WSBK第9戦フランスラウンド 9月8日~10日/フランス マニクール・サーキット
スーパーバイク世界選手権(WSBK)第9戦フランスラウンドが、9月8日から10日にかけてフランスのマニクール・サーキットで行われました。約6週間のサマーブレイクを経て、2023年シーズンはこのフランスラウンドから後半戦に入ります。
ラズガットリオグル奮闘!
フランスラウンド前の時点でチャンピオンシップのランキングトップにつけるのは、427ポイントを獲得しているアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)。バウティスタを74ポイント差で追うのが、ランキング2番手のトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith・プロメテオン・ワールドSBK)です。残りレース数とポイント差を考えれば、タイトル争いは実質、バウティスタとラズガットリオグルの2人によって争われていると言っていいでしょう。
フランスラウンドは、ランキング2番手でバウティスタを追うラズガットリオグルが奮闘した大会となりました。レース1ではレース前にテクニカルトラブルが発生したため、21周から20周に周回数が短縮。そのレースで1周目にトップに立ったのはバウティスタでしたが、2周目にラズガットリオグルがトップに浮上。その後、バウティスタはマシントラブルが発生してスローダウンとなり、優勝、表彰台争いから脱落しました。
優勝争いはラズガットリオグルと、バウティスタのチームメイトであるAruba.it レーシング-ドゥカティのマイケル・ルーベン・リナルディによる接戦となりました。しかし、14周目にラズガットリオグルがトップに立つとリナルディを引き離し、そのまま優勝を飾りました。レース序盤にスローダウンを喫したバウティスタは、トラブルから回復して再びレースに加わり、10位でレースを終えています。
ラズガットリオグル、レース2はレイと接戦の2位争いを展開 ラズガットリオグルは日曜日のスーパーポール・レースでも勝利します。そして迎えたレース2は、4周目に発生したアクシデントのために赤旗中断。レースは17周で再開されました。
このレースではトップを走るバウティスタが独走し、ラズガットリオグルはバウティスタに追従することはできませんでした。しかし、レイとの激しい2番手争いを展開します。双方譲らぬ戦いとなりましたが、軍配はラズガットリオグルに上がりました。ラズガットリオグルは2位表彰台を獲得し、2レースで優勝、1レースで2位という好結果でフランスラウンドを終えたのです。
ラズガットリオグルはレース後のパルクフェルメで、WorldSBK.comのインタビューに対し、こう回答しています。
「2位を獲得するために、100パーセント以上の力で走ったよ。レースではジョニー(ジョナサン・レイ)と(バトルを)楽しんだ。レース序盤はアルバロを追いかけようとしたんだけど、彼のペースはすごくよかったんだ。僕は自分が速くないと分かって分かっていたから、ひたすら最終ラップを待っていた。でもとにかく、僕たちはここ(2位)にいる。また表彰台を獲得できたし、チャンピオンシップとしてもポイントを稼げたよ」
この結果により、ラズガットリオグルはチャンピオンシップでランキングトップのバウティスタとのポイント差を、57ポイントに縮めています。残すところ3戦9レースであることを考えれば小さなポイント差ではありませんが、ポイント差を17ポイント詰めたことはチャンピオンシップにとって効果的だと言えるでしょう。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、日本人ライダー、岡谷雄太(プロディーナ・カワサキ・レーシング)が今季ベストリザルトとなる18位でレース1をフィニッシュしました。レース2は転倒を喫したものの、マシンを起こして24位で終えています。阿部真生騎(VFTレーシング・WEBIKEヤマハ)はトップから105パーセント以内のタイムを記録できず、予選不通過となりました。