5月9日・10日、熊本県・御所オートランドで全日本エンデューロ選手権の2026シーズンが幕を開けました。同会場での全日本開催は4年ぶり。クロステスト4.3km、エンデューロテスト1.5km、移動ルート7.7kmのレイアウトで、晴天に恵まれたドライコンディションのもと2日間にわたる戦いが繰り広げられました。黒土でやや滑りやすさを残す路面を舞台に、メッツラー6 Days Extremeを選んだライダーたちがクラスをまたいで存在感を示した開幕戦となりました。
IAクラス|馬場亮太選手がDAY1・DAY2を完全制覇。CT全区間最速、最終ETで2分31秒99の驚異的タイム
IAクラスは馬場亮太選手が2日間を通じて圧倒的な強さで制しました。DAY1はクロステスト(CT)6本すべてで区間最速を記録し、最終エンデューロテスト(ET)の6本目で2分31秒99という前周から6秒以上短縮する驚異のタイムをマーク。総合タイム48分44秒46で2位に約2分の差をつける完勝でした。DAY2はCT4周目に転倒を喫しながらも、その後のペースを冷静にコントロールして逃げ切り、2日間合計でも首位を守りました。太田幸仁選手は総合5位、田中教世選手は総合6位、堀越秀鷹選手はDAY1で4位につけたものの、DAY2で負傷しリタイアという残念な結果に終わりました。
「CTはまあまあ気合入れて、コースもちゃんと覚えて入りました。最後のETでとんでもない数字が出たって言われたんですけど、それまで何やってもタイムが変わらなくて、最終の前に1秒早いって聞いて、ちょっとメリハリつけて攻めてみたんです。そしたら偶然いいラインを見つけられて、ポンと上がりました。自分が一番びっくりしました。」
■使用タイヤ・ムース(馬場亮太選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(スタンダード)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- ムース:METZELER(ミディアム)
「基本的に日陰の黒いところは空転もするしグリップしないですが、走っている時はそこまで気になりませんでした。FIMタイヤは面でグリップさせづらい素性がありますが、メッツラーで『グリップしないな』と感じることはレース中1回もなかったです。ミディアムは硬いですが滑る感じもなく、もちもちの新品ムースが効いているのかもしれません。ムースは初期のサスペンションのように吸収してくれて、ガタガタのルートでも全然疲れる感覚がなかったです。」
太田幸仁選手は、晴れのコンディションでも若手に引けを取らない走りを披露し、バイクとタイヤの熟成に手応えを感じていました。
「僕はマディの方が成績が良いのですが、今回はドライの割に若い子にしっかりついていけました。バイクも熟成してタイヤとの相性も良く、集中して走れました。2日目に一番トップスピードが出るところで吹っ飛んでしまいましたが、立ち上がって走ったらそこそこのタイムが出たので粘りました。」
■使用タイヤ・ムース(太田幸仁選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(スタンダード)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- ムース:METZELER(ミディアム)
「バイクを傾けてアクセルを開けたら滑る路面ですが、真っ直ぐトラクションをかければ全然食いつきます。柔らかいソフトタイヤを選ぶ選択肢もありましたが、晴れて土が掘れてくる路面だったので、刺しに行きたくてミディアムにしました。結果的にミディアムで良かったと思っています。」
田中教世選手は転倒や機材トラブルが続く厳しい2日間となりながらも、メッツラータイヤのポテンシャルについて力強いコメントを残しました。
「1日目の1発目のクロステストで崖に落ちてしまい、2日目も激しく転倒してステップも折れてしまいましたが、隣のパドックの方に借りてなんとかペースアップできました。ボロボロでしたが2日目は4位になれました。」
■使用タイヤ・ムース(田中教世選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(スタンダード)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ミディアム)
- ムース:METZELER(ミディアム)
「特にリアが圧倒的に良くて、今まで使ったFIMタイヤの中で一番ですね。グリップの限界値が高く、モトクロスタイヤに近い感じで一気にトラクションが抜けることがなく、流れ出しが遅いです。フロントタイヤは接地感が高くて安心して預けられます。コーナーでヨレて一気に抜けることがなく、ケースが適度に硬くて潰れきらないのが良いですね。リアのソフトも試したのですが、レーススピードだと最後のいいところでグリップが抜けてしまうので、ミディアムが正解でした。」
周囲がミディアムを選ぶ中、あえてフロントにソフトを投入する独自のセットアップで臨んだ堀越選手。DAY1はペナルティで4位に終わり、DAY2は骨折によるリタイアという悔しい結果となりましたが、125ccという軽量マシンと路面特性を緻密に読み切ったタイヤ選択は、ETで複数回の区間最速を記録するという形で結果に表れました。
「1日目はペナルティ、2日目は骨折と成績自体は微妙で悔しかったですが、丸太の3連続飛びなどがあってレース自体は凄く楽しかったです。バイクも新型になり、パワーとトルクがしっかり乗る良い仕上がりでした。」
■使用タイヤ(堀越秀鷹選手)
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(ソフト)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ソフト)
「今回初めてフロントにソフトを使いました。FXなどに乗る人はフロントがヨレると聞いていたのですが、自分のバイクは125ccで車重が軽いからいけるかもと考えて。ゴールデンウィーク中にテストして全く問題なく、ETの根っこがある場所などでは柔らかい方が食いつきが良いと思い選択しました。今回は地面が硬くてカチパンのようなコースだったので、硬いタイヤよりも柔らかいソフトタイヤの方が意外と当たりで、感触は良かったです。」
NAクラス|藤岡丈瑠選手が初参戦初優勝、2日間を制覇
NAクラスは藤岡丈瑠選手が総合54分49秒21で2日間を制しました。CT5本すべてで区間最速、ETも安定して上位タイムを刻む内容で、DAY2はET-2での転倒で約40秒のロスを喫しながらも巻き返してクラス優勝。エンジョイクラスから昇格したばかりの初参戦で、ライバル不在だった過去とは一変して大津崇博選手、鈴木心選手という強敵と初めてぶつかる戦いを制しました。
「楽しかったです。今日の計測1周目のエンデューロテストで谷側を決めてしまって40秒くらいロスして、次こけたら後がないなと思ってぶっ飛ばない程度に攻めました。エンジョイの時は同じクラスにライバルがいなかったんですけど、今回は大津選手と鈴木心選手がいて、1回ミスったら抜かれるなって感じで結構しんどかった。やっとレースしてるって感じです。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER MCE 6 Days Extreme(スタンダード)
- リア:METZELER MCE 6 Days Extreme(ソフト)
- ムース:METZELER(ミディアム)





