3月22日、愛知県・美浜サーキットで全日本スーパーモト選手権の2026シーズンが幕を開けました。昨年より2ヶ月近く早い開幕となった今大会には、全日本モトクロスや全日本エンデューロで頂点を争うライダーたちがスポット参戦。オンロードサーキットにダートセクションを組み込んだスーパーモト特有のコースレイアウトで、メッツラーRACETEC™ SMを選んだライダーたちが各クラスで存在感を示しました。
S1プロクラス|今季からメッツラーにスイッチした小原堅斗選手がレース2で2位。新沼伸介選手・梅田祥太朗選手もデビュー戦で手応え
2レース制で争われたS1プロクラスは、オーストラリアからスポット参戦したジョシュア・マクリーン選手が両ヒートを制する圧巻の走りを披露しました。その一方で、メッツラーを選んだライダーたちはそれぞれにターマックとダートの混走環境でタイヤの特性を掴み始めた一戦となりました。
今季からメッツラーにスイッチした2年連続チャンピオンの小原堅斗選手(#1)は、レース1での転倒リタイアという痛い出だしを、レース2での2位獲得で取り返しました。最後尾付近から前を走るライダーたちを一台ずつかわしていく走りは、王者の貫禄を感じさせるものでした。
「前にライダーがいるとなかなか自分のラインが使えないのが苦しかったんですが、狙うところはジョシュアだったので、2位までは上がってやろうという気持ちで走りました。抜きどころも決めていたんですが、3位のズミさん(五十住洋佑)のラインがモトクロスライダーなのでどうしても被ってしまって。慎重にどこで仕掛けるかを考えながら、フープス前のコーナーで仕掛けました。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K2
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「今年からメッツラーのフロントK2、リアK1を履いています。ターマックはもちろん、ダートに行ってもグリップ感がすごくて、砂が乗っているところも全然ブレることなくオールマイティーにいける。まだタイヤにセッティングを出し切れていないので、もっと詰めていけばもっと速くなるんじゃないかなと思っています。」
ヒート2は右足の負傷を抱えた新沼伸介選手(#5)は、万全とは言えないコンディションながら両ヒートを走り切りました。すでに次戦・茂原への闘志を口にしています。
「予選はそもそも後ろからのスタートで、ヒート1は7番手まで上がったんですが、玉砕アタックを玉砕させられてしまいました。ヒート2は右足が痛くて踏ん張れないぶん腕でこらえながら、なんとか完走できました」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K1
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「前日はフロントK2で走り出したんですが、少し不安な感じがあってK1に変えたらずいぶん良くなりました。今回はダートが重かったのでグルービングを増やしたんですが、タイヤが温まりやすくなった感じはありました。」
S1プロクラスへのデビュー戦となった梅田祥太朗選手(#03)は、レース2で赤旗という波乱の展開に巻き込まれながらも、ターマックとダートを行き来するスーパーモト特有の難しさと正面から向き合いました。
「ずっとモトクロスをやってきてダートに自信がついた状態で、この1ヶ月ターマックも練習して仕上がったと思っていたんですが、なかなかグリップ感がつかめず苦戦しました。サスをダート寄りのセットに戻してからだいぶ良くなってきて。最強メンバーが揃っているこの環境が、一番成長できるチャンスだと前向きに捉えています。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K1
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「K2は選ばずに前後K1にしました。ヨーロッパのS1GPを見るとほぼ全員K1で、グリップ感はK1のほうが高い。グリップが減ってきた後でも急に破綻しないので、滑っている感じが分かってコントロールしやすいんです。ヒート2でブレーキをかけすぎて前転してしまったんですが、横にズルズルっとなるかと思ったら鬼グリップで(笑)。タイヤに助けられました。」
S1オープンクラス|スーパーモト初参戦の釘村忠選手が総合優勝、馬場亮太選手がレース2を制覇。異なる競技で磨かれたスキルがターマックの舞台でも輝く
全日本モトクロスのファクトリーライダーとして実績を持ち、現在はエンデューロでも活躍する釘村忠選手(#38)と、エンデューロ最高峰クラスで4年連続タイトルを手にした馬場亮太選手(#39)。オフロードの第一線で走り続けてきた2人が揃ってスーパーモトへの初挑戦を決めた今大会は、予選から2人が上位タイムをマークし、決勝でも表彰台を独占するという衝撃的な結果をもたらしました。
レース1は序盤から釘村選手がトップを快走。後半は後続を引き離し、初参戦初優勝を果たしました。転倒で最後尾に沈んだ馬場選手も驚異的な追い上げを見せ、最終ラップで逆転して5位に入りました。レース2では馬場選手が前半から釘村選手と激しく先頭を争い、中盤のターマックセクションで逆転。釘村選手が転倒したあとは一気にリードを広げ、そのまま独走でチェッカーを受けました。2レースの総合成績は釘村選手が優勝、馬場選手が2位となりました。
初体験のスーパーモトでK1のグリップ感の高さに驚いたという釘村選手は、スライドコントロールの難しさと楽しさを同時に味わった一戦だったと語ります。
「モタード、楽しいですね!初心に帰ったというか。スライドを狙い通り決めて曲がれた瞬間がめちゃくちゃ楽しくて、“これこれ!”みたいな。で、次の周に行ったら行けない(笑)。それが面白かったです。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K1
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「練習走行はK2を使っていたんですが、本番はK1にしました。K1のほうがめちゃくちゃグリップして、フロントが“何このグリップ感”みたいな。どこまで倒していいんだろうっていうくらいで。そのグリップの高さのおかげで安心して攻め込んでいけました。」
エンデューロで培ったダートの乗り方がそのまま武器になったと話す馬場選手。ターマックの難しさを正直に認めながらも、オフロードライダーとしての本能でレースを制した喜びをにじませました。
「ヒート1は1コーナーでモトクロスっぽい開け方をした瞬間にハイサイドして転んでしまいました。ただ、そこから5位まで戻せたのは収穫でした。ヒート2は序盤、釘村さんの後ろで毎周改善点を見つけながら走れていて、ターマックで抜けた時はいい感じで走れていると感じました。後半は腕上がりがきつかったですが、勝てて怪我せず終わってよかったです。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K1
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「前後ともK1にしました。ターマックはグリップしすぎて逆によく分からないくらい(笑)。ダートは基本グリップしないものだと思って、タイヤを転がして転がして、その先にアクセルを乗っけていく乗り方で走りました。FIMエンデューロの乗り方に近い感覚で、オフロードのテクニックがそのまま活きた部分が大きかったです。」
今季もメッツラーのサポートを受けて参戦した砂田彰選手(#13)は、ダートセクションでの強みを随所に発揮しながら両ヒートを完走。ターマックでの勝負の難しさを、自らのモトクロス的な走りの癖と結びつけて振り返りました。
「ヒート1は前に釘村選手がいたので、プレッシャーをかけようとしたら逆に自分がスリップしてしまって(笑)。そこから追い上げたんですが、前の集団に追いついたところでチェッカーでした。ヒート2は10番グリッドから焦らず走りましたが、ターマックでなかなか抜けなくて。抜いていたのはほぼオフセクションだったので、今後はクロスラインをうまく使ってターマックでも仕掛けられるようになりたいです。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K2
- リア:METZELER RACETEC™ SM K1
「フロントK2、リアK1のスリックで走りました。前日の練習でリアが流れることが多かったんですが、リアの空気圧を1.8に下げたら食いつきが良くなって、本番も同じセッティングで臨みました。K2は暖かい路面に対してマルチに対応できる感じがあります。メッツラーは最初から柔らかさをキープできるので、タイヤウォーマーなしでも安心してアタックできるのが強みだと感じています。特にレインは、朝のタイムアタックからヒート2まで1本で走り切っても最後までグリップが落ちなかった経験があるので、強い信頼を置いています。」
S1チャレンジシリーズ第1戦|久保まな選手がスーパーモト初参戦でポール・トゥ・ウィンを達成しました
全日本モトクロス選手権レディースクラスの2022年チャンピオン、久保まな選手がS1チャレンジシリーズ第1戦S2クラスにスポット参戦。スーパーモトへの初挑戦ながら予選から全体トップタイムをマークし、決勝でもスタートから一度もトップを明け渡さないまま完全勝利を飾りました。
「タイヤの限界値がまだ分からない怖さはありましたが、周りからのアドバイスを一個一個試しながら、毎周ちょっとずつできることが増えていくのが楽しかったです。20年以上モーターサイクルをやってきて、まだこうやって新しい“できた”があるというのがすごく嬉しかったです。」
■使用タイヤ
- フロント:METZELER RACETEC™ SM K2
- リア:METZELER RACETEC™ SM K2





