ロッソクワトロ解説第五弾。
レース由来の構造
DIABLO ROSSO™IVの設計において、ピレリは0度スチールベルトを備えた新しいレース由来の構造を採用、快適さを損なうことなく、様々なレベルの入力に適応することを可能にしています。
前身のDIABLO ROSSO™IIIと比較し、フロントタイヤの構造はレーヨンの「コード」を特徴としており、より剛性が高く、また同時に密度が低くなっています(-20%)。このスキームによってゴムコンパウンドの性能発揮の余地を多く残し、その減衰特性のおかげで乗り心地と精度が向上しました。
リアタイヤのサイズによるコードの使い分け
200馬力を超えるスーパーバイクやハイパーネイキッドバイク用の190 / 55ZR 17以上のリアタイヤはロードタイヤで通常使用される構造と比較し、大幅に低い変形率を特徴とするスリーストランド(3本撚り)リヨセル構造を備えています。革新的なリヨセルカーカスはMOTUL FIMスーパーバイク世界選手権でピレリが得た膨大な経験によって開発された技術です。その結果、コーナーエントリー時や急激な加速時に発生する力に対する耐性を高めることができる新しい構造が生まれました。
190 / 50ZR 17以下のリアタイヤは前モデルより剛性の高いレーヨン構造が特徴となっています(コード合成はROSSO IIIと比較して30%向上)。この種類のカーカスはフロントタイヤと同様にゴムコンパウンドがそのプロファイルに従いタイヤの剛性をより適切に調整できる余地を多く残します。
フロントとリアの構造の組み合わせは最先端の電子制御システムとともにライダーに安全性とバイク操作性を最適に伝達するように機能します。