今年の春に、アドベンチャーモデル用にTOURANCE™ NEXTの後継モデルとなるTOURANCE™ NEXT2を発売したメッツラーから、今度はよりオフロード性能の進化に注力するとともに、オンロードでの快適性や軽快性、耐久性もアップさせたKAROO™3の後継モデルであるKAROO™ 4が登場します。
BMW GS TROPHYの指定タイヤに採用
アドベンチャーバイク向けではありますが、オンロードでの走行性能にフォーカスしたTOURANCE™ NEXT2に対し、KAROO™ 4はフロントに19インチサイズを採用するBMW・R1250GS/ADVENTUREに代表されるアドベンチャーモデルに加えて、21インチサイズを採用してオフロードでの性能を重視したホンダ・アフリカツインやヤマハ・テネレ700、BMW・F850GS/Adventure、KTM・1290SUPER ADVENTUREといったマキシエンデューロモデルにも完全対応しています。
ちなみに、2年に一度開催される、オフロードを中心に数千㎞のハードなルートを走りぬくBMWの「INTERNATIONAL GS TROPHY」(今年は9月4日~10日の日程でアルバニア共和国で開催)の競技車両であるR1250GSの指定タイヤに、今年はKAROO™4が選ばれています。
KAROO4™の先代モデルであるKAROO™3も前回のGS TROPHYの指定タイヤに選ばれていて、このサイトの記事「METZELER LOVERS」の Vol.5でモーターサイクルジャーナリストの松井勉さんが語ってくださったように、「ダートもアスファルトも楽しみたい人向けの魔法のタイヤ」。http://pmfansite.com/metzeler/article/2022/0221591202.html
ウルトラハードな難関コースを走破するために選ばれたKAROO™ 3が持つ魔法の力に、ますます磨きをかけたのがKAROO™ 4なのです。
上の表を見るとよく分かりますが、ロングツーリングなどを含むオンロードユースが中心で、たまにオフロードも走りたい人に向けたTOURANCE™ NEXT2に対し、KAROO™4は本格的にオフロードを楽しむけれど、オフロードにたどり着くまではオンロードを自走していく人が、高速道路を含めたオンロードでも安心して走りを楽しめる安定性と、軽快なハンドリング性能を両立することも重視して仕上げられています。
とはいえ、外観はご覧のようにオフロードでの走破性を重視して大きなブロックがトレッド面に配置されたコブ付き(ノビー)タイヤ。このゴツゴツしたタイヤで、高速道路を快適かつ静かに走らせるために、数多くの新技術が投入されています。
たとえば、KAROO™3から大きく変更されたノブのデザインとレイアウト。ノブが幾何学的にランダムに並んでいたKAROO™3に対し、KAROO™4は「マルチシーケンススレッドピッチ」という手法でAタイプとBタイプ(あるいはCタイプとDタイプ)のノブが交互に配置され、これによって優れた静音特性とスムーズな切り返し性能を実現しています。
目的地(オフロード)までの道中も、楽しく、安全・快適にライディングを満喫でき、しかもフル積載時の安定性、ウエットパフォーマンス、耐摩耗性も最大限考慮されています。
また、この新しいトレッドパターンは、オフロード性能を最大限向上させるためにも貢献しています。
詳細は、テクノロジー解説② トレッドパターンで説明しますが、たとえば深いダートでのオフロードトラクションを強化するために、放射状に配置される横方向の溝の角度を変更して切り返し性能を確保したり、タイヤサイドに刻まれている縦方向の溝を、KAROO™3の直線タイプから波状に変更することでオフロードでの横方向のグリップを確保しています。
DYMATECとデュアルコンパウンドテクノロジーも採用
そして、マイレッジ性能を向上させるために、TOURANCE™ NEXT2で投入された新技術のDYNMATEC(ダイマテック)も採用。リヤタイヤは、熱安定性と耐引裂き性、耐摩耗性を両立するためにソフトシリカをベースコンパウンドに敷き、その上にフルカーボンブラックを貼り付けるデュアルコンパウンド仕様。両サイドの10%部分は、ベースコンパウンドのソフトシリカが接地するレイアウトとしています。
このように、オフロード性能だけでなく、オンロード性能も確実に進化したKAROO™4のターゲットユーザーはとても幅広く、①フル積載時の安定性とウエット性能、長距離走行時の全地形に対する耐摩擦力を重視する50%オン、50%オフのアドベンチャーライダー ②自分のオフロードライディングの限界にチャレンジし、その限界を超えるための性能をタイヤに求めるアドベンチャーアイアンマン ③ハンドリング性能やウエットグリップなどオンロードパフォーマンスを重視しながらもオフロードチックなコブ付きデザインを指向するスペシャルランブラー、となっています。
これらの非常に幅広いニーズに応えるために、KAROO™4が採用した新たなテクノロジーについて、次回から詳しく説明していきます。