績では、2位と同ポイントの3位となり、シーズン初戦で確実にリザルトを残しました。

IA2クラス

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IA2クラスも、今大会の予選は15分間のタイムアタック方式で、決勝は30分+1周の2ヒート制。予選は松木悠選手(#34)が19位、今岡駿太選手(#35)が22位でした。決勝ヒート1では、両者ともに大きく出遅れたものの、レース前半に今岡選手が12番手まで追い上げました。そして今岡選手が12番手、松木選手が19番手でゴール。ところがフラッグ規制に対する違反により2順位降格となり、今岡選手が14位、松木選手が21位となりました。

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決勝ヒート2では、再び松木選手と今岡選手ともにスタートで集団に飲み込まれ、20番手前後からのレース。2周目の段階で松木選手が17番手、今岡選手が20番手となっていました。それでも順調に追い上げると、6周目には両者が順位を入れ替え、今岡選手が15番手、松木選手が16番手となりました。そして今岡選手は13位でゴール。松木選手はラスト2周で4つポジションダウンし、不本意な19位でシーズン初戦を終えました。

レディースクラス

レディースクラスは、各戦で決勝を1レースずつ実施。今大会は、予選が15分間のタイムアタック方式、決勝は15分+1周に設定されました。松木紗子選手(#10)は決勝で好スタートを決め、4番手からレースを展開。1周目に1台の先行を許し、3周目以降に離されたものの、5番手をキープし続けました。レース終盤、松木選手は大久保梨子選手に迫られましたが、最後は僅差で抑え、5位でチェッカーを受けています。

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IBオープンクラス

タイムアタック予選を組別トップ、総合2位で通過した島袋樹巳選手(#2)は、決勝ヒート1のスタートで大きく出遅れてしまい、20番手あたりからのレース。しぶとく追い上げを続け、レース中盤には3番手が見える7番手を走っていましたが、ここで転倒を喫して9位に終わりました。

決勝ヒート2でも、島袋選手はスタートが決まらず、オープニングラップを10番手でクリア。ここから激しく追い上げ7周目には2番手に浮上すると、トップに迫りました。ところがラスト2周となった9周目に転倒。順位後退は免れたものの大きくタイムロスしてしまい、島袋選手は2位となりました。




IA1・内田篤基選手のコメント

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「海外レースの経験が豊富なライダーの参戦により、毎年のようにIA1のレベルが上がっていく中で、昨年はかなり苦戦しました。もちろん今年はそうならないよう、シーズンオフの準備はしっかりやってきましたが、それが開幕戦でいいリザルトにつながり、正直なところホッとしました。決勝は、両ヒートともMX32 MID SOFTを前後に装着。ヒート1の段階でも、すでに泥の下からカタい路面がだいぶ露出してきていたし、MX32 MID SOFTのリヤタイヤは、ボクらが“ゲタ”なんて言っているマッド・サンド用に少し似たブロックパターンなので、柔らかい路面でも意外と走れるんです。しかも、カタい路面でもかなりグリップするので、今日のようにコンディションの変化が大きい路面への対応力に優れていると感じています。全日本のレースコンディションにおけるタイヤのデータを、まずは少し取得できたことも、今後のレースにつながると思います」

IA2・松木悠選手のコメント

「開幕前にイメージしていたような走りはできませんでした。マディからドライに変化するコースに苦戦した、ということがすべてだと思います。予選と決勝ヒート1はリヤにMX Softを履き、チームメイトともタイヤ選択は違ったのですが、結果的にはMX32 MID SOFTが正解だったかも。カバー範囲が広いMX32に頼るべきでしたが、これもいい勉強です」

IA2・今岡駿太選手のコメント

「大会前に掲げていた目標からすると、今回のリザルトは3つくらい低いのですが、昨年と比べたら成長できている部分もあったし、逆に今後の課題も見つかったので、次戦に気持ちを向けていきたいと思います。ピレリを使用することになってからの期間はまだ短いですが、タイヤにまるで違和感がなく、あっという間に慣れるというのも魅力だと思います」

レディース・紗子選手のコメント

「決勝もリヤはMX Softを使用。1コーナー付近が砂混じりの路面なので、スタートダッシュを狙っての選択でしたが、実際に昨年までにはなかったような好スタートが決まりました。スタート直後に4番手、2スト勢でトップというのは、タイヤのおかげも大きいと思います。腕上がりでちょっと不本意な走りでしたが、次はリザルトにもつなげたいです」

IBオープン・島袋樹巳選手のコメント

「せっかく予選の順位が良かったのに、決勝は両ヒートともスタートで出遅れてしまいました。それでもヒート2は、トップの選手までたどり着けたのに、ここで転倒。焦らずいこうと思っていたのですが……。決勝は両ヒートともMX32 MID SOFT。かなり柔らかい路面でも掻いてくれるし、カタいところもグリップするので、不安なく追い上げていけました」

小橋雅也監督のコメント

「ピレリタイヤの初戦で、どのような結果になるか不安もあったのですが、IA1の内田篤基が両ヒートを表彰台でまとめてくれて、タイヤポテンシャルの高さも証明してくれたので、まずは少し安心しました。レディースクラスの松木紗子も好スタートでしたし、IBオープンの島袋樹巳はもったいないレースを落としたとはいえ、次につながる内容でもあったと思います。引き続き、チーム一丸となってシーズンを戦っていきます!」




『Yogibo pirelli マウンテンライダーズ』公式HP
https://www.mountainriders.jp/

ピレリ - 『New SCORPION™ MX32™ MID SOFT』
https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/motorcycle/catalog/product/scorpion-mx-32-mid-soft-new