WSBK第1戦オーストラリアラウンド
2月24日~26日/オーストラリア フィリップアイランド・サーキット

スーパーバイク世界選手権(WSBK)の開幕戦オーストラリアラウンドが、2月24日から26日にかけてオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで行われました。フィリップアイランド・サーキットでの開幕戦は、2020年シーズン以来のこととなりました。

そんなオーストラリアラウンドの3レース(レース1、スーパーポール・レース、レース2)を制したのは、2022年チャンピオン、ドゥカティのアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)でした。

土曜日のレース1は雨に見舞われ、ウエットコンディション。2列目スタートから1周目で先頭に立ったジョナサン・レイ(カワサキ・レ-シングチーム)に対し、バウティスタは一定の距離を保って2番手をキープしていました。しかしその後、レース中盤にバウティスタがトップを奪うと、そのまま優勝を飾りました。

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2023年シーズン最初のレースはウエット。その中でバウティスタはトップを走っていたレイをとらえて優勝した

翌日の日曜日にドライコンディションで行われたスーパーポール・レースとレース2は、バウティスタが序盤からトップを走り、優勝。ウエットコンディション、周回数10周のスプリントレース、そしてドライコンディション。それぞれ異なるコンディションでありながら、バウティスタの強さはそのすべてのレースで発揮されました。

なかでもレース2では、ポールポジションからスタートしてトップに立ち、2周目にはファステストラップを記録してレースをリード。2番手を走るチームメイト、マイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)の追随を許さず、独走態勢を築きました。

後方との差を大きく広げたバウティスタは、後続を引き離してトップを快走するあまり、レース中の映像にほとんど映らなかったほど。最後には2位のリナルディに対し、6秒以上の差をつけてゴールしました。

これまではレース中盤から後半に追い付いてトップを奪い、そのまま引き離して優勝する、というスタイルが多かったバウティスタ。レース1ではその展開で勝利を飾りましたが、スーパーポール・レースやレース2では序盤から後続を引き離すレースを見せました。さまざまなコンディションで、異なるレースを展開し、そしてそのすべてで優勝しました。強さの種類が増えた、と見ることができるかもしれません。

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レース2では独走でポール・トゥ・ウィンを飾ったバウティスタ

また、オーストラリアラウンドはドゥカティ勢が軒並み上位に食い込みました。バウティスタのチームメイト、リナルディは2022年シーズンには4度の表彰台を獲得しましたが、2023年シーズンは開幕戦にして、すでにスーパーポール・レースとレース2で表彰台に立っています。

レース2では、エントリーするレギュラーのドゥカティライダー5人全員が、トップ10以内でゴールしました。加えて、スーパースポーツ世界選手権(WSSP)でもニコロ・ブレガ(Arubaレーシング・ワールドSSPチーム)がレース1とレース2を制し、ドゥカティライダーとして2005年ぶりにWSSPの表彰台の頂点に立ちました。

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レース2はドゥカティの2人がワン・ツーフィニッシュを果たした

2023年シーズンの開幕戦は、バウティスタが王者としての貫禄を見せ、また、ドゥカティという勢力が上位を席巻したラウンドとなりました。

WSBK第2戦インドネシアラウンドは、3月3日~5日、インドネシアのプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われます。

写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里