写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第10戦イギリスGP
8月2日~4日/イギリス シルバーストン・サーキット
約3週間のサマーブレイクののち、第10戦イギリスGPでシーズンの後半戦が幕を開けました。MotoGPの2024年シーズンは、このイギリスGPから9月中旬の第14戦エミリア・ロマーニャGPまでヨーロッパで続き、第15戦インドネシアGPからアジアラウンドに入ります。第16戦にスケジュールされている日本GPは、10月4日から6日にかけての開催です。
Moto2:予選ポールから14位でゴール
Moto2クラスに参戦する小椋藍(MTヘルメット – MSI)は、チャンピオンシップでランキングトップから7ポイント差のランキング2番手で後半戦を迎えました。ランキングトップにつけるのは、チームメイトであるセルジオ・ガルシア(MTヘルメット – MSI)です。
小椋は予選Q2で、ポールポジションを獲得します。これは、今季初であり、2022年マレーシアGP以来となるポールポジションでした。ポールポジションタイムは2分2秒940で、小椋はこのタイムでオールタイムラップ・レコードを更新しました。予選ではQ1も含めて全体的にタイムが縮まっており、小椋にとって自分のタイムさえも予想外だったということでしたが、決勝レースに向けて優勝、表彰台争いが期待される状況であることは確かでした。
しかし迎えた決勝レースで、小椋はレース序盤から後退を余儀なくされます。じりじりとポジションを落とし、最終的に14位でのゴールでした。
レース後、小椋は「序盤からリヤタイヤのグリップがまったくなく、何もできなかったです。原因はまだ分っていません」と状況を説明しました。
今回のレースでランキングトップのガルシアが4位でゴールしたことで、ガルシアとランキング2番手を維持した小椋との差は18ポイントに拡大しています。
同じくMoto2に参戦する佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、28番手から決勝レースをスタートしました。チャタリングを抱えたものの、「初めて最後まで全開で走れた、と言えるかも」と、ポジティブな週末になったと語っていました。
Moto3:山中琉聖が6位、鈴木竜生が10位でゴール
Moto3クラスに参戦する山中琉聖(MTヘルメット – MSI)は、予選Q2で5番手を獲得しました。「レースペースも悪くはないです。序盤はいろいろなライダーが来ると思うので、うまく戦っていきたいと思います」と決勝レースへの展望を語っていた山中は、終盤まで混戦のトップ集団で戦い、6位でゴールしました。
鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は3列目9番手からスタートして、トップ集団で周回を重ね、10位でフィニッシュしています。
「レース序盤は様子を見て、残り5、6周でしっかりアタックしようと思っていたのですが、そこでほかのライダーにぶつけられてポジションを落としてしまい、リカバリーができずに終わってしまいました。フィーリングもよくてトップ5を目指していただけに、残念です」と、悔しさをにじませていました。
また、古里太陽(ホンダ・チームアジア)はサマーブレイク中のトレーニングで転倒、鎖骨を骨折して手術を受けたため、イギリスGPを欠場しています。
MotoGP第11戦オーストリアGPは、8月16日から18日、オーストリアのレッドブル・リンクで行われます。