以前、このサイトでご紹介したように、毎年春(5月)と秋(11月)に筑波サーキットで開催されるイベントレースの「テイスト・オブ・ツクバ(以下T.O.T)」では、約7割の参加者がピレリタイヤを装着しています。

まさに圧倒的と言える装着率で、この高い支持にお応えしたい、何か恩返しができないかという思いからピレリジャパンが企画したのが、T.O.Tが開催されるウイークの木曜日に筑波サーキットを終日貸切って、T.O.T参加ライダーの練習走行やマシンのセッティングに利用して欲しいということでした。

なぜ木曜日に貸切を行ったかというと、通常、T.O.Tウイークの水曜日、筑波サーキットではスポーツ走行枠が用意されていて、T.O.T参加ライダーの多くはこの枠を使って練習走行やセッティングを行っています。

そして1日おいた金曜日がT.O.Tの練習走行日となっていて、土曜、日曜はT.O.Tの予選と決勝が行われます。

関東近郊のライダーなら、水曜日のスポーツ走行枠を走り、1日空いた金曜日以降にまた筑波サーキットに来るのも特に苦にならないでしょうけれど、関西など遠方から参加するライダーとチームにとっては、この空いてしまう1日がとても無駄。そのため、水曜日のスポーツ走行参加を断念して、金曜日の練習走行から参加せざるを得ないということも起きてしまっていました。

この「空白の1日」を有効利用しようと、今回、ピレリジャパンは筑波サーキットを貸切りにして、特別スポーツ走行枠をご用意したのです。

理由はもうひとつあって、この空白の1日に四輪のスポーツ走行などが入ってしまうと、タイヤのラバーが張り付いてしまったりして路面が荒れてしまうこともあり、そうすると金曜日はコンディションの悪い路面でT.O.T参加ライダーとマシンが走らなければいけません。場合によっては、いつもと違うラインで走ることを強いられることも。

この木曜日の貸切は、せっかく長い時間をかけて仕上げてきたライダーとマシンに、良好なコンディションで走ってもらいたいというピレリジャパンからのT.O.T参戦ライダー&マシンに対するビッグなプレゼントなのです。

関西勢にはとてもありがたいプレゼント!

開催当日は、午前中はT.O.T参加ライダーのための特別スポーツ走行枠で、T.O.Tのクラス分けに準じて3つのクラスを設定。走行スピードや走行ラインが似ているマシンが一緒に走れるような配慮も行われました。

今回、この貸切走行に参加したチームとライダーに話を聞いてみました。

T.O.Tの最高峰クラスである「ハーキュリーズ/スーパーモンスターEvo」クラスの表彰台の常連である、大阪の「カスタムファクトリー・刀鍛冶」は前日の夜10時半に大阪を出発して筑波サーキットにやってきました。

「木曜日に走れるのはメチャクチャありがたいです。大阪から筑波は簡単には来られませんからね。だからT.O.Tが近づくと、みんなで筑波に合宿に行こうなんて冗談話をするんですけど、実現は難しい。昨年秋のT.O.Tでカタナのリヤ周りにクラックが入ってしまって、今回は完全にモディファイしているんで、そのセッティングを確かめられてとてもありがたいです」

カスタムファクトリー・刀鍛冶代表の石井さんは、走行後の午後にカタナを全バラにして整備するので、午後もピットで整備ができる終日貸切が非常にありがたいとのことでした。

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前日の夜に大阪を出発して筑波入りしたカスタムファクトリ―・刀鍛冶の石井さん。カタナのリヤ周りをモディファイしたばかりなので、今回の走行枠はとてもありがたいとのことだった。

また、代表自らゼファー750で「ZERO-1」クラスにエントリーしている「Bagus! モーターサイクル」の土屋さんもこの貸切走行に参加してくれました。

「店のある神奈川から筑波は遠くはないんですけど、普段は仕事があるのでなかなか走りに来ることができません。こうやって走行枠を用意してもらえると、とてもありがたいですね。T.O.Tウイークの木曜日というのもうれしいです」

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仕事の関係でなかなか筑波に走りに来ることができないというBagus! モーターサイクルの土屋さん。速い人に引っ張ってもらおうと思ってきました、とのことでした。

今回は、告知期間が短かったこともあって参加者は少なめでしたが、ピレリジャパンのスタッフは参加したライダーやチームから多くの感謝の言葉をいただきました。

中には、今回の走行枠のことを知らず、たまたま筑波サーキットを訪れてピレリのテントを見つけ、走行枠が用意されていたことを初めて知って非常に残念がっていた関西のT.O.T参加ライダーもいらっしゃいました。

この方のように、今回は走行枠が用意されていることをご存じなかった方もいらっしゃったと思いますが、この貸切走行は、T.O.T KAGURADUKIウイークの11月2日木曜日にも開催します!

次回はぜひご参加くださいね。

午後はTRACK RIDE EXPERIENCEを開催!

午前のT.O.T参加ライダー向けの特別スポーツ走行に引き続き、午後からは一般ライダーが対象の「TC2000 TRACK RIDE EXPERIENCE」を開催。

こちらはより多くの人にサーキット走行を楽しんでもらいたいという趣旨のイベントで、本来はいくつかのショップに走行枠を貸切ってもらって、同じショップのお客さま同士でサーキット走行を楽しんでもらおうというものでしたが、午前中の特別スポーツ走行と同様、告知期間が短かったこともあってショップ枠を作ることができず、その代わりにバイクのメーカー別に走行枠を設定。エンジン特性が似たバイク同士で安心して走れるようにしました。

10人のお客さまと一緒に参加した「モトコルセ」代表の近藤さんは、「知ったもの同士で楽しむというのがいいですね。走った後も楽しめますから。また、あまり走行する機会がない筑波サーキットというところもとてもいいと思います。全日本選手権も行われるサーキットですから、オフィシャル感というか、緊張感が少し感じられるのもいいですし、筑波の面白さを知ってもらえてよかったと思います」と語ってくださいました。

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ショップの顔なじみで一緒に走れるというのはとてもいいと思うと近藤さん。筑波サーキットという場所も、特別感があって非常に嬉しいとのことだった。

このTC2000 TRACK RIDE EXPERIENCEも、11月2日の午後に開催予定。次回は、行きつけのショップの友人たちとぜひご参加ください!