Photo/BMW MOTORRAD

INTERNATIONAL GS TROPHY: https://www.bmw-motorrad.jp/ja/experience/gs-trophy-2022.html

世界各国の予選で選抜された男性3名、女性2名のGSオーナーがそれぞれチームを組み、1週間にわたって難関コースを走り抜けるアドベンチャー・ツーリング、それがBMMW MOTORRAD主催のインターナショナル・GSトロフィー。

2008年にチュニジアで第1回大会が開催されて以来、2年に一度のペースで世界中で開催されていて、第8回となる今回は南東ヨーロッパの国・アルバニアで9月に開催され、日本代表チームを含む21チーム・57人が参加して、ライディングのスペシャルステージを含む日々のテストをこなしながら、7日間にわたって史上まれにみる難所続きのルートを走破しました。

このインターナショナルGSトロフィーは、すべてのライダーが可能な限りイコールコンディションで走り、戦うことが前提で、バイクはBMMW MOTORRADが全員分用意する同じ車両(今年はR1250GSでした)、タイヤも全車同一銘柄で、今年は発売になったばかりのメッツラー・KAROO™4が採用されました。

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今年は、南アフリカ、イギリス、ドイツ、中国、アメリカ、オランダ、タイ、韓国、ラテンアメリカ、メキシコ、フランス、インド、ブラジル、日本から全21チームが参加。マシンはすべてR1250GSで、主催者のBMW MOTORRADが全車両を用意する。
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メッツラーもフルサポート体制で参加、テスト部隊のボス、サルボ・ペニージさんもプレスカンファレンスに登壇。タイヤはすべてKAROO™4。グリップ性能を上げるために、空気圧は前後2.0に統一。

プレスとして今年のGSトロフィーに参加したのがBMMW MOTORRAD公認インストラクターの資格を持つ、ジャーナリストの松井勉さん。プレスといっても、参加ライダーと同様、KAROO™4を履いたR1250GSに乗って7日間の全行程、トータル1230㎞を走破しました。

今年5月にオーストラリアで開催されたKAROO™4のワールド・プレステストに参加して、さらに日本でもすでに3セット目をテスト中という、誰よりもKAROO™4に精通している松井さんは、今回のGSトロフィーに参加したことでKAROO™4の進化の真髄がよく理解できたそうです。

このサイトでも、5回にわたって詳細なテクノロジー解説を掲載しましたが、さまざまな最新テクノロジーを投入することで、オフロードでの高い性能を犠牲にせずにオンロードでの大幅な性能向上を果たしたKAROO™4。その変貌ぶりを、松井さんがオーストラリア試乗会のレポートで解説してくれました。

そして今回、松井さんはGSトロフィーを走ったことでより明確になったKAROO™4のアドバンテージを3つ挙げてくれました。ちなみにこのイベント中、KAROO™4はグリップ性能を上げるために、前後の空気圧を2.0(標準は2.5/2.9)に設定されていたそうです。

より明確になった3つのアドバンテージ

まず、下の写真のように、道路にキャンバー(傾斜)が付いていて、さらにそれが逆バンク(道路のイン側が高い)のようになって曲がっていくようなコーナーでも、KAROO™4はトレッド面のサイドグリップに優れていて、バイクが下にズリ落ちていかないのだそうです。

しかもこの逆バンクは表土が硬く、しかもその上に砂が浮くような、とくに滑りやすい路面で、スロットルをジワっと開けてもリヤが滑ってフロントが上を向いてしまうようなことが起こりがちなのに、KAROO™4を装着したGSは危なげなくなくコーナーをクリアしてくれたそうです。この点は世界中から集まった多くのトロフィーライダー達も同じように称賛していたそうです。

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写真のように、キャンバーが付いた道が右に回り込んで逆バンク状態になるようなところでも、KAROO™4を履いたGSはしっかりとグリップしてコーナーをクリアしてくれた。

また、これも下の写真のように道路に四輪のタイヤが掘った深い轍が刻まれていて、さらにその轍の中が柔らかく粘度のある泥水で満たされているような場面。こういう場所は、轍の壁にタイヤが取られバランスを崩しやすい状況です。とにかく転ばないように、さらに足を出さないように(足を出すと着いた足が滑って転倒する可能性が大)細心の注意を払ってゆっくりバランスをとりながら進んでいくしかないのですが、KAROO™4はこんなどドロドロの轍の中でもしっかりとフロントタイヤがグリップして方向性を維持し、さらにリヤタイヤのグリップ力で着実にバイクを前方に押し出してくれたそうです。

泥の中にある見えない轍にフロントが左右に少しブレることもあったそうですが、バイクが前方に押し出されるのと同時に、すぐに修正できたと言います。

この「泥濘路性能」の高さは、KAROO™3から刷新されたトレッド面の排泥性能や新しいトレッドデザインによるものだと松井さん。こういう場所は、ひとつひとつのブロックが完全に独立したいわゆる「キャラメルタイヤ」が強みを発揮する場面で、KAROO™3はソフトな泥濘が少し苦手科目(その分、全体的に舗装路での強みがあるのですが)でした。しかし、巧みにブロックを配置したトレッドパターンを持つKAROO™4はその苦手を克服して、しっかりとクリアくれたそうです。

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深く刻まれた轍の中はドロドロのマッドというところは、U字溝に嵌まったような感覚で突き進むしかないが、スロットルのオン・オフでリヤが振られ、さらにフロントも左右にブレて、まっすぐ進むことすら難しいもの。ところがKAROO™4を履いたリヤタイヤはしっかりとトラクションがかかり、バイクをグイグイと前に押し出してくれた。

ロードノイズも軽減され「移動快適性」が大幅に向上していた

そして、ここまでオフロード性能を高めたにもかかわらず、KAROO™3から4になってオンロード性能に減衰された部分が見られなかった点も高く評価したい、と松井さんは語ります。舗装セクションの移動速度が日本よりも高いアルバニアで開催されたGSトロフィーでさらに如実に感じられたことだった、とも。

オフロードコースが多かった今回のルートでも、舗装路を90㎞/h~110㎞/hで走行するシーンも多々あったそうですが、トレッドパターンの進化によってロードノイズのレベルがとにかく低く、「音疲れ」をしなかったそうです。標準空気圧よりも低い空気圧での走行だけに、タイヤの接地面積が増大することでオフロードではグリップが増しますが、舗装路では逆にパターンノイズが増えるのでは、と考えたそうですがノイズレベルは標準空気圧と同等だったと言います。

KAROO™3だと、長時間走って停車した際、エンジンを止めてヘルメットを脱ぐと耳の中で走行ノイズが鳴り響くことがあったそうですが、KAROO™4はそういう気配はまったくなく、ノイズ対策を相当研究したのだろうと思ったそうです。

また、停止状態からの発進時や、連続走行時に感じるブロックパターンに起因するゴロゴロ感もあまり感じず乗り心地もよくなっていて、移動快適性が大幅に向上していることにあらためて気づいたそうです。

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ノビー(コブ)タイヤで舗装路を走ると気になるのがコブが路面を叩くときに発生するロードノイズ。KAROO™4はまったく新しくなったトレッドパターンにより静粛性を大幅にアップしながら、耐久性も向上させた。

そして、ライフの長さも特筆点で、ハードなコースを1200㎞以上走破したのちのKAROO™4は、さすがにだいぶ摩耗した状態になってはいましたが、ブロックが削れたり欠けたりしているものはなかったそうで、あと500㎞は走れるような状態だったとのこと。

長期のアドベンチャー・ツーリングの際なども十分安心できるレベルです。

さらにもうひとつ付け加えてくれたのが、GSトロフィーから帰ってきて、10月8~10日に志賀高原で開催された「G/Sデイズ」にインストラクターとして参加した際のこと。朝まで雨が降っていて、草の生えたゲレンデはソフトでとても滑りやすい状態だったにもかかわらず、KAROO™4を履いたGSはトラコンが効いた状態でお尻を左右に振りながらどんどんゲレンデの坂を登っていったそうです。

滑りながらでもトラクションが抜けることがなく、KAROO™4と電子制御のマッチングのよさも体感できたとのことでした。

最後に松井さんに、どんなライダーにKAROO™4を薦めたいか聞いてみました。

「まずは、これからオフロードを走ってみたいと思っている人。そんな人にとってKAROO™4へと履き替えるだけでオフロードでのグリップ力を得られるので、大きな安心材料になります。最初のコンタクトが「恐い」ではなく、「楽しい」という感じる部分が大きくなる。緊張感が和らぎオフロードの先にある風景、コントロールする悦びが深くなることで、バイクライフが楽しくなるでしょう。そんな領域を体験すると、もっといろいろなところを走りたい、仲間といろいろなところに出かけてみたい、と思っているライダーになり、路面や天候も気にせずビッグサイズのアドベンチャーツーリングも身近になるのでは。このタイヤはそんな魔法をもっています。もちろん、そんな体験を通じてダートライディングを楽しんでいるエキスパートにもお薦めします。」

トータル性能を大幅にアップして、オンもオフも安心して、そして快適に楽しめるKAROO™4。ビッグアドベンチャーバイクに乗っている方に、ぜひ試していただきたいタイヤです。

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参加した日本チームの3人とともに。右端が松井さん。


<松井勉さんプロフィール>
1963年生まれ、東京都出身。17歳でバイクに乗り始め、20歳ころからオフロードライディングを始め、エンデューロレースなどでファンライディングを知る。その後、バイク専門誌などの取材記者としての活動を始め、パリ~ダカール、Baja1000など海外のオフロードレースへ参加。インターナショナルGSトロフィーは第1回のチュニジア大会にプレスとして参加。2020年は日本チームの監督を務め、本戦もプレスとして参加した。BMW MOTORRAD公認インストラクターの資格を持ち、ビッグアドベンチャーモデルのライディング講習会のインストラクターを務めるほか、自身主催のスクールも開催している。