仕事に、そしてプライベートにバイクを乗り倒していることを自他ともに認め、そしてメッツラータイヤを愛用している業界著名ライダーに、メッツラータイヤについて熱く語っていただく「メッツラー・ラバーズ」。
第5回目は、モーターサイクルジャーナリストで、Baja1000など数多くのラリーに参加するなどオフロードレースの豊富な経験を持つ松井さん。BMW Motorradの公認インストラクターの資格も持ち、メッツラーがサポートするBMW GS Trophyの国内選考会の総合監督を務めるなどオフロードイベントの企画・運営なども精力的にこなしている方だ。

KAROOとは2004年登場の初代以来の長い付き合い

メッツラー・サポートで開催されている、BMW MotorradのInternational GS Trophy。2008年から2年に一度、世界から選抜されたGSライダーを集め、オフロードを中心に、時に数千㎞にもおよぶルートを走破するアドベンチャーイベントです。松井さんはそのイベントの国内選考会の総監督を務め、2020年ニュージーランド大会ではメディアの立場で決勝イベントに参加。選手たちと8日間、2700㎞の行程を、KAROO3を装着したF850GSで走行しました。

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GS Trophyでは、このように橋がなく、そのまま川の中を通る道がいたるところにあったという
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メッツラーテスト部隊のボス、サルヴォ・ペニージさんと松井さん

「ルートの半分はダートで、深い砂利道や柔らかいマッド質の場所、橋がなく川の中を渡る道が30カ所もあるかと思えば、海岸線に続く舗装のワインディングロードを時速100㎞をキープして走り続けるなど、さまざまなシチュエーションが出現しました。そんな状況でも、アドベンチャーバイクがアドベンチャーバイクらしく走れる、ダートもアスファルトも楽しみたい人向けの魔法のタイヤがKAROO3だと思いました」

松井さんとKAROOシリーズの付き合いは長く、2004年に登場した初代KAROOは、当時まだアドベンチャーバイク向けのダートタイヤはポピュラーではなかったなかでダートライディングでの安定感が高くて、楽しさを広げる「キーパーソン」になると感じたそうです。ただ、距離が進んでブロックの剛性感が出てくるとアスファルトでも走りやすくなる半面、ライフが短くて、嬉しいけど、悔しいタイヤだったと言います。

その後、2005年にBMW・HP2 ENDUROにOEM採用されたのがKAROO T。ブロックを初代より大きくしてタフネス性をアップしたタイヤで、まさにオールラウンダーで高いポテンシャルを持っていると松井さんは感じたそうです。

そして、現在のKAROO3。GS Trophyなどのイベントだけでなく、ご自分が所有するR1250GS Adventureでも使い倒している松井さん、ダートだけでなく、ワインディングのハンドリングも十分に楽しめるレベルにあることを高く評価されています。

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松井さんが普段、足としても使用しているBMW・R1250GS AdventureにもKAROO3を履いている
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一人でも、そして荷物満載でもスタビリティが高く安心できること。低温、ウエットでも不安なく走れること。突発的なグリップダウンがなく、滑り始めのインフォメーションも適切であること。そして、ABSやトラクションコントロールなどの電子デバイスとの相性が非常にいい点も特筆すべきところだと言います。

実感、実走テストを重視している姿勢にイッパツでファンになった

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KROO3を知り尽くし、絶賛する松井さんですが、メッツラータイヤ全般に通じる哲学の大ファンでもあります。

「2013年に、シチリア島で開催されたMETZELER HERO’Sというイベント(編注・齋藤さんの回でも紹介)に参加させていただき、ロード/オフロード/アドベンチャー/クルーザー/スクーターに至るまでのメッツラータイヤを、いつもメッツラーのテスト部隊が走り込んでいるコースで徹底的にテストさせてもらいました。すごいなと思ったのは、たとえばKAROO3は高速道路や、公道サーキットのタルガ・フローリオ、そして本格的なサーキットでもテストを行っているということ。暑い日も寒い日も、そしてウエットテストも納得がいくまで繰り返す。シチリアだけではなく、イタリアのミラノとブラジルにも同じレイアウトのテストコースを持っていて、月曜日に冬のテストをしたら、その週の内にブラジルにタイヤを運んで夏のテストをすると言うんです。実走、実感テストをすごく重視している。そして、それが製品にダイレクトに表れている。タイヤのポテンシャルはもちろん、造っている人、メーカーの哲学にイッパツでファンになりました」

タイヤ1本も、バイク1台と同じようにテストしている

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イタリア・ミラノにあるヴィッツオーラのテストコースで行われたROADTEC Z8M INTERACTの試乗会では、Z8Mの素晴らしいウエットパフォーマンスに感動した以上に、テストスタッフの話に感銘を受けたそうです。

彼らはタイヤ1本を開発するのにあたって、バイクを1台開発するのと同じくらい走って走って、造り込んでいく。とにかく長い距離を走り込んでいるからこそ、1本のタイヤのライフのなかでどういう性能変化が起きていくかを熟知しているのだという説明を受け、大いに納得したそうです。

非常に高いグリップ性能を発揮するけれど、いきなりパフォーマンスが落ちてくるような性格のタイヤがあるのに対し、メッツラーのタイヤは総合性能がとても高く、乗り味に突出した部分をあえて持たせないまとめの良さが印象的。それゆえ安心して走り続けられて、タイヤライフ後半まで高いパフォーマンスを維持し続けてくれる。ロングランテストがこういうメッツラーらしい、ユーザーフレンドリーな優れた性能を生み出していることを、このテストスタッフの言葉であらためて実感したのだそうです。

メッツラーのすべてのタイヤに共通した考えが、この徹底したテストに基づいたもので、それゆえどんなライダーにも安心してオススメできると松井さんは言います。

そんな松井さんがいま気になっているのが、この春、登場予定のKAROO4。

「KAROO3も登場してからすでに9シーズン。性能面では大きな劣化はまったく感じていませんが、写真を見る限りではトータル性能で3を超えている気がします。楽しみです!」

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<松井さんプロフィール>
1963年生まれ、東京都出身。17歳でバイクに乗り始め、20歳ころからオフロードライディングを始め、エンデューロレースなどでファンライディングを知る。その後、バイク専門誌などの取材記者としての活動を始め、パリ~ダカール、Baja1000など海外のオフロードレースへ参加。そうした経験を、現在はメディアイベント、ユーザーイベントのルート制作などの面でフィードバックしている。また、映画、PVなど走行シーンの撮影も数多く体験し、これら「訊く、書く、競う、撮られる」経験をベースに、バイクの楽しさを多くの人に伝授すべく精力的な活動を行っている。




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METZELER - KAROO™ 3