ノビータイヤ(ブロックタイヤ)ならではの、さまざまな工夫が加えられたKAROO™ 4のトレッドパターンですが、まだまだ新たな技術が投入されています。

そのひとつが、TOURANCE™ NEXT2で新採用されたMETZELER DYNMATEC(ダイマテック)テクノロジー。トレッドの溝部分の深さと形状をバイクのバンク角度の違いに応じて2種類使い分けることで、スムーズなハンドリングと耐久性を両立させています。

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バンク角によって、トレッドの溝部分の深さと形状を使い分けるMETZELER DYNMATECテクノロジー。直線路で多用するセンター部分は溝の幅を広げてスムーズなハンドリング性能と耐久性、路面安定性を生み、ミッドリーン以上で使用するサイド部分の溝は幅を狭くしてノブにかかるストレスを低減している。

また、KAROO™4と比較して、フロント、リヤともにバンク角が増すほどにボイド率(接地面積の値で、少ないほど接地面積が多い)が向上していて、とくにリヤタイヤはそれが顕著です。

逆に、フロント、リヤともに浅いバンク角では接地面積を減少させることで、効率のいいブレーキ特性と自然なハンドリング特性、そしてソフトな路面での良好なトラクション性能を生んでいます。

トレッド溝の深さはKAROO™3から変更はなく、フロントは8㎜(90/90-21)または9㎜(他のサイズすべて)、リヤはすべて11㎜となっていて、マイレッジ性能とオフロードパフォーマンスの両立を狙っています。

ノブのレイアウトを大幅に変更し、デュアルコンパウンドも新採用

そして、KAROO™4で目に見えて大きく変わったのがトレッド面のレイアウトです。

幾何学的にランダムにノブが並んでいたKAROO™3に対し、KAROO™ 4は「マルチシーケンススレッドピッチ」というAタイプとBタイプのノブを交互に配置するレイアウトになり(配列はA→B→B→Aの順番)、これによって優れた静音特性とスムーズな切り返し性能を実現しています。

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AパターントとBパターンのノブがA→B→B→Aという順番に配置されることで、優れた静音特性を実現するとともに、スムーズなローリング特性も実現している。

コンパウンド自体も大きく改良されていて、フロントはバイアスの場合、接地性が高く、ガラス転移温度が低く幅広い温度範囲に対応するように新開発されたものを使用。また、ラジアルはKAROO™4のゴム素材(20%のシリカを含む)を改良した、比較的硬くて耐性のあるものを使用しています。

そしてリヤには、センターに100%カーボンブラック、ベースコンパウンドにソフトシリカ20%のゴムを使用したデュアルコンパウンドを採用。センターコンパウンドは耐摩耗性が高く、岩場などでもブロックがちぎれにくい強靭な耐引裂き性能を確保しています。

また、両サイドのそれぞれ10%部分はソフトシリカのコンパウンドが接地することで、温度依存の少ない安定したパフォーマンスを発揮します。

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フロントはバイアス、ラジアルともにシングルコンパウンドだが、リヤは100%カーボンブラック+ソフトシリカ20%のデュアルコンパウンド仕様。オフロードでのグリップ性能と、ロードを含めた耐久性能を実現している。

次回は、KAROO™3に対し、多くのサイズがラジアル化されたKAROO™ 4の構造についてご紹介します。