WSBK第10戦アラゴンラウンド 9月22日~24日/モーターランド・アラゴン
スーパーバイク世界選手権(WSBK)第10戦アラゴンラウンドが、9月22日から24日にかけてスペインのモーターランド・アラゴンで行われました。2023年シーズンはこのアラゴンラウンドを含めて残り3戦。終盤戦に入り、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)とトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)によるタイトル争いの行方が、ますます注目されます。
レース1でバウティスタがまさかの転倒
今大会のレース1では、レース序盤にトップを走っていたバウティスタが転倒を喫します。バウティスタはすぐにマシンを起こしてレースに復帰しましたが、大きくポジションを落として22番手に後退しました。バウティスタが転倒したことで、トップはラズガットリオグルと、アラゴンを得意とするジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)によって争われました。
しかし、この2人にバウティスタのチームメイトであるマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が接近。レース終盤にラズガットリオグルとレイをかわしてトップに立ち、今季初優勝を飾りました。ラズガットリオグルは2位、レイは3位を獲得し、バウティスタは最終ラップに2度目の転倒を喫してリタイアとなりました。
レイ、ラズガットリオグルによる接戦のトップ争いの末、バウティスタが勝ち切る
スーパーポール・レースではバウティスタ、レイ、ラズガットリオグルによる接戦のトップ争いが展開され、バウティスタが最終ラップにトップのレイをパスして優勝。レース2でも序盤にトップに立つと後方を引き離し、独走で優勝を飾っています。一方、ラズガットリオグルはスーパーポール・レースで3位、レース2は2位を獲得しました。
ひたひたと詰め寄るラズガットリオグル。その差は47ポイント
今大会ではバウティスタとラズガットリオグルが、それぞれ挽回を果たしたラウンドとなりました。バウティスタはレース1での転倒リタイアからスーパーポール・レースとレース2で優勝。もちろんレース1でも勝てる速さは十分にありましたが、スーパーポール・レースで最終ラップまで接戦のトップ争いを制して勝利し、レース1の転倒リタイアによるノーポイントというネガティブな流れを断ち切って、その勢いのままレース2を制したのです。
ラズガットリオグルは優勝こそありませんでしたが、アラゴンは得意とは言えないサーキット。これまで、WSBKではラズガットリオグルはアラゴンで優勝したことがありませんでした。タイトル争いにとって1レースが重みを増すシーズン終盤のラウンドで、ラズガットリオグルはレース1、2で2位、スーパーポール・レースで3位を獲得し、バウティスタとのポイント差を10ポイント詰めて、47ポイントとしたのです。
シーズンは残り2戦。2022年チャンピオンのバウティスタと2021年チャンピオンのラズガットリオグルによる2023年シーズンのタイトル争いは、佳境を迎えます。
WSS日本人勢は苦しい結果に
スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、岡谷雄太(プロディーナ・カワサキ・レーシング)が苦しいレースウイークのなかでレース1、レース2ともに24位でゴールしました。阿部真生騎(VFTレーシング・WEBIKEヤマハ)はトップから105%のタイムを記録できなかったため、予選を通過することができませんでした。