SPORTEC™01は、コンパウンド構造でも大きく飛躍しています。

前後輪ともに、ハイシリカ・デュアルコンパウンドを採用することで幅広い温度域と路面状況で一貫したグリップとハンドリングを実現しています。

あらゆる状況下で「最初のコーナー」から、これまでのタイヤとは一線を画す確かなパフォーマンスを発揮してくれるのはこのコンパウンド構造によるものです。

個別に見ていくと、まずフロントタイヤはハイパースポーツ指向のデュアルコンパウンドを採用し、ウエットや低温時を含むあらゆる状況下で最適なグリップを得るために全体がハイシリカ・コンパウンドで設計されています。

2種類のコンパウンドの配置は、センター部33%、両ショルダー部が各33%と均等な配分になっていて直立状態から深いバンク角まで一貫した性能を提供してくれます。

このトレッド表面の下層には、カーボンブラックのベースレイヤーが配置されていて、負荷のかかる状況でも熱バランスを改善し、上層のトレッドをサポート。ブレーキング時の安定性を高め、切り返しや高速減速時におけるフロント部の安心感を向上させています。

リヤもハイシリカのデュアルコンパウンド構造ですが、フロントとは異なりベース層にショルダー部と同じ高性能コンパウンドを採用しています。これは、DYNATREAD™テクノロジーのおかげで、内部の歪みを抑えコンパウンドの過熱を抑制できるようになったことで、熱安定性を損なうことなく、柔らかなショルダー用コンパウンドをベース部分まで拡張することができたのです。

この新たな設計によって、よりアグレッシブなコーナリングや加速時において均一なグリップと一貫性を確保しました。接地面もより大きくなり、横方向のサポートとグリップが大幅に向上しました。 センターコンパウンドは、ショルダーよりもエネルギー損失の少ない低ヒステリシスかつ高剛性に設計されていて、あらゆる状況で安定した走りとロングライフに貢献します。

柔らかなショルダーコンパウンドは、コーナー出口や加速時に高いグリップ力を発揮し、過酷な条件下でも路面に吸い付くような接地感(プランテッド・フィール)を生み出します。

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前後ともハイシリカのデュアルコンパウンド+ベースレイヤーの構成。フロント(図左)は両ショルダーエリア(黄色部分)が各33%、センターストライプ(グレー部分)が33%となっている。また、トレッド表面の下層には熱バランスを改善して上層のコンパウンドをサポートするカーボンブラックのベースレイヤーが配置されている。リヤもフロント同様にハイシリカのデュアルコンパウンドで、配分はセンター20%、両ショルダーが各40%。フロントとは異なり、ベース部にはショルダー部と同じ高性能コンパウンドを使用している。

このコンパウンド構造を採用したことで、SPORTEC™01は多様なライディングスタイルと走行環境に適応し、パフォーマンス、コントロール性能、そしてライダーが自信をもってライディングできる性能を確保し、真のスーパースポーツタイヤへと大きく進化したのです。

メッツラーの持つ基幹技術が構造に凝縮されている

前後輪同一デザイン、ハイシリカ・デュアルコンパウンド、DYNATREAD™テクノロジーと最新の技術が投入されているSPORTEC™01ですが、その根底を支えるのはメッツラー独自のタイヤ構造です。

前後で非常に調和のとれた構造設計を採用していることで、高いスポーツ性のみならず公道における幅広い汎用性をも実現しているのです。

構造の根幹となるのは、メッツラーが誇る0°スチールベルトであることは言うまでもありません。

フロントは2層のレーヨンベルトと0°スチールベルトを組み合わせ、あらゆる車両操作の局面で優れたサポート性能を発揮するとともに、アグレッシブなライディング時には素早いレスポンスを確保。しなやかに機能するレーヨンベルトが制動時やコーナリング時に確実なサポートを行うことで、反応がよく軽快なフロントエンドの接地感を生み出しています。

リヤは、フロントと同様0°スチールベルトを採用し、ベースにはシングル・レーヨン・プライを使用。この構成により接地面を最大化し、直線およびコーナー出口の両方で加速時の強力なサポートを実現しました。また、モノトレッド・デザイン(単一のトレッド構造)が接地圧の分布を最適化し、高トルクがかかる状況でもグリップと安定性を維持します。

前後共通のスチールベルト技術によってバンク角を問わず一貫した変形制御を可能にする一方で、それぞれの役割に合わせて調整されたレーヨン層が、現代のスーパースポーツ走行に求められる剛性と柔軟性を提供します。

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フロント(左)は、2層のレーヨン・プライ+0°スチールベルト、リヤ(右)はシングル・レーヨン・プライ+0°スチールベルトという構成の構造を採用。現代のスポーツバイクに求められる剛性と柔軟性を確保している。

この構造的進化は、最新世代のモーターサイクルや電子制御システムにも対応しており、ライダーは市街地、ワインディング、そして限界に挑むサーキット走行のいずれにおいても、自信を持ってタイヤのポテンシャルを最大限に引き出すことができるのです。

では、SPORTEC™01に採用されているメッツラーの基幹技術の数々を簡単に説明することにしましょう。

■0°スチールベルト

ラジアルカーカスと、スチール製のシングルレイヤーベルトを組み合わせたメッツラーの特許技術。ベルトはタイヤの回転方向に対してほぼ0°の角度でカーカスの周りを円周方向に巻き付けられています。スチールを採用する利点は、その極めて高い剛性にあります。また、巻き付けの間隔(ピッチ)を調整することで、クラウン部(中央部)からショルダー部にかけて剛性分布を緻密にチューニングすることが可能です。

■MRC-マルチラディウスコンター

ハイパフォーマンスな走りを実現するためのプロファイル(断面形状)設計技術。直感的で効果的なハンドリングとグリップ特性を提供するため、クラウン部とショルダー部で曲率を変えています。

  • クラウンおよびショルダー: より小さく鋭い半径(ラジアス)を採用。素早く正確なハンドリング(クラウン)と、限界域での安心感のあるフィードバック(ショルダー)を実現。
  • サイドエリア: より大きな半径を採用。接地面を拡大し、コーナリング中の安定性を確保します。

■CMT-輪郭モデリング技術

最新のモーターサイクルによるハイパフォーマンスなライディングスタイルに合わせて調整された、高度なタイヤコンター(断面形状)設計技術。フロントとリヤのタイヤプロファイルの整合性は、異なるプロファイルの組み合わせによって最適化されており、それぞれのプロファイルがあらゆるバンク角においてハイレベルなパフォーマンスを発揮するよう設計されています。このセット(前後輪)の最終的なコンターデザインは、あらゆるライディングスタイルや最新のバイクにおいて、「予測のしやすさ」「グリップ限界のフィードバック」「コーナリング時の安定性」といった、最高水準の挙動特性を実現します。

■インタラクトーマルチゾーンテンション

スチールコードの巻き付け張力をセグメントごとに調整する技術。コンパウンド(ゴム)の性能を最大限に引き出せるかどうかは、その土台となる構造体の剛性に依存します。構造の剛性を部位ごとに最適化することで、多様なライディングスタイルへの高い適応力を生み出し、必要なポイントで正確にパフォーマンスを発揮させることが可能になります。

最新テクノロジーと、熟成された基幹技術により飛躍的な進化を果たしたSPORTEC™01。次回は、性能レーダーチャートでSPORTEC™M9RRからの性能向上を見ていきます。