写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

MotoGP第14戦エミリア・ロマーニャGP
9月20日~22日/イタリア ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ

Moto2:小椋藍「悔しい」4位。しかしチャンピオンシップのポイント差は拡大

第14戦エミリア・ロマーニャGPは、2週間前に開催されたサンマリノGPと同じ会場である、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。小椋藍(MTヘルメット – MSI)は前戦サンマリノGPで今季3勝目を挙げ、Moto2クラスのチャンピオンシップでランキングトップに浮上して、エミリア・ロマーニャGPを迎えました。

エミリア・ロマーニャGPの週は天候がよくなく、木曜日には激しい雨が降り、その影響で、金曜日の午前中はまだ路面に濡れた部分が残る状況でした。ただ、金曜日以降は天候が崩れることはなく、ドライコンディションでセッションが進みました。

小椋はこうした状況の中、アタックラップに苦戦します。予選Q2では、7番手。決勝レースを3列目から迎えました。

決勝レースで最高のスタートを切って4番手に浮上した小椋は、チェレスティーノ・ヴィエッティ(レッドブルKTMアジョ)、アロン・カネト(ファンティック・レーシング)、トニー・アルボリーノ(エルフ・マークVDSレーシングチーム)に続いていました。しかし、その3人のトップ争いに加わることができず、4位でゴールしています。

「前回のサンマリノGPで一緒に走っていた3人に、今回は僕が遅れをとる形になりました。レースとしてはすごく悔しいです」と、小椋はMotoGP.comのインタビューで語っています。

ただ、一方で「また違う考え方をすれば、今日できることはできたと思います」とも。チャンピオンシップを考えれば、4位でゴールすることも大事となるレースがあります。その意味で、小椋はなすべき仕事を果たした、と言えるでしょう。

チャンピオンを争うライバルであり、チームメイトでもあるセルジオ・ガルシア(MTヘルメット – MSI)は、転倒、リタイアで終えました。この結果、小椋はガルシアとの差を22ポイントに拡大しています。

Moto2クラスのルーキー、佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、チャタリングに苦しんだ週末となりました。チャタリングは、サンマリノGPの決勝レースでも発生していました。

「本当に苦しいレースでした。(いい時もあれば)悪い時もあります。日本GPも近づいていますし、いい結果を出せるようにインドネシアGPも頑張っていければと思います」(MotoGP.comのインタビューより)

Moto3:古里太陽、初ポール獲得。決勝は無念の13位

古里太陽(ホンダ・チームアジア)はMoto3クラスで自身初のポールポジションを獲得しました。しかし、決勝レースではレース中盤にポジションを落とします。このようなレースウイークで、いつもの古里ならすぐに追い上げて表彰台圏内に浮上するのですが、今回は10番手付近に沈んだまま、13位でゴールしたのです。

レース後、古里がMotoGP.comのインタビューに語っていたところによると、タイヤになんらかの症状が発生していたと考えているようです。

「僕の感じとしては、最初から少しタイヤがおかしいのかな、と思っていました。その中でベストを尽くしましたが、いい形できていたウイークを、こういう形で終わってしまうのは少し残念です」

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古里にとって、ロードレース世界選手権での初ポールポジション獲得となった
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初ポールに「すごくうれしい」と語っていた古里。当然、優勝が期待されていたが……
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決勝レース、古里(#72)は予期せぬ形で後退することに

決勝レースを11位で終えた鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は、予選でのミスが響きました。Q2のタイムアタックでミスをしてしまい、後半のアタックはイエローフラッグでラップタイムが取り消しになり、17番手からのスタートだったのです。ただ、そこからトップ10間近までポジションを上げてゴールしました。

「レース序盤、いい感じで順位を上げていってトップグループまで追いつくかなと思ったんですが、中盤にほかのライダーとバトルをしてしまい、そこでタイヤを使ってラップタイムも落としてしまいました。残念です」(MotoGP.comのインタビューより)

15番手からスタートした山中琉聖(MTヘルメット – MSI)は、15位でフィニッシュしました。

「スタート後、前のシチュエーションに合わせられず、ミスも多くてオーバーランをしてしまったりして、大きく後退してしまいました。ここ数戦、悪いレースが続いているので、何かを変えないといけない。しっかり反省して行きたいと思います」(MotoGP.comのインタビューより)

次戦、第15戦インドネシアGPは、9月27日から29日にかけて、インドネシアのプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキットで行われます。そして、インドネシアGPの翌週、ついに日本GP(10月4日~6日/栃木県・モビリティリゾートもてぎ)を迎えます。